159「震える朝」

09年10月31日(土)

午前5時半過ぎに最後のお客サン帰られ、日曜日から冬将軍到来というので(夏将軍とはなぜいわンのだろ?)冬支度のため久しぶりに帰宅することに。

初夏の頃、夏支度に「高野山たどり着き隊物語」行(※)のドライブ途中寄ったとき以来か。いや、愛犬チョークが死に掛けてた夏の終わりにも帰ったんだったっけ・・・。
※この物語については先日、高野山出身の墨丸会員62号高野山の怪物クンが「知らんかったなぁ、書かれてること!親父に聞いたら、木の枝折って夜中の山道歩いたって言うとったわぁ。もう書くことないん?」というので、また続編考えて、後日。

で、メールで「風呂入れといて」と我が妻?リ・フジンに連絡。
リ・フジンはメールなどこまめに見るタイプではないので帰宅してすぐ顔あわせた母に「風呂わかしてやん」「わいてるよ」で、風呂場へ。

風呂場の扉開けたとたん、「むっ、むむ!」
目に沁みるほどのミントの香り、いや強烈なむせかえるようなこれは臭気!
「な、なんやねん!」と、軽いパニックに陥りながら風呂場みわたせど、いつも通りの狭い空間。
「・・・季節外れの入浴剤か?あのクールバスクリンちゅうやつか?」とみわたせど、それらしき容器もなし。恐る恐る湯船みると、湯の表面が光ってるではないか、ギラギラと。
「入れすぎちゃうか〜。いや、バスクリンちゃうかったらどうしょ・・・」と、はたまた恐る恐る(まさか変なもんでもないやろと)湯船につかる。

いつも通り、湯ぶねで文庫本を開く。
しばらくすると、ジンジン身体が冷えてくる。皮膚表面から冷えてくるのが実感として、わかる。皮膚と湯の間に冷水膜があるような・・・。
次第に本読むどころではなくなってきて、「うん?設定温度は?」と見ると、43度もある。
本なげだして、首までつかる。
温めようと身体をさする。
体中がぬるぬるする。
もしかするとこれは湯ではなく、入浴剤に浸かってるのではあるまいか・・・?

「・・・さ、さぶう〜!」
と、たまらず湯船からでて、シャワー全開。
シャワー全開しつつ、身体を洗う。
・・・洗い終わったあと、ふたたび湯船に身を沈める勇気はもうなかった。

「年とった母が間違ってこの入浴剤入れすぎたのか?それとも、我が妻タヌコ、いやリ・フジンがわざと入れたのか・・・。いや、そこまでの知恵者ではないはず。ならばタヌコの名の通り、行き当たりバッタリ、あてずっぽう、いいかげん&ご主人様をご主人様とも思わぬ南方生まれ、巳年、さそり座の不遜な性格の、これはあらわれなのか?」

43度もの湯船につかって震えたのは初めての経験であった。
いや、温かな家庭といわずともせめて暖かな風呂にさえも入れぬわが身かえりみての、悲しみのあまりの震えもふくまれていたのかもしれぬ・・・。

真偽については、いまだリ・フジンとの冷たい戦争中ゆえ確かめるすべもなく(通常なら「ごめ〜ん!」といわれ、その言葉発しつつ同時に罪悪感忘れていくリ・フジンゆえの性格ゆえ、どっちでももういいンだが)、「夏場なら、これは最適や〜ん!」と自分をなぐさめたにとどまった次第・・・こんな調子で来年の夏まで生きながらえるやろか?以上。

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