33「バッド・モーニング」

1.31.wed./2007

★グッド・モーニング?

千代田店での昼はランチタイムがメインで、11時30分から夕方7時まで営業。が、2月1日からモーニングサービス始めることに。

でも、我が妻タヌコからむとこんなことも紆余曲折。
昼担当のタヌコいわく、「午後3時以降はお客サン少なくなるし、3時にクローズしてその代わりにモーニングしょうか?」
・・・ウム、かつても同じような提案があった。

そのかつて、住吉店時代のこと。
昼の現場よく知らぬ夜の部担当の我輩、その提案に素直に「なるほどハイハイ、3時までネ」とメニュー、看板せっせと作り直しての、新たなるスタート数日後タヌコいわく、「3時に閉めても後片付けやら洗い物やらすると夕方に。その間にあの人とあの人が来てくれて、もったいないからやっぱし夕方まで」「・・・ハイハイ」
で、再度すべて作り直した覚えが・・・。

★不可能な「会話」

さて今回、うかつにも住吉店でのその出来事失念の我輩、「ハイハイ」と。
「で、ランチの内容も考え直そうかと」
「ハイハイ。で?」
「普通のメニューに」
「ん?(ナニ?ふつうって?)」

・・・こんな時、上記( )の質問するとタヌコ、極端にボキャブラリー少なく言語表現しきれぬおのれの話に即応せぬ我輩への(いや、これは即応出来ぬのだが)イラダチが、いやおのれの劣等意識のイラダチもあって、粗暴なる言動振る舞いに及ぶわけだ。ま、頭の悪いチンピラヤクザが相手と思ってくれたらわかりやすい。
我輩は繊細なる心をキズつけられズタズタにされるのを恐れ、「ハイハイ」と返事。が、今後発生するであろう我が作業気になって、「で、え〜っと、なんです?ふつうって?」
(以降の会話、世間体を配慮し省略。ん?「会話」というものでは、やはりなかったが・・・)

★「ハイハイ」でも「ズタズタ」

で、昼の部休みの日、いわれたこと反芻しつつ店でせっせとメニューなど作り直してのチラシも大量コピー。
これをガンバって配るンだ!新生墨丸だ!とガンバル気持ち頂点に達したその時、タヌコより電話。

「やっぱり夕方まで開けて、それから・・・」
「ン?もう、チラシ作ったけど・・・」
「!!韓流ドラマみんのいま中断して考えてん!マスター、すること早すぎんねん!」
・・・なんで怒られなあかんねん?
タヌコが「たったいま」中断して「考えた」のに対し、我輩のこのたっぷり時間要したこの作業、どうなんねん?ズタ、ズタ・・・。

★バッド・モーニング

サラリーマン時代の我輩、「すぐやる課!」といわれたほど迅速果敢な対応にお客サン方より感謝感激アメあられの日々であった。
が、ま、今日の我が零細家内作業的店でのタヌコには理屈常識道理すべて通じず。いや世のすべての♀にあてはまるかと最近理解してからは(この歳になって?いや、あまたの♀への幻想から脱却するにはこれぐらいの年数要するのだ)、いまやひたすら無手勝流的(耐えがたきを耐え忍びがたきを忍びの)「ハイハイ・・・」の日々。

こ〜して紆余曲折のあげく、すでに日付が31日となった現時点も、タヌコにあ〜でもないこ〜でもないと未決事項多々のまま(こちとらの作業手順おかまいなしで)、1日からモーニングサービス開始とだけは決まった。
ウ〜ム、ウ〜ム!こ〜して我輩は日ごと夜ごとに「痩せゆく男」となるのであった・・・。

タヌコ「マスター、最近痩せすぎちゃう?病院行ったほうがええよ」
我輩「ハイハイ・・・」

※文中の「痩せゆく男」は、ジプシーの呪いをかけられた主人公がどんどん痩せていくウソみたいな、でも読み始めるとそれが真に迫ってきて・・・の、スティーブン・キングの秀作ホラー。・・・我輩も呪われてる、いま気づいた。

「バッド・モーニング」完

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