93「あっかんべ〜出版」のこと

08年3月25日(火)

★24日〜25日とオープン以来のヒマ日。

いままでなんの宣伝もしてこなかったけれど、いよいよチラシまきはじめるか、と思ってたところ毎夜深夜来店の大分出身ケ〜タくん「うちもチラシ作ってるとこですわ。一緒にまいたげますよ」(彼は沖縄料理店でバイト中の専門学校生)。
こういう夜にこういうやさしい言葉をかけていただくとホロリでありました・・・。

3月27日(木)

★ディーン・クーンツ「ハズバンド」読了(ハヤカワ文庫)。

平凡な庭師の男の愛妻が誘拐される。
身代金200万ドル。
男の当座預金残額は1万ドル少々。負債もかかえている男の妻をな〜ぜ?というのが本書のポイント。

傑作「ファントム」(ハヤカワ文庫。オススメ本!)の作者クーンツ久々の新作です。
我輩の好きなシドニー・シェルダンにつづきクーンツ作品も最近あの「超訳」(=スカスカ訳=文化の破壊訳)と称するアカデミー出版から出版されるようになってしまい、「あ〜、もうシェルダンと共に彼の新作読めんのかぁ」とあきらめてた昨今での早川書房からの出版です。

う〜ん、こういう誘拐モノは結局「愛」が勝つんが分かってるもんなぁ・・・。それが弱点ながらさすがクーンツ、一気読みでした。
メル・ギブスン主演映画「身代金」を意識してかのような、有能な刑事が誘拐犯の仲間ではないかと思わせたり、前述の「なぜ?」の理由が明らかになる場面など「さすが」です。
ただその「なぜ?」が、読後「これって、まわりくどいだけやん?」で、評価4/5どまり。宣伝文句の「最高傑作のひとつ」を「最高傑作」と言い切らぬところがさすが早川書房、正直でした。

★前述シェルダンいわく、「早川書房では私の本は売れません」

「超訳」がブームになった20年近く前、週刊文春が「200万読者はナメられている。超訳に重大疑惑」という特集記事を組んだことがありました。

かつてシェルダンの版権を持っていたのは早川書房。それが5作品あわせて80万部しか売れず(傑作ばかりなのに!)、アカデミー出版に版権が移って4作品合計で1千万部近くも売れたとか(翻訳本は30万部がベストセラーの壁らしいです)。

各界の「超訳」についての弁をその文春からいくつか紹介すると、以下・・・

・「プロローグの部分など原書の10分の1ほどの量しかなく、似ても似つかぬもの」。
早川から出版された大傑作「真夜中の向こう側」(当店の閉店時刻表示はこの「真夜中の向こう側」から)を訳した大庭忠男氏がアカデミー版の「真夜中は別の顔」を読んでの弁。原題は「THE OTHER SIDE OF MIDNIGHTT」。題名からして大庭氏のほうがセンスありですよね。

・「原書で読んだ時の楽しみを裏切られた」。
「明日があるなら」を読んだ毎日新聞論説委員の柴田寛二氏。

・「率直に言ってこれは翻訳とはいえませんね。『シェルダン原作。アカデミー脚色』というべきもので、勝手に文章を作っているのだから、誤訳のチェックもしようがないくらい。それよりもなによりも、こんな乱暴な脚色が許されるのか。そりゃ日本語自体はわかりやすいですよ。だけど文章自体は非常に俗っぽいですし、うすっぺらですしね。これを読んだ読者に『これがシェルダンか』と思われては作家もいい迷惑でしょ」。
「こんな翻訳読みたくない」などの著書がある別宮貞徳上智大学文学部教授。

・「名作を小中学生にもわかりやすいように単純化して売る子供文化と同じ」。
ある翻訳家。

・「天馬龍行氏以下3人の訳者の名前を翻訳業界で知る人がいない」。
編集部調査。

・「天馬なんていませんよ。何人かがまとまったペンネームじゃないですか。下訳はひどいもので、普通のノートに手書きで、なぐり書きにしてある。気が狂うかと思いました。たとえば、『彼はひどいドイツ語なまりで言った』というのが、『彼は低音のドイツ語で言った』」なんてなっているのです。10行読めば10行わからない。そんなものです。複雑な部分は省略しましたし、逆に原文に言葉がなくとも、香りがあればどんどんおぎなった。読者にとって、作者や訳者なんて誰でもいい。ストーリーが面白ければいいんです。夜の10時まで残業で働いたサラリーマンが、電車の中で眉間にしわよせてまで本を読みますか?」
「超訳」作業に参加したフリーライターの中山和郎氏。

・「なんだぁ、お前はァ!改竄?そんなのは頭の固い連中のいうことだ。そりゃ、わかりやすいように言葉を補ったことはあるよ。読者カードだって数え切れないほどきて、超訳は支持を受けてるんだ。おまえは翻訳をやったことがあるのかよ」。
アカデミーの代表、益子邦夫氏。

