98「ちょっと衝撃的なお話」

08年5月1日(木)

★かつて、「鷲は舞い降りた」という傑作戦争小説があった。

「正しいことを最後まで行い、所信をつらぬく人々はほとんど死んでゆく。・・・ドイツのどこから彼らが出てくるのだろう。あのすばらしい若者達が?あらゆる危険を犯し、すべてを犠牲にするが、いったいなんのためだ」
クルト・シュタイナ中佐をはじめとするこうした騎士道精神あふれるドイツ落下傘部隊精鋭14名が、チャーチル首相暗殺の密命を受け英国に潜入する物語を描いた英国作家ジャック・ヒギンズの最高傑作です。

「1943年11月6日午前1時。男の心を武器に・・・鷲よ、漆黒の夜空に羽ばたけ!」(これはジョン・スタージェス監督映画版の宣伝コピー)。

「彼らは祖国のために戦い続けた。たとえその身が朽ち果てようとも。ラスト1ページの心震える感動」の文庫本帯コピーに惹かれ本日読み終えた「Uボート113最後の潜航」(ジョン・マノック作。ヴィレッジブックス)にもナチを忌み嫌うドイツ海軍軍人達が悲劇的な死をむかえるまでのドラマが描かれています。

「Uボート・・」は、ある潜水夫がミシシッピ川沖合に沈んでいるドイツ海軍のUボートを発見する。いったいなぜこんな場所に?不審に思う彼の前にやがて一人の老人が現われ、驚くべき話を物語りはじめる・・・といった我輩好みの展開なンだけど如何せん、つい名作「鷲は舞い降りた」と比較してしまっての(作者も「鷲は・・」を意識してか艦長の名がクルト・シュトゥルマー)、盛り上がりに少々欠けるかの印象。でも終章、涙腺はゆるんでしまってました・・・。評価3/5。

沈没した連合国等の潜水艦を引き上げた際、艦内乗組員の死に様は目を覆うばかりというけれど、日本の乗組員は整然とベッドに横たわり厳粛に死をむかえたかのような様に感嘆させられるという話を聞いたことがありますが、日本にもこうした誇るべき無名兵士たちがいたことをもっと世に知らしめて欲しいではありませんか。

5月3日(土)

★産経新聞の大阪産業大学教授中川晶さんの「生き方セラピー」が面白い。
主婦からの相談「出産後、不潔なものに嫌悪感」への回答に「なるほど」と。

この不潔恐怖症で苦しんでいる主婦に対し教授は「あなたは犬の糞が汚いとおっしゃる。そこで、こんな思考実験をしてみましょう。で、以下・・・

まず犬の糞に爪楊枝の先を1造曚鋲佑湛みます。
そして大鍋に水をいっぱい張って、この大鍋に先ほどの爪楊枝の先を入れてよくかき回します。これで、この水は犬の糞で汚染されたことになるでしょ。次に別の大鍋にたっぷり水を汲んでおいて、そこに最初の大鍋からスポイドで1滴の水を入れてかき回します。

この操作を何回やればあなたはこの水を飲めますか。
え、僕ならどうかですって。そうだなぁ。5回くらいでは、ちょっと汚そう・・・。でも10回なら飲めると思う。あなたの場合は50回くらいで、どう、駄目?では100回では?ん、駄目?よしこうなったら大奮発。1万回ではどう?駄目・・・、う〜む。どうせ、何度やっても駄目なんでしょ。でもね、1万回もやったら絶対犬の糞を構成する原子は1個も入ってないはずなんだけど。でも嫌なんでしょ。

じゃ、尋ねますけど、犬の糞でも鳥の糞でも成分の一部は蒸発して空気中に漂ってるはずですよね。それを吸い込んでも大丈夫なのかなぁ?いや、あなたを怖がらせるつもりは毛頭ありません。あのね、僕が言いたいのは、完全な清潔状態なんて絶対達成できないのだから、清潔なんてものはホドホドでいいということ。

こう転記してみるとあまり説得力のない回答やなぁ(ボクもよう飲まんわ)。この主婦、よけいノイローゼに陥ったンちゃう、と少々心配になってきた。
1日に何回も手と顔を洗う反面、ファブリーズのコマーシャル大嫌いな我輩であった。

5月4日(日)

★仕事終えての早朝のこと。

お隣の居酒屋「そら豆」にどっかと腰を下ろしたのはもうすぐ5時という時刻。
そこに入ってきたお客が「真っ裸の男が歩いとるで」
そんなん見たことない我輩「どこ!?」

100辰曚廟茲稜暗い路上にそれらしき人影。
自転車にまたがり、見にゆく・・・(アホか)。
通りすがりの男性二人づれに恥ずかしげもなく裸体を見せ付けているその脇通りすぎながら「にいちゃん、ど〜してん?」と声かけつつ、なんか見覚えのあるような(あの部分じゃなく)・・・と、その若者「アッ!墨丸のマスターに見られてしもた!」で彼、そそくさとマンションに駆け込んで・・・。
あ〜、彼はうちのお客サンだった。これでお客一人失くしてしまったか・・・。
これ読んでたら、気にせんと店に来てね。個性(?)豊かなヒト、ボク好きやから。

銭湯と違い、ビルの谷間の裸体は、違和感大。
その衝撃と違和感からか、ナパーム弾でヤケドを負い泣きながら路上を走る有名なベトナム少女の写真を思い出してしまっていた。次元はまったくちゃうけど・・・。
若者よ、大阪産業大学教授中川晶さんの「生き方セラピー」に投稿してみるのもイイかもよ。

5月8日(木)

★スティーブン・キング著「トム・ゴードンに恋した少女」(新潮文庫)読了。

「世界には歯があって、油断していると噛みつかれる。トリシア・マクファーランドは、9歳でそのことを学んだ」で始まるこの小説、キングファンなのに6年も前に単行本出版されてたの知らンかったなぁ。

物語は、母親と兄の三人で国立公園にハイキングにでかけた9歳の少女が、ひとり広大な森の奥深くへと迷い込んでしまって始まるサバイバル小説。
キングは無慈悲にもこの少女の死で物語を終わらせてしまうのか・・・。

単なる(じゃないけど)「迷子」をテーマにここまでの長編に仕立て上げる筆力はさすが。
でも初期作品の、炎天下の車のなかに母子ふたり、その車外には狂犬病に罹った大型犬。動かぬ車から出るに出られぬそのシチュエーションだけで長編「クージョ」を描ききった頃のキングならもっともっと読ませる作品に仕上げられたンでは?というゼイタクな不満もありで、評価4/5どまり。この本も涙腺ゆるみましたが・・・。

5月9日(金)

あの裸の若者、店に来やはりました。よかった、よかった。
(バツゲームやったらしいですが・・・)以上。

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