120「09年は 「半身」でスタート!」

09年1月1日(木)

★新年です。
あけましておめでとうございます。

12月28日(日)、当店1周年。墨丸創業16年と5ヶ月をも迎えました。
周年行事の三日間、お寒い中ご来店いただいた方々、ありがとうございました。
また、年末ゆえ等でご来店いただけなかった方々ふくめ、みなさん今後とも墨丸応援のほどよろしくお願い申し上げます。

さて、オープン以来1年間片付けていなかった事務机周囲を昨夕から本日にかけ、ようやく(一応)整理で、大掃除終了(一応)。
・・・本日休日ゆえ、この後の夜中、どう過ごそうかと思案。

「寂しい夜中、いつでもつきあいますから電話してきて」のネチャーエフ氏に「ヒマだったらどっか飲みにいきましょか?」とメールすると「ヘイヘイ、今ディナーやってるよ!イチャイチャだ。ハハハ」と、いとも簡単に無視。なんやね〜ん!
飲み仲間のポストマンに「遅々、飲みにいこか?」と電話すると、「遅々ですと・・・明日、朝から用事ありますねん、すんません」
え〜っと、あとこの時期ひとり孤独にいるのは(失礼)?と、龍ちゃんにメール。

深夜過ぎ、「あれ、龍ちゃん返事ないやん?」で、ハタと思い出した。
メール途中に野暮用電話かかってき、メール途中で止めたンだった・・・。
こうして新年の夜はむなしく更けていったのでした・・・。

1月2日(金)

夕方まで新年のオープン準備し、午後4時すぎより8月18日以来の帰宅行(よう帰り道覚えとったわ)。
この夜のことは記憶に留めたくないのでこれ以上記さず・・・。

ただ、兄弟家族一同24人集まっての新年会脱け出し、夜8時過ぎから翌昼の12時過ぎまで眠り続けてました・・・。これは、いつも店のソファで寝てるため布団で寝付けないせいと、目覚めてリ・フジンと顔を会わせるのがイヤだったせいもあり・・・。
一階の宴席から長男が「子供ら、降りてこい!いまから新年の抱負をひとりづつ言うで〜!」の言葉聴きながら、そうそう年末、お客サンから「今年を四文字で言いあらわすならば」とお題出され、せいざぶろうクンが我輩の代わりに「四苦八苦」と言ったのを思い出し、ああ今年もそれではないか・・・と暗い眠りに陥っていったのであります・・・。

1月3日(土)

で、店への帰途、車を走らせながら「なんなんだ、この正月・・・?」と、正月早々ウツ状態なり・・・。「はじまり悪けりゃ、おわり良し」ならいいのにね!

1月5日(月)

★「読む者をいずこへ連れ去るのか?」とは文庫本裏表紙のあらすじの言葉。

う〜む、サマセット・モーム賞他数々の文学賞に輝き「04年このミステリーがすごい!」海外小説ベスト1に選ばれた、この淡々とした物語展開のどこが「すごい」のか?と、読みながら(ちなみに08年ベスト1は前回紹介の「チャイルド44」)。

19世紀の英国。テムズ河畔にそびえる陰鬱なミルバンク監獄。そこに慰問に訪れた貴婦人マーガレットは清楚な女囚シライナに出会う。
シライナはなぜこの過酷な牢獄に?霊媒だというその少女との交流を重ねてゆくなか、霊が引き起こすかのような不可思議な出来事がマーガレットの周囲で起こり始めるとともに、マーガレットは次第にシライナに惹かれはじめ・・・。

訳者あとがきにあるように、「これはどんな本なのだろう。読み進む間、それがずっと不思議だった。歴史小説だろうか。ラブストーリーだろうか。ゴシックホラーだろうか。ミステリーだろうか」
そう、まさに「いずこへ連れ去って」くれる小説なのか・・・その疑問が終章まで。そしてそこでの晴天の霹靂のごとき結末!すごい。
これが、サラ・ウォーターズ「半身」(創元推理文庫)です。評価5/5。

他に年末年始にかけ読んだのは・・・

「治療島」(セバスチャン・フィツェック。柏書房)
ドイツでの06年ベストセラーのスリラー。
ある日突然、精神科医の愛娘が失踪。4年後、小さな島の別荘で失意の日々を送る父親のもとに児童文学作家のアンナと名乗る患者が訪ねてくる。彼女は自分の書く物語がすべて現実化するのだといい、愛娘とそっくりな少女が親の前から姿を隠す物語を語り始める・・・。彼女は何かを知っているのか、それとも誘拐犯なのか・・・。

冒頭から異様な物語世界に引き込まれます。が、この異様さが読み進むにつれ「もしかしたら?」につながってしまい・・・でもこの作家の他作品も読みたくなっての、4/5。

「時空を超えて」(ギヨーム・ミュッソ。小学館文庫)
60歳の医師エリオットはカンボジアで子供を救った礼として、老人から「望みをかなえられる」という10錠の薬を渡される。半信半疑で飲んでみると、死んでしまった恋人が生きている30年前にタイムスリップ。1錠につき過去に戻れるのはたった数分。果して彼は彼女の死を止めることができるのか?

訳が悪いのか原作のせいなのか、赤川次郎本を読んでるような前半。が後半、秀作映画「バタフライ・エフェクト」的パラドックス世界で、4/5。以上。

<戻る>