０９年３月２日（月）
★寝不足です。
朝方眠りにつき、はや七時頃にふと目覚め「あ〜、９時からのスーパー温泉にでも行って寝なおすかぁ」（スーパー温泉は以前記した、堺の「さらさの湯」です。あれから、ぬるい！ぬるい！と思いつつも、早く開くのでもう３回は行ったでしょうか）と、それまでの時間つぶしに久しぶりに文庫本を手に取ると・・・もう止まりませんでした。
以前紹介した英国女流作家サラ・ウォーターズの傑作「半身」の次作「荊（いばら）の城」上下巻（創元推理文庫）です。
物語の舞台は、前作同様１９世紀のヴィクトリア朝ロンドン。
貧民街の故買屋一家に詐欺師の通称「紳士」が儲け話をもちかけてくる。
辺鄙な地に建つ城館に住む娘をたぶらかして結婚し、そのあと精神病院に放り込み財産をごっそりいただこうというのだ。
その手助けのため、一家の少女スウはその娘モードの侍女として城にもぐりこむ。
しかし純真で世間知らずのモードに仕えるうち、スウはそしてモードも互いに心を通わせ始め・・・。
前作が、あとがきにあったように「この小説はどこに連れ去ってくれるのだろう？」と、驚愕のラストまで多少イライラさせられたのが正直な感想でしたが（それでも評価は５/５！）、今回の作品は上巻の中盤でもう、「えぇ〜！！」っと驚愕。かつスピーディな展開。
「半身」を読破していたなら分かりそうな（いや、これはワカランなぁ！）その展開に、あと半分のページと下巻にはどんな物語が詰まってんだろ？とドキドキ。
おかげで午後の３時過ぎまで本書手放せず、２時間ほど寝たあと近所の銭湯に行くのももどかしく、ラストまで読みふけりました。こんな面白本に月に１冊は巡り会いたい！（今夜はヒマでしてん・・・）。
サマセット・モーム賞受賞作の前作につづき、本書も英国推理作家協会賞受賞。オススメの１冊です。評価５/５。
３月３日（火）
１０代の頃、涙なくして読めなかった６０年代の名作「氷点」（安田道代主演の大映映画も内藤洋子のテレビドラマもみたなぁ）の作者、三浦綾子さんの７０年代のベストセラー「石の森」を読みました。
最近、集英社が昔のベストセラーを年代別に文庫本で再販してい、未読の本書を以前から探していたんです。
物語は、１９歳の女子短大生の、いってみれば自立の物語。
そうか、ボクラの青春時代はこんなにも純真だったんだ、いや単純だったのか。と思うと共に、ストーリーの流れさえ簡単に予測できてしまう古めかしさまぬがれずで、評価３/５。以上。