38「無理やりの、2月!」

今月は特筆すべきこと、ないなぁ。
あるとすれば、暖かくなり始める3月以降に向けて試行錯誤しつつの「準備期間」だった、ということか。

この商売、過去15年間冬場は毎年、売り上げダウン。
極端にいえば赤字といっていいほどの季節なのだ。
お客さんが来店されるのが平均22時30分から深夜2時すぎの時間帯。
北風吹き小雪舞う夜中、だれもわざわざ外出もしないし、ましてや冷たいカクテルなんぞもいってみれば不要のシーズン。
駅から小走りで帰宅し暑い風呂に入ってコタツでビデオみながらビール。
または居酒屋で湯豆腐と熱燗・・・やなぁ、我輩だったら。(そうそう我輩ビール党じゃないけれど、今月呑んだ季節限定販売のエビス「琥珀」ビールはうまかった!)。

で今月は、昼間の喫茶営業告知のための屋外看板ほかの準備。
店舗自体を知っていただくための駅貼りポスターの準備。
メニューの見直し等に費やした日々。

また3月頃からは「家庭料理&バー」という形式にしようかという話もある。
「昼間の食事、夜はないの?」ってお客サンがおっしゃること多々ありで。が、これには昼間担当の例の我が妻タヌコがからんでるンでちょっと怪しい。

先日、はじめて来られたお昼のお客サン「夜は食べるものあるんですか?」と。
タヌコいわく「3月くらいからしようと思ってます」って返事しといたわ、となぜか得意げに。
・・・彼女の念頭には昼間の食事しかないのだ。
我輩「夜は夜であるやんかぁ!昼より多いやろ!」
タヌコ「あ、そ〜やった!」。
何年働いとんねん・・・である。
ン?またカンバン書き直すンか・・・。

その他のことといえば、近辺でようやく「深夜に呑める店」を見つけたことか。
一軒は、371号線新町橋裏手の「See-ya!」。
もう何年も前から、雑貨店というその洒落た民家風店舗の存在を知ってはいて、そのうち喫茶店になりそして空き店舗に(駅に近ければ我輩が借りたかったほどの風情あり)。
一度も訪れたことのないこと後悔しつつの昨年暮れ、帰宅途上の朝の4時ごろ、赤提灯が灯っていた。
で11日の深夜、訪問。
居酒屋に変身していた。
昨年夏オープンの、ミュージシャンのマスターと奥さんが経営されてるお店。
たっぷりの麦焼酎ロックがうれしい。
ただし閉店時間未定で、看板も出しておられません。
う〜む、なんとなくうらやましい・・・。(奥さんと一緒、というんではなく)。

もう一軒は、お客サンのA子サンに教えていただきながら場所の分からなかったバー。
ん?ゴメン。居酒屋でしたっけ?
後日「See-ya!」で偶然相席となったのがその不明店「ジャンボリー」のマスター。で、21日訪問。
371号線市原町。洋服の青山の左隣。
我輩、逆隣を探していて分からなかったのだ。
O型のマスターというのとローゼズロック500円がうれしい。
たまたまおられたアシスタントのアイさんがこれまたお綺麗で、A型。
ベストカップルである。(これはなんとなくではなく、うらやましい)。

が、我輩が店を閉めてそれぞれのお店に向かう人恋しい気分最高潮の頃は大抵すでに閉店・・・。
で、コンビニでビール買って下記ビデオなんかをひたすら見続けることになるのであ〜る。

★「今夜の映画!」

「なごり雪」大林宣彦監督。02年。
くたびれた中年男の三浦友和とベンガルが青春時代回想しつつの、懐かしき名曲「なごり雪」の背景を描いた作品。(これは我輩にとって発掘シネマやなぁ!)。
が、ヒロイン雪子役須藤温子と、イルカなんぞではない正統派伊勢正三の歌のみ印象に残る。そしてさすが大林監督、ロケ地の大分臼杵の町も(イヤミ)。
当時の若者とはこんなもんだったかもしれないけれど(我輩自身かえりみて)、主人公祐作の雪子に対するあやふやな態度に終始イライラ。
かつ映画ではどうしていつも悲劇のヒロインは我輩好みの美人でなけりゃならんのか、にもうんざり。
でもあの曲の世界はこう解釈できるのか、とある意味納得。監督らしい題材です。祐作役の三浦友和は個人的にはミスキャスト、だと思う。2/5。

懐かしさといえば、60年代の青春映画「去年の夏」(ストーリーはもう覚えていないが題名が印象に残る)での少女役バーバラ・ハーシー出演の「パリス・トラウト」(スティーブン・ギレンホール監督。90年)は、50年代南部の黒人差別がテーマ。
雑貨屋の主人デニス・ホッパーが黒人母娘を無造作に射殺するシーンは目を背けたくなるが、その緊張感が続かない。そういえば主演のホッパーも60年代の「イージーライダー」で知ったのだった。ハーシーももう60歳近い・・・年月の流れを実感。2/5。

「KT」阪本順治監督。02年。/「亡国のイージス」同監督。05年。
好みとしては我輩ファンの阪本監督独特のドシッとした作風の、金大中拉致事件を描いた「KT」か。どこまでが真実なんだろうと興味深くみれた。
「亡国」も、ハイ、自衛隊が全面協力してくれました、っていうイヤミさがなくってさすが監督と思ったけれど、題材が大作すぎたか。
両作品に出ている佐藤浩市は存在感あり(アクが強すぎて昔は嫌いな俳優だったけれど、最近彼の出演作はいいなぁ)。共に3/5。

「コンスタンティン」フランシス・ローレンス監督。05年。
天使と悪魔の狭間で生きるキアヌ・リーブスのこの作品、評判良くないって聞いてたせいもあって、かえってみれた。ただ「ゴーストバスターズ」的武器にはしらけたけれど。3/5。

でも、オリバー・ストーン監督「アレキサンダー」(04年)は評判通り。
まず、金髪のコリン・ファレルがカリスマ性、猛々しさ皆無でいただけない。「タイガーランド」や「SWAT」の黒髪の彼は凛々しかったけれど。
ま、教科書で知った程度のアレキサンダー大王の生涯を知れたってのが収穫か。3/5。

知ることができたという点では、ヴィセンテ・アランダ監督「carmenカルメン」(03年)も。
カルメン題材はいくどか映画化されてるのに今回はじめてみた。これだけ有名な物語だとみてないのになぜかもう食傷気味で、みはじめるのに努力・・・。
純な青年兵士が奔放な女に恋してしまうこのドラマ、我が青春時代にみれば惹き付けられたかもしれぬが、“恋と嫉妬は姉妹である。天使と悪魔が兄弟のように”の世界から遠ざかって久しい我輩にとっては、「あほ・・・」と思いつつの鑑賞。2/5。

「奇談 キダン」小松隆志監督。05年。
隠れキリシタンの伝説を追って・・・なんて我輩好みなんだけど(酔った我輩の十八番の話にコレに関した話アリ)、ヒロイン藤澤恵麻も可憐なんだけど、あまりにもバカバカしいラストとその映像で、1/5。

バカバカしかったのをもうひとつ。
「殺意のサンマルコ駅」セルジオ・ルビーニ監督。90年。
「田舎町の寂れた深夜の駅で繰り広げられるサスペンス」・・・か、コレ?
ヴェネチア国際映画祭受賞作品だが、かつてのB級大量生産マカロニウエスタン的くだらなさで、ホンマに受賞かいなとパッケージを見直してしまった・・・。1/5。

非発売の次号につづく!

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