・「信じられない。こんなことはありえない。わたしは改変を認めません」。
シドニー・シェルダン氏。

では、業界でこんなに不人気なのに、なぜアカデミーの本は売れ続けているのか?
「それはケタはずれの宣伝だ」(以下、週刊文春から)

「明日があるなら」「真夜中は別の顔」2点を刊行した年、アカデミーは全国で606ページ分もの新聞広告をだしている。対する翻訳小説業界の大御所、早川書房は79ページ分。この年の早川出版点数241点から考えて、アカデミーは1冊の本に早川の900冊分の広告費をかけていることになるのだ。なぜそれほどの費用がかけられるのか。アカデミーのシェルダン本のあとがきには必ずあの「イングリシュ・アドベンチャー」の広告が載っている。シェルダン利用したバイブル商法、つまり本自体を教材の広告媒体と考えれば、いくら宣伝費を使っても惜しくはないというわけらしい。

・・・これでもあなた、アカデミーの本、読む?
「あっかんべ〜出版」と呼んでよ・・・。

3月28日(金)

★今日は328の語呂合わせで三ツ矢サイダーの日です。
これ、ホント。4年前にアサヒ飲料が決めたとか。

三ツ矢サイダーは今年で生誕125年目!の長寿炭酸飲料。
明治17年に兵庫県多田村(現川西市)で湧き出た炭酸水を瓶に詰め、「三ツ矢平野水(すい)」として発売された、と今朝の新聞にありました。

かくいう我輩、三ツ矢サイダーの大ファンなのであります。
サイダーは三ツ矢です。ソフトドリンクの中でも三ツ矢が一番。でも最近のレトロブームでご当地サイダーが数々復活してるとか。飲んでみたいなぁ。
コーラより甘くもなく、かつまたコーラよりも安く(スーパーによっては500瀬椒肇襭坑葦漾法△修里曚瀕匹す越しは酔っ払った翌日なんぞ枕もとのそれは、まさに観音様。

フアンはわたくしだけではないようで(これには少々ビックリしましたが)昨年は前年比19%増の3200万ケースと過去最高の売り上げを記録したとか。
ちなみに宮沢賢治は給料が出ると蕎麦屋で天ぷらそばとサイダーを注文していたといいます。蕎麦屋さん、このこと宣伝してサイダーも置いたら?・・・わたくしはまぁ蕎麦とは一緒には頼まんけど。

3月29日(土)

★これまでのヒマさと打って変わり忙しい夜。

宵の口2時間2980円「飲み放題アーリーナイトプラン」を利用して常連ネチャーエフ氏主宰15名の集いがありました。
が、料理持込みでドリンクお出しするだけなんでこれは楽勝。

そのあと一般客来店の10時半頃からが辛かった・・・。
その直前、臨時バイトの墨丸会員20号せいざぶろうクン、ふらり表にでてゆき、携帯で電話でも?と思ってたら帰ってこず!
次々の注文に手近のボトル置き場満杯で「タンカレー10」袖にひっかけ割っちまうわ、その処理中破片で指切るわ(突き刺さった硝子片抜き取ったまではよかったけれど、微細な破片残ってるらしくグラス洗うたびにちりちり、イライラ・・・)で、たまりにたまったグラスは割るはの混乱のさなか帰ってきたせいざぶろうクン、「ヒマになったと思って隣で飲んどった」・・・で、ようやく閉店午前5時。

4月1日(火)

★前回記した「体内時計」調整のため、今月より第1、2、3月曜日を定休日にしましてん。
ま、あいもかわらず開けてしまう夜もありですけど。
で、新年度ゆえ、「減酒」「減煙」のもと「真夜中の向こう側」の閉店時刻4時までガンバル!と、ま、あいもかわらずの過去16年間同様の決意・・・。

今月は「墨丸hona第1回旅行」を開催いたします。
詳細は「今月のニュース」をごらんください。

★「今夜の名言!」

産経新聞4/2付「人、瞬間」より。

女優浅野温子サン初舞台時の経験談に、かつて芝居をしていた我輩思わずうなってしまったセリフがありました。生の初舞台での失敗談が紹介されてるんですけど、そのなかで「別の日。やはりセリフに詰まった。今度はベテラン俳優の西岡徳馬にこう言い放った。『私は何が言いたいの?』。すかさず西岡は『君はこう言いたいんじゃないかい?』。関係者は手に汗をにぎっていただろう」

わ〜、わかるなぁ。この心情!それを乗り越えたこの決めセリフ!
わしなんかセリフ数ページ分飛ばしてしまっても、相手役はそれに気づかず応対し続け短縮芝居となってしまったことあんのに・・・。以上。

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