134「インスタント食品」

4.25.sat./2009

★スパ王

昔々、インスタントのカップスパゲッティ「日清スパ王」が売り出された時のテレビコマーシャルが、「世の中には絶対というものはない!しかしこれは絶対ウマイ!」みたいな売り文句で、「うまいコトいうなぁ」と。
カップヌードルふくめインスタント食品を旨いと思ったことのない我輩「ほんまかいな?」と宣伝文句に釣られて買ってしまった。・・・これが意外と旨かった。

★BOXチン

今回、非常食用にと購入の日清食品の、BOXをチン!カンタン!おいしい!「The box noodle Chin 屋台風ソース焼きそば」。水なしで(!)電子レンジ500W3分の商品。考えたもんで、BOXを広げればなんとお皿に変身の超お手軽商品。
そのパッケージアイデアのインパクトのせいかもしれぬが(ガンダム世代じゃないもんで)、これもなかなかの優れもの。

★GoFan

後日、「もっと試してみよ」と、同じく日清のGoFan「スパイシージャンバラヤ」と「チキンライス」(以前試したカゴメの商品はマズかった)どちらにしょう?と悩んだ挙句どちらも買った。

チキンライスには我輩、ちょっとうるさい。
かつては「オムライス」ファンで、タマゴが貴重な時代の生まれゆえか、オムライスがメニューにあると必ず食していた。
ある早朝、急にオムライスが食べたくなり、車で開いている食堂探し回っての10時過ぎ、ようやくみつけたその店のメニューにオムライスがなかったことに大いに落胆した覚えあり。

さてある時、気づいた。
店によってはオムライスの具のチキンの代わりに、ハムやソーセージ、細切れ肉を使ってることを。ひどい店では肉系ゼロのところも。そしてそれらがあまり旨くないことを。
いかに早く作れるかという教育研修で有名な某オムライス専門店にも行ったが、その店のモットー「いかに早くお出しするか」ではなく、「いかに旨く」だろうにの感。

そして、我輩は目覚めた。
我輩は「オムライス」が好きなのではなく、「チキンライス」が好きなんだ、と。

鶏のもも肉かむね肉(スーパーで売られてるチキンライス用の細かく刻んだ鶏肉はなぜか値段が高い)、たまねぎ、人参などはあくまでも細かく刻み(とくにチキンは大きめだと味も大味か)、バターで炒めてグリンピ−スかピーマン加え、塩胡椒ベースに、荒引き黒胡椒で味を調え火をとめて(これがポイント)、多めのケチャップ投入。フライパンの余熱でライスとざっくり混ぜ合わせ・・・。
料理番組での、たまねぎは水にさらしておくとか白ワインを使うとかも試してみたけれど、結果、我輩のシンプルレシピで週に1〜2度は食す。

で、前記の日清版「チキンライス」、さぁ食べよとしたら「あれ?あれ?具は?」。ライスの底に固まっていた・・・。
で、後日食した「ジャンバラヤ」は、雑炊状態・・・。

これは共に日清サンのせいではなく、ひとえに我輩の至らなさ。
終業後、泥酔状態で作ったせいで(ゆえに非常食なんだけれど)、「チキンライス」は事前に具とライスを混ぜていず、「ジャンバラヤ」は水を線の部分までの表示ありなんだけれども「あれ?線がない!線がない!まさかミスプリってこともないやろに?この山形の模様がそれかいなぁ?」の結果、水を入れすぎての雑炊状態に(「水を入れてからライス」の順を逆にして線がライスに隠れていた・・・)

ま、自己責任で共に最悪の味・・・けれど「具が少な過ぎる」ことは確か。「何々風味のライス」というところか。もう、買わん。

★久方ぶりの「今夜の迷言!」

大正か昭和初期のポスターが貼られている焼鳥屋での目の前のその商品名。
『歯磨きスルカ』
昨今のネーミングに通ずるモノあり。

★久方ぶりの「今夜の名言!」

「神は銃弾」(ボストン・テラン。文春文庫)のケイスとボブの会話から。
『シェイカーとジンを取って。親しい友達が心に何人か必要な気分になってきた』

うちの店のメニューