126「偶然の夜」

2.16SAT/2009

★ある電話

「いまから5人で行くんですが、席空いてますでしょうか?」と電話がはいる。
「大丈夫ですよ〜」
「サカモトと申しますが、予約お願いします」
「予約しなくても大丈夫ですよ〜」(ヒマやもん)

で、しばらくして、深夜いつも一人で来られる20代女性来店。
「今夜はお早いですね」
と、声かけた瞬間、酒気帯びらしき中年のおっさん入店(というより乱入)。
「待ったかぁ〜」&意味不明な言葉発しつつ、その女性に近づく。
うん?
一瞬、この彼女とこのおっさんは全然似つかわしくない?
これはストーカーか?
やっべえなぁと思った直後、そのおっさん我輩に向かって、「わわわわわ〜!」
ギョッとした我輩。
その様子をみたおっさん、「なんやぁ、わからへんの〜?」

★半世紀近く前

・・・40年以上も前、和歌山南紀の高校時代の親友、現在宮崎県在住の「サカモトのモリちゃん」だった。
モリちゃん「ぜんぜん変わらんなぁ!」
我輩「お前も変わっとらん!」

高校時代、初クラスで姓名順に並んだ席が、サカモトのモリオ、我輩、そしてタナカのケイの順。
この二人となぜか仲良くなって、我輩所属の演劇部に勧誘、入部させたのだ。
特にサカモトのモリちゃんとは大学、社会人時代ともにいちばんの飲み友達だったのだが、残念ながら仕事の関係で宮崎へ・・・。

彼に続いて年配の男性ふくめ3人が来店。
年配男性「モリオの兄です」
そうそう高校時代、俳優の「ソノイ・ケイスケ」にソックリですね、とその方に言った覚えあるけれど、もう今はその面影、なかった・・・。
その他男性、「モリの弟です」「兄の息子です」「私も兄の息子です」
少年時代の弟さんには会ったことがあるそうな。けれど、もう全然記憶になかった。髪の毛、我輩やモリちゃんより少なくなってて・・・。

★でも?

サカモト家がこうして大挙して来てくれたのはとりあえず理解できた。
が、いまだ混乱。
では、彼らと顔見知りのようなこのうら若き墨丸常連女性の存在は?
遠く離れた南紀の彼らと彼女との接点は?

・・・偶然とはこのことをいう。
彼女は大阪生まれの我孫子在住。ある不動産屋の社員。
そして、我孫子で働き始めたというモリちゃんの甥にあたる青年と出会い、明日結婚式、なのだ!

式の前日の今夜、堺のホテルでの食事会の席上。
モリちゃん彼女に、「住吉で友人が店やってるけど知ってる?」
彼女、「墨丸という店なら時々行ってますけど」ってなわけで!
で、「世間は狭いっなぁ!」と、我輩をも驚かそうと弟さんに予約電話させ、訪れてくれたというわけ。

ゆえに我輩、旧友との再会ふくめこの夜舞い上がってしまい、早々から彼らと飲み始めてしまった。
そして土曜というのにはや12時半に店を閉め、その時点で残ったモリちゃんとお客のヨッシーらと隣の居酒屋「そらまめ」に(もうこの時点、我輩べろべろ。とにかく嬉しくって。分かるでしょ?)

★その夜の記憶

覚えているのは、暴言吐いて8ヶ月前に出入り禁止にしたおばあさんが(こんな夜に限って)「そらまめ」にきて(出入り禁止頃からここにも来ていなかったらしいのに)、偶然我輩の隣に座り、機嫌の良すぎる我輩「久しぶりですやん、一緒に飲も、飲も!」「マスター、感激やわ〜!知らん顔されると思たのに!」と、また墨丸を思い出させてしまったり、我輩泥酔して記憶を喪失してしまったり・・・。

その途中、若き男性が「隣の墨丸休みですかぁ?」と「そらまめ」に声かけてくれたのをうっすら覚えているぐらい・・・すみません、この夜来ていただいた方々。そして、モリちゃん、ヨッシー・・・。

「偶然の夜」完

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