31「バラ色の人生」

★ある韓国ドラマ

07年1月半ばまでのこの期間、もっと他に記すことないのか我が生活、と自嘲しつつ、久方ぶりの韓国ドラマのこと。

我が妻タヌコが「家中のティッシュ使い切って泣きつづけた」となかば強制的にみせられたのが、連続ドラマ「バラ色の人生」

かつて同様にみせられたのが「秋の童話」
「冬のソナタ」の前に製作され、「韓国の妹」と愛されるムン・グニョンが少女役の前章のみは評価5/5で、これには泣けた。それ以来の韓国ドラマだ。
ちなみに我輩、「冬のソナタ」も「チャングムの誓い」もテレビでは吹き替えということもあってみていない。もちろんタヌコは韓国語版ですべてみている。我輩、韓流ファンではないが、みるなら韓国語版派だ。

さて物語は、幼少のころ母親が出奔。11歳の時から弟と妹を育て酒飲みの父親の面倒をみつづけた苦労人メン・スンイ(チェ・ジンシル)が、乞われて年下のソンムン(ソン・ヒョンジュ)と結婚。
姑、小姑にいびられながらも娘二人に恵まれての10年後、ソンムンに愛人がいることを知る。そして自分が死病にとりつかれていることもまた・・・。

ま、ありきたりな設定かつ当初はコメディかと思ったほどのちょっとひいてしまう展開なんだけれどタヌコいわく、「5話過ぎたくらいからすっごいねん!」。ちなみに1話は1時間15分位ある。それが25話・・・?

ソンムンさんが愛人と別れて自分のもとに帰ってきてくれたと信じ、かつてプロポーズされた「カフェ・バラ色の人生」に(テーマ音楽はもちろん「バラ色の人生」。場面とそぐわない使われ方が気になる)喜び勇んで出かけ、再びつきつけられる別れ話のシーン・・・。たった一人で自分の葬式用の写真を撮り、一人っきりで手術に臨むシーン。死後自分の角膜を自分と同じ貧乏で子供のいる女性に移植してもらって、一度でもいいからその瞳で遠くから自分の娘たちを見て欲しいと訴えるシーンなどなど、さすが男としてティッシュ使うほどではなかったけれど、不倫にまつわるこれでもかこれでもかと繰り出される悲喜劇(物語に明るさと救いを与えてくれるコミカルな脇役陣もいい)にはグッタリ。

そ〜して最後の最後に用意されている携帯電話のシーンでノックアウト。タヌコいわくの、「韓国ドラマにはすべてがつまってる!」には、まぁ正直うなづけた。

ポイント:スンイという素朴な働き者で、家族を一途に愛する女性の人生ドラマを見知らぬ韓国俳優が(我輩にとってだが)演じるゆえに、ドラマという作り物を越えた、まさに人生を垣間見るような見方ができた。
また、不倫中の方は必見。
本作みて不倫に罪悪感じぬ人間は人ではない。不倫に真実の愛はないのだ、と言い切れるような作品。お〜こわっ!(・・・でもしたい)

点数評価:韓国ドラマは長すぎるのが難点。が、終盤が近づくと終わって欲しくないという相反した気持ちも本作ではめばえ、おまけの5/5。

これを記してる真夜中にタヌコから電話。
「バラ色」もよかったけど、今日見はじめた「ラストダンスは私に」も泣けるねん!28話もあるねん!ど〜しょ、朝から仕事やのに!」・・・と。

かつてタヌコ、本屋で韓流本立ち読みしていたとき通りすがりの高校生カップルの女の子にひと言「アホや」と。
こうした非難中傷にもめげず、彼女の死病ではない“病気”はつづくのであった・・・。

★「今夜の映画!」

「SPL/狼よ静かに死ね」ウイルソン・イップ監督。

意外だった、この香港映画。
韓国や香港などのスターをあまり知らぬ我輩にとって前述の「バラ色の人生」同様、見慣れた俳優ゆえのある種作り物の感する日欧米映画を超えた新鮮味もあり。
本作は、香港警察のある刑事グループと香港マフィアのボスとの確執、死闘のフィルムワール。刑事にあるまじき手段をもってボスの逮捕を目論むのだが、その計画が破綻してからのマフィアの報復劇がスゴイ。放たれた殺し屋の非情さ、繰り返される格闘技の迫真さ、そして迎える刑事たちの死。
古い映画の題を組み合わせたような邦題が損してるが(原題「無罪釈放」)、佳作の4/5。

「火火(ひび)」高橋伴明監督。

田中裕子演ずる女性陶芸家と白血病に罹った息子の物語。
田舎のオバチャン的な田中裕子の演技で単なるお涙頂戴とならず、白血病患者の現状を素直に受け止めることも出来る作品。
が、映画の面白みとしては田中裕子の存在感止まりか。そういう意味では最後まで見切っていない「いつか読書する日」の彼女も独特の個性が光っていて、ファンではないけれどもう一度キチンとみてみたいとも思わされた。2/5。

