130「変哲もない春の一日」

09年3月21日(土)

★パソコン不調で、しばらくぶりの掲載です。

春なのに眠りが浅くて困ります。
7日の土曜日でしたか、睡眠2〜3時間でまたもや目覚め、ちょうどいいやと病院に行くことにしました。

昨年11月に切れてるはずの血圧のクスリがこの時期になくなり、なんと正式服用期間を3ヶ月もオーバーした今ごろ病院に取りに行くことにしたのです。
2ヶ月で使い切るはずのクスリを服用したりしなかったりで計5ヶ月余り、これで特に血圧上昇ということもなくどうにか今も生存しているわけで・・・。
時々思うンですが、人類死滅後わたし一人が生き残っても、この血圧のクスリが手に入らないといずれ死ぬんかなぁとか、今使ってるメガネを壊したら盲目同然になるんやなぁ、なんてバカなことばかり考えては少々不安がってました。

で、病院からの帰り道、なんの花なのかこの日初めて春の香りに気づき(毎年ふと「なんの?」と思いつづけて今に至りでありますが)、あまりにも陽気がいいので少し散歩することにしました。
先日の新聞によると「冬季うつ病」ってのがあるらしく、日照時間の少ない冬の英国などではその季節、うつ病による自殺者が急増するとか。
我輩も昼間ほとんど寝てるわけで、最近の気力のなさは、ああ、これに由来するものかもと・・・。でビタミンD不足で「せむし(くる病)」になる前にまぁ、日光をたっぷり浴びようかと思ったわけです。

長居店時代にも長居公園に足踏み入れたことがなく、車で大和川渡るさい、ああ、この河原にいちど降りてみたいなと思いつつすでに17年(このあたり「花の香り」と通ずるものありですなぁ)。
で、河原に行くことに・・・。

店から大和川に向かう途中、昔の住吉区地図では空き地のはずの場所にいまは数々の公共施設が立ち並んでいるのに驚きました。
地図はチラシのポスティングのために17年前に購入したもので、記載内容はずいぶん古いものです。で後日、書店に最新の地図を買いに行くとこれも時代の流れですねぇ。書店の親父さんいわく「地図?あんまり種類置いてないですよ。住吉区の?そんなの紀伊国屋でも置いてないですよ」
地図検索はすでにナビが主流なんだそうです。
でも「まさか」とアナログ人間のわたしはそれから2軒書店を巡りましたが、もうどこにもありませんでした・・・。

で、大和川。
久しぶりの土の感触であります!
そういえばこの感触は子供時代には当たり前だったのにと思いながら、ふと道端みると「河口まで6.5キロ」の標識。たしか墨丸会員787号ネチャーエフ氏はこの河口付近でこの時間、ユリカモメにパンの耳で餌づけをしてるはず。で、下流に向かって歩き始めました。
わたしが物心つきはじめた阿倍野に住んでいたころ、母親に連れられてチンチン電車を降りたこの先の河原に来たことを思い出しました。陽にさらされた真っ白ななにか動物の骨を目にしたことだけはいまでも鮮やかに覚えています(なんかホラーの書き出しみたい・・・)。

途中、河原の雑草刈の中年男性の一群が昼食の弁当を摂っているのに出くわしました。
それが奇妙なことに、一組として共に食事を摂っている人がいず、20人あまりの人々がてんでばらばらにそれぞれとの距離をとってひとりきりで黙々と食事をしているのです。一人などは身長ほどもある藪のなかに座り込んで。なにか非現実的なシーンでした。

こうして魚影見えぬ浅瀬や流れ着いたゴミ横目に(砂に半ば埋もれたビデオテープ2本には興味津々でしたが)歩き続け歩き続け、土の感触にもこれら風景にもうんざりしはじめて、ああ〜、ここはどのあたりだろ?だいぶ歩いたもんなぁ。帰りはもう歩けんなぁ。バスかタクシーに乗らなあかんかなぁと土手にあがって町名みると、なんと遠里小野。いまだJR杉本町駅の裏手ではないですか!

あれだけ歩いてなんでやねん!?と店に戻って地図みてみると、大和川はこのあたり南に大きく湾曲していたのでありました・・・。
これでもう死ぬまで大和川の河川敷には行かんのだろうなぁ・・・。
でも、幼年期の動物の骨の記憶につづいて、中年男性群の奇妙な食事風景と砂に埋もれたビデオテープだけは記憶の底に眠り続けるのだと思います・・・。
以上。

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