9「本能に従うべき日」

★04年12月11日土曜日、長年取り組んできたリキュール・ベース別のカクテル・メニュー、ついに完成。

03年新春にリキュール以外の改訂版カクテル・メニューを発表してから約2年ぶりの新メニュー。
が、企画はその前からだから3年がかりというところでしょうか。
そうそう、飲酒検問厳しくなっての‘低迷’それによる‘ヒマをもてあまして’が発端でもあったから、やっぱり3年がかり。

しかしながら、お客サンからの「カシス・ベースの」とか「ストロベリー風味の」といった、漠然としたカクテルの注文に十分対応していくには?と考えたのもホントであって、ならば希望のリキュールのページを開くとその関係カクテルが一目瞭然、となればいいンじゃないか?と考えて「しまった」ことにもよるのである。

毎年末、新作カクテルやらニューボトル、廃盤商品でメニューを改定するたびにそのコピーだけで営業終了後朝方までかかるゆえ(コピー代も馬鹿にならん)、かつ今回のメニュー・ブックは特にぶ厚くなることからして、いままでの6冊を3冊に減らし、今後は変更点のみ「差し替える方式」にもしてみた。

しかしながら、ここで問題発生。
いままでの4cm厚のメニュー・ファイルに入りきらなくなったのだ。
予測していただけに脳裏に留めておいた、今夏には売っていたはずの無印良品の一番ぶ厚いファイルが最近見当たらず、あらたにファイルを探し買い求めるべく、或る日地下鉄長居駅へ。

さて、北花田のダイヤモンド・シティか天王寺か。
どちらも地下鉄料金230円。
う〜む、品揃えはやはり天王寺界隈だろう、時間的には北花田有利かと、結局本能のおもむくまま天王寺方面行きフォームに降り立ったとたん、向かいの南行きフォームに列車が入りつつあった。発作的に向かいのホームへダッシュ!

そしてのダイヤモンド・シティ。
前回ふらり立ち寄ったときには専門店街でなつかしの自由軒のカレーを食した。
なつかしの、というのはミナミの本店で20数年前に食べたのが最後だったからである。
思い起こせばある外人に「カレーを食べよう」と誘って入った自由軒で、「ウンチのようなものは食べられない」といわれたのが最後の自由軒のカレーだったのだ。
う〜む、あれから数え切れぬほどミナミにでかけてもなぜかここのカレーは食べてなかったなぁと、ひと口。

そして、思い出した・・・。
ここのカレーは我輩、口にあわずして今まで食べていなかったのだった・・・。
20数年の間にすっかり忘れてしまっていた、この味を・・・。
このことをあるお客に話すとそのお客、翌日わざわざ食べに行かれた。
で、いわく「食べてるあいだに飽きてきたワ・・・」
名物にうまいものナシ、なのか、やっぱし?

今回はジャスコのフードフロアにて印度カリー屋のガラムガラムへ。
食するはカシミールシュリンプライスなるもの。
ここでは呼び出し用にポケベルのようなものを持たされるのだ。
待つこと10分・・・。
その四角の呼び出し用物体が謎の物体に見えてきたころ、ようやくベルが鳴る。
で、カウンター越しに手渡されたそのカレーであるが、ウン?なに、これ?
幼稚園の給食?ままごとカレー?
量すっくないなぁと、待つこと10分、食すことたった2分のカレーであった。
味?
一瞬レトルトかと思ったが、作るのに10分もかかっとるしなぁ・・・。
今後の展開に一抹の不安感じつつ、ファイル探しに向かう・・・。

ジャスコ、阪急デパートそして専門店街。
これだけ広いと文具売り場を発見するだけでも大変。
とりあえず一番近いジャスコの売り場へ。
ま、しょせんはスーパー。猫の額ほどの文具売り場の品揃えに落胆もせずお次の紀伊国屋へ。う〜む、文具売り場が・・・ナイ?
では阪急・・・これって、デパートかぁ?デパートと呼ぶにはちょっと小さいんちゃう?ジワッといやな予感。

一階の案内所へ。
オジサン、オバサンらのダイヤモンド・シティ会員申し込みで込みあうなか、ようやく応対してくれた案内嬢に「ジャスコ以外に文具店は?」「ジャスコだけでございます」
周りの人に叫びたかった、「あんたら会員になってナニ買うね〜ん!」

地下鉄場面を思い出していただきたい。
本能的か発作的か、いずれかで行動しなければならない場合、本能に従うべきである。カレーの場面も思い出してほしい、始め悪ければ終わりも悪し、である・・・。
結局この日、ふたたび天王寺行き地下鉄フォームに戻るハメとなったのであった。

■「今夜の名言!」

『さて、小泉首相は「テロには屈しない」と強気の発言を続けているが、イラク戦争以降の(中略)日本人の戦死者5人。日本がテロリスト側に与えた戦果はゼロである』

「新潮45」12月号 軍事ジャーナリスト加藤健二郎「イラク人質たちのそれから」より。日本とテロリストの『勝負』ととらえたこの最後の一文で、笑ってはいけないのに笑ってしまった。
以上。
         

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