立て続けに、トム・ベレンジャーの主演の2作。

我輩、ポール・ニューマンのファンだが、青春時代にみた彼の傑作西部劇「明日に向かって撃て!」(ジョージ・ロイ・ヒル監督。69年)の主人公二人がラストで死んだにもかかわらず、続編が製作されて当時ビックリ。
それが「新・明日に向かって撃て!」(リチャード・レスター監督。79年)
主人公ブッチ・キャシディーとサンダンス・キッドの“青年期”を描いた作品で、「続編」流行りの当時、この設定は初めてだった。
そのブッチ役がニューマンそっくりさんの若きベレンジャー。
ちなみにサンダンス役(ロバート・レッドフォード)は、ウイリアム・カット。そんなこんなでベレンジャーファンにもなったんだけど・・・。

1作めが、狙撃手がテーマの秀作「山猫は眠らない」(「アナコンダ」のルイス・ロッサ監督。92年)の、04年製作のシリーズ3作目。
一作目の92年当時、墨丸ではこの映画ポスターに「墨丸も眠らない」とマジックで書き込み壁に貼り付け、朝まで営業!と努力したものだった・・・。
2作目が駄作だったのでなぜ3作目が?と、期待半分で臨んだが、みなさん、一作目のみみてください・・・(2、3作の監督は別人)。評価1/5。

2作目が、87年のサスペンス映画「誰かに見られてる」
妻と息子との幸せな家庭生活をおくる刑事が、殺人現場を目撃した富豪の令嬢の護衛に。そしてその令嬢との間にいつしか愛が芽生え・・・というありきたりな展開だけれど、ベレンジャーも若く、監督リドリー・スコット好みのような令嬢役のミミ・ロジャースも、奥さん役もとても美人で、冒頭シーンで「コレって昔みた」と思い出しても再見。
いまみると少々古臭い作品だけれど、さすがリドリー・スコット、小粒ながら引き締まった作品でした。3/5。

駄作とも佳作ともいえない奇妙な味の作品が、スペインのホラー「エル・タロット」マテオ・ヒル監督。06年。
魔女が住むといわれる丘の上の一軒家。村の若者三人が恐る恐る真偽を確かめようと出かけて・・・。
明るい陽光降り注ぐスペインの片田舎で展開される冒頭のシーンは、名作「おもいでの夏」(ロバート・マリガン監督。70年。ミシェル・ルグランの音楽もイイ)の、清楚な年上の女性に恋する少年の青春ドラマのようで、ほんとに青春映画かと思ってしまったほど。が、いわゆる日本の「牡丹灯篭」的怪奇映画だった。
でもいつも思うんだけど、こういう美女にとり殺されるって、ある意味愚妻と一生添い遂げるよりイイんじゃないかって(・・・愚妻のいるような男には亡霊もとりつかんか?)3/5。

スペイン産ホラーでは「悪魔の管理人」(ジャウマ・パラゲオ監督。06年)というのもあった。
若い夫婦が格安マンションの下見にでかける。女性管理人が部屋を案内してくれるのだが、あまりの古さに断ろうとしたそのとき、ベッドサイドにその若夫婦の写真がなぜか飾られているのに気づく。がときすでに遅し。気の狂ったその管理人、かつてのマンションの賑わいを取り戻そうと下見に来た夫婦を次々と監禁し住人に仕立て上げていたのだった。
狂ったファンが作家を監禁して小説を書かせるスティーブン・キング原作の映画「ミザリー」のマンション版のようなB級作品だけど、こんなの好きだなぁ。3/5。

ホラーといえば幻の傑作というキャッチフレーズに惹かれての「恐怖の足跡」(ハーク・ハーヴェイ監督。61年)もみた。
橋から川に転落した車からひとり助かったメアリー。
その事故の記憶から逃れようと、湖のほとりに巨大なカーニバルハウスの廃墟のある町に引っ越す。
そこで起こる、まるで自分が見えないかのように人々が振舞う現象や、かえって自分だけが見える亡霊に悩まされ・・・。

ま、これは傑作「アザーズ」(アレハンドロ・アメナーバル監督。01年。ニコール・キッドマン主演)の原型版ともいえる作品。「アザーズ」をご覧の方はもうお分かりのオチ。
女が川の中から這い上がってくる場面や廃墟の描き方などはウ〜ムだったが、亡霊の描き方など正視に耐えないほど古臭い。60〜70年代は最も映画をみた時期だがこの“極上怪奇幻想映画”、作品名も聞いたことなく、パッケージの解説読むと「知る人ぞ知る“カルト”作品」らしい。「アザーズ」の原型と考えるとそうかも。2/5。

「硫黄島からの手紙」クリント・イーストウッド監督。06年。
昨年の「父親たちの星条旗」に続いてみる。
昨年のNHKドキュメンタリー番組での硫黄島兵士の証言を聞いた後では、その悲惨さを描ききれていない感ありはやはり米国作品ゆえだろうか。しかし、米国人が製作したのが不思議なほど違和感なく日本人を描いている。
また終始この撮影はどこで?と思っていたんだけれど、パンフによるとアイスランド僻地の海岸に膨大な砂を持ち込んで硫黄島の砂浜を再現したという。
3/5。

「NANA」大谷健太郎監督。05年。
これはもう皆さんご存知でしょう。中島美嘉と宮崎あおい主演の青春音楽ドラマ。
我輩の年になるとどうもこの世代の作品は学芸会っぽくっていけない。でも続きが気になるゆえ「NANA2」もみるンだろうなぁ。テレビ放映くらいで。2/5。

「バラ色の人生」完

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