14「拉致?」

1.30.mon./2005

今回のお題。
「第三文明」2月号、池田大作著「大道を歩む」と「二十一世紀への選択」。「小説ドラゴン桜」。マンガ本「クレヨンしんちゃん」と「今日から俺は!」・・・??

★いちげんさん

午後10時。
20代後半とおぼしき男性一名、来店。
イチゲンさんである。
カウンター端、入り口近くに着席す。

「いらっしゃいませ」
「ジンを」
「銘柄は?」(我輩、メニューを開き示す)
「う〜ん、ジンってこんなにあんの?普通ので」
「では、ゴードン、ビーフィーターあるいはタンカレーでは?」
「じゃあ、ゴードンを」。そして立て続けに二杯。
続いて、「ジャックダニエルを」。立て続けに二杯。
「マスター、ここ何時まで?」
「平日は3時頃までで、日曜、月曜は早めに閉めたりしますが、ゆっくりしていってください。お待ち合わせですか?」

近辺に友人が住んでおり、城東区から来たのだという。
で、いわく「ちょっと騒がしいかもしれんけど友達呼んでもいい?」
「どうぞ、どうぞ」
「じゃ、ロンリコ151を」。立て続けに三杯。

その間、その友人にか数回、携帯電話連絡の様子。
お代わりを持って行くたびに我輩と雑談をもかさね、「ホワイト&マッカイ」三杯かさねるころ、梅田で飲んでいるという友人たちから何度か連絡入る模様。「長居の交差点を」「我孫子と違う」「そこを南へ」などなどの返答の断片耳に入る。

そしての午前2時ごろ携帯電話耳にした彼、「マスター、99ショップってどこ?」「この店出て、左の方ですが」

で彼、携帯で話しつつ表に出る。
カウンター上には、阪急デパートの紙袋。財布。キシリトールガムとタバコ・・・。
そ〜して彼は消え去ったのである。

★?

居合わせた墨丸会員658号フミリンいわく、「拉致されたんとちゃう?」
で、カウンターの残留物点検すると、紙袋の中身は冒頭の書籍。
財布はなぜか「新品」のラルフローレン。
だが中身はまったくの空。

当店オープン以来14年間にして飲み逃げ的出来事これで4件目なれど、この手の込み入った手口は(うむ、一度あったっけ)、腹立つよりも感服するなぁ!プラス「こんな人たち、飲んでて酒が旨いんだろうか?」

前出のフミリンいわく、「飲み逃げというより、これ、趣味なんちゃう?」
ま、これが趣味ならろくな人生送らんやろ、と奴めが残したキシリトールガム噛みながら・・・。 

「拉致?」完

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