114「サブ店名honaの由来」

10月12日(日)

★新ステッカー、完成!

デザインは、墨丸会員462号やすべぇ女史作の第3弾ステッカーをベースに342号ケンちゃんがアレンジ。

墨丸としてのステッカーはこれで5種類目。
SUMIMARU′S BAR honaオープン時の第4弾は色使いも失敗、さらに誤植あり(!)でしたが、先日ようやくすべてハケまして・・・。
今回会心のステッカーは、墨丸会員のみに無料配布させていただく予定です。

さて当hona店もそろそろ1周年(07年12月28日オープン)。
墨丸創業17年目にはいり(92年7月27日1号店オープン)、来る12月の26(金)〜28(日)にはその1周年(&16周年)記念サービスを企画しております。

ということで今回は、常々皆さんからご質問の「honaってどういう意味?」について回答したいと思います。

★「hona」の由来・・・

さて、この我孫子に出店決めた際、引っかかったのがK氏に譲った長居店が「墨丸」店名を継続して使用されてたこと(看板等製作資金でき次第変更されるはずだったんですが)。
酒屋注文時もややこしいし、長年の店名をこっちが変更するのもアホらしいし、心機一転なんか区別する方法ないか・・・と思ってたとき目に飛び込んできたのが朝日新聞夕刊「勝手に関西 世界遺産」のライター島崎今日子さんの記事。その題名見たとたん「これやん!」。

その記事、題して、「ほな」
島崎さんが外科病棟に入院していた際に知り合った胃がん患者の親切な節子さんが手術室に向かうとき、半泣きの表情で小さく手を振り、「ほな、行ってきます」「わたしは、そのとき、節子さんの言葉は自分自身に言い聞かせていたものだと気づき、『うん、ほなな』としか声がかけれなかった。」で始まるその文から以下・・・

「ほな」は、汎用性のある関西弁の中でもことにいろんな使い方ができる。
言ってみれば、たった二文字だけれどいかようにも用いることができて便利、しかもそこには深い意味を込めることもできるんだよという接続詞だ。響きからして柔らかくて、まるでうどんみたいではないか。それだけにきしめん圏や蕎麦圏の人には、そのニュアンスを使い分けることは至難の業であろう。

会社では「ほな、そういうことで」と会議が終了する。
喧嘩していても「ほな、もうええわ」で終止符が打たれる。
「ほな、こうしたらどう?」と、コミュニケーションが続けられることもある。
「ほな、これにしとくわ」となることもあるし「ほな、もういらんわ」ということだってある。

関西人の別れの挨拶は、長らく「ほなな」が定番であった。
その関係性においておのずと「頑張ってや」とか「また明日」とか「元気でな」とか「連絡してね」とか意味が含まれることになる。
「ほな」の一言で永遠にバイバイする恋人たちもいる。
東京弁に変換すれば「それでは」とも「それなら」とも「じゃあ」となる接続詞を「ほな」の一言ですまし、そこにあらゆる感情を乗せてしまう合理性と経済性・・・。さすが、ではないか。
まあ、多くを語らずともわかりあえる密着度を暑苦しいと嫌う向きもあるけれど。

続いて「ほな。こんな小さな言葉なのに使い道は広く、深い」という東京育ちの記者河合真美江さんが阿倍野研究家の難波りんごさんにそのココロを教えてもらったという記事から抜粋・・・

エピソードその1.
葬式の参列者が帰り際、夫を亡くした喪主に「ほなね」。
「元気だしや。体に気ぃつけて」という思いやりがこめられている。
その2.
「ほな、行こか」や「ほな、〜しよか」 
弾みをつけ一瞬のうちに周りの人の気持ちを同じ方向へ導く。
その3.
電話を切るときの「ほなね」
名残惜しさや親しみがこもる。

難波さん「ふと口から出る言葉。気持ちを切り替えさせて勢いづけたり、凝縮した気持ちを伝えたり、ありがたい大阪弁です」
大阪ことば辞典「それならの極端な省略。それなら→そんなら→ほんなら→ほなら→ほな」
武庫川女子大学言語文化研究所佐竹秀雄所長「『S』が『H』になる大阪弁の特徴を備えている。『しません』が『しまへん』、『質』が『ひち』となるのと同じように。そして省略で感情をのせやすい言葉になった」

軽やかな響きだから重苦しい場面に生きる。
面倒な仕事を「ほな、始めるか」なんていうときにも。
「つらいこともあるけれどしゃあない、頑張ろか。そんなふうに納得させる戦略的接続詞か」

ほな、原稿書こか。

以上。
で、hona開店準備の協力者、墨丸会員320号サノ氏、691号ポストマンと打ち合わせ時、「キミらの好きな沖縄の那覇(ナハ)連想させるやろ?今度の店は家賃も安くなってその分ドリンクも安くできるし、『ほな、墨丸行こか?』って、気軽に来てもらえる店にしたいねん。協力してや」となったわけであります。ほな、これで今回終わるさかい、いまから飲みに来てや。

次回は店名「墨丸」の由来について述べたいと思います。ほな、また。

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