150「さらば、夏の日」

09年8月9日(日)

★「ゆかた夜会」開催しました。

ゆかた(のようなモノもふくむ)着用の方、ドリンク10%オフの夜会です。
参加者11名(♂5名。♀6名 / ゆかた♂3名。♀4名)
墨丸会員541号てら吉クンのゆかた姿は「博多のゲイバーのマスター」的でした(てら吉ちゃん、水上勉の「男色・女色」を読みたまえ!)

去りゆく夏を惜しみつつ今月30日(日)、第二夜を開催いたします!
どなたでも参加可。ゆかた姿でなくってもおいでくださいませ。

★8月16日(日)、創業以来初めての墨丸版「臨海学校」開催しました。

毎年「やろうや〜!」と言いつつも創業以来17年間なぜか企画倒れだった「臨海or林間学校」の「臨海」版をささやかながらようやく実施。

参加者は、墨丸会員495号マサミ嬢、734号チャン氏と私の、たった三人でしたが・・。
行き先は、和歌山日高町の産湯海水浴場。名づけて「クラゲと闘おう臨海学校!」でしたが、幸い闘う相手は幸いにも、ゼロ。

私がサラリーマン時代の海水浴は大阪から白浜までの遠征が常でしたが、ある年の遠征途中、国道沿いの小さな看板「産湯海水浴場右折」を見かけて発見したのがここ。
穴場です。
20年近く来ていなかったことになりますが、いまだ白浜に劣らぬ遠浅かつ周りに民家も少なく水もきれい。
そして日高は河豚より旨いといわれるクエ料理の町です。近くには石灰岩の岩山が連なる白崎海岸も。

30数歳のチャンさん、なんと海水浴は初めて!
「ボク、浜で寝てますから」と言ってたのに、いちばんよく泳いでました。
チャンさん感想「海水浴って意外といいですねぇ。来年も!」

帰りは海辺のスーパー温泉「みちしおの湯」でさっぱりし、大阪着午後6時。
私、前夜4時過ぎまで仕事で8時起床だったゆえ、杉本町「いわし亭」にてビール飲むともう仕事する気なくなり、でもマサミ嬢が「わたしがカウンターに入りますから」ってんで、9時にオープン。
で、こんな夜に限ってお客サンが次々と来られるもンですわ・・・。

★「今夜の本!」

誉田哲也「ストロベリーナイト」(光文社文庫)、「ジウ」(全三巻。中公文庫)読了。

共に警察小説です。
ストーリーは、基本通り「個性あふるる刑事達による捜査活動」ですが、特異なのは両作品とも、強烈なトラウマを負ったというよりも、悲惨極まりない出来事を境に人格が崩壊してしまったかのような犯人を追うという点。
共に女性刑事が主人公で、「ジウ」などは単なる児童誘拐事件を発端に次第に巨大な闇の陰謀が浮かび上がってくるという壮大なストーリー。

警察小説の名作、大沢在昌「新宿鮫」や逢坂剛「百舌の叫ぶ夜」の興奮度合いには及ばぬものの、その犯人像の異色さは永く記憶に残るのではと思っています。

「及ばぬものの」というのは、以前紹介した西村健の日本冒険小説協会賞受賞作がシリアスな展開で始まり「この作者、いいじゃん!」と思いきや荒唐無稽な終盤になだれ込み・・・。で、以後彼の作品に興味を失ったわけですが、「ジウ」ラストにもその気少々あり。ま、好みの問題ですが・・・。作者は共に60年代生まれというせいもあるのでしょうか、その劇画タッチさが気になりました。でも西村作品に反し誉田さんの他作品は読みたしの読後感。評価4/5。

加藤廣「信長の棺」(文春文庫)は、久々に「大人の本を読んだ」、でした。

「消えた信長の遺骸、秀吉の中国大返し、桶狭間山の秘策etc.すべての謎が解ける」が帯のコピー。
この「すべての謎が・・・」で、もうゾクゾクするではありませんか。
安土城終焉後、信長唯一の伝記「信長公記」を記す大田牛一が、それらの謎を解き明かすことに残る人生を捧げるという展開。

う〜む、この作者の力量って!・・・と解説読むと作者75歳の処女作!
さすが、です。
本能寺の焼け跡から信長、森蘭丸、その他数名の遺骸が発見されなかったことは史実らしいですが(「生存説」「爆破粉砕説」等あるようです)、結論として「うん?この解明話はどこかで読んだ覚えが・・・」。で、評価4/5。でも、著者の「本能寺三部作」残る二作品、ぜひ読みたし、です。

さて「今夜の本!」とは直接関係なしですが、WOWOWで久しぶりに堪能した映画二作品の原作を「読んでみたい!」なんて思ったのも久しぶり。

一本は、「母親と暮らすナイーブな青年が、謎めいた女性と出会い恋に陥るが、彼女は「愛の証明」として正気とは思えない条件を彼に突きつけ・・・。ヌーベルバーグの現役監督G・シャブロが抑制の効いた演出で、狂気の世界へと誘う戦慄のラブサスペンスという「石の微笑」

みながら、ヒッチコックの名作サスペンス「見知らぬ乗客」(原作はパトリシア・ハイスミス。アラン・ドロン主演の名作「太陽がいっぱい」の作者ですぞ)を思い出していました。列車で偶然同席となった見知らぬ男からお互いの妻の交換殺人を持ちかけられ、ってのを。

「石の微笑」原作が20年近くも前に愛読した女流作家ルース・レンデル作と知り、映画では分かりにくかったあの点知りたいなぁと・・・(魔性の女役のローラ・スメットの魅力にとりつかれたのかも)。でもレンデル作品なんて最近書店で見ませんから難しいかなぁ。

もう一本は、東野圭吾原作の「容疑者Xの献身」
昔たまたまみたテレビドラマが「おもろいなぁ!」と、その原作が東野さんで、彼の著作読破をと思いつつ機会逃しつづけ、「映画みたら読まねばならぬ本、少なくなっていいじゃん」と今回の「容疑者・・・」を。

あにはからんや、原作に書き込まれているであろう細部の描写を知りたくなっての欲求が芽生えてしまいました。
目下の期待はあの「ラスト」の衝撃再び?ですわ。以上。

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