132「春の夜の夢」

3.28.sat./2009

★タイムスリップ

広島に原爆が落とされる日にタイムスリップした夢をみた。

その土地に住む我が家族に、原爆が落ちる寸前「防空壕に入れ!」と原爆から救おうとする夢。
「放射能が収まるまでここから出たらアカンねんで」なんてことまで指示し、これで過去の歴史に介入したわけやから、SFでいう歴史の歪みが生じて現代になんらかの影響生ずるんやないやろか?と危惧したとたん現代に舞い戻った。さてと周囲を見渡しても特に変わった様子もなくひと安心・・・と、なぜか手にしていた、あの有名な黄色のBICのボールペンに目がとまり、ああ、そのロゴが「BICREE」に。
「あ、ロゴ変わってしまってるやん!」で、「ああ、やっぱり影響あるんや」

夢の中で「このロゴ、“びっくり〜”に読めるやん?夢でもたいしたオチや。もっとこの夢の内容ふくらませて今夜のHPに載せよう」と、夢の中で・・・でも目覚めるとその後の展開、ぜ〜んぶ忘れちゃってました。
その「苦労」のせいでか、なんとなく寝不足のような気が・・・。

★新刊

先日久方ぶりに北花田の紀伊国屋書店にでかけた。

古書店などではジャケ買い的にまとめ買いしてしまうが(だからそのうち読むのは半分もなし・・・)、最近の不況で新刊本はとてもじゃないができやしないと、今回は吟味に吟味を重ね2冊購入。

「戦場の画家」(アルトゥーロ・ペレス・レベルテ。集英社文庫)
その興味深い題名と、帯の宣伝文句「驚愕と戦慄。ヨーロッパで絶大な人気と尊敬を集めるスペイン最大の作家レベルテ、感動の衝撃作。旧ユーゴ紛争、戦場カメラマンの犯した罪と愛するものを失った兵士。最後の6日間に、贖罪と復讐、衝撃の過去と悲劇が甦る」
ね、面白そうでしょ?

でも三分の二以上も読み飛ばしたことが我輩にとっての「驚愕」か。
元戦場カメラマンの初老の男のもとに元クロアチア兵士が訪れる。彼がいうには、カメラマンが写した写真で有名人物になったおかげで、捕虜生活での拷問と家族の死の連鎖を引き起こしたことに対して復讐するという。
が、「恐るべき“知”の想像力」かなんか知らないけれど、淡々極まりない展開かついくら読み返しても読解しきれぬ箇所ありきで・・・アホといわれようとも、評価1/5。

「コンラッド・ハーストの正体」(ケヴィン・ウィグノール。新潮文庫)
本書の題名も気を惹いた。洋画では粋な日本語題名を最近みかけぬが、本の世界では健在のようだが・・・。

本書もユーゴ紛争が関わる内容。戦場で愛人を亡くしたトラウマから犯罪組織の殺し屋となった元傭兵のコンラッドは、あることをきっかけに足を洗おうと決心。そのためには今後の身の安全のため、自分の存在を知る組織の四人を殺さねばならぬ。が、「始末に取りかかった彼は、驚愕の真実を知る」わけで、奇しくも両冊ともに「驚愕」の言葉が使われていた。

ま、以前紹介したサラ・ウォーターズの作品こそその「驚愕」という言葉が当てはまるといった読後感。マット・デイモン主演の「ボーン・アイデンティティー」の主人公のようなスーパーマン的ではなく「人を殺す」ことだけが特技の男が巨大組織に立ち向かってゆく「影のヒーロー」という謳い文句には、まぁ違和感なしで、評価3/5。

「春の夜の夢」完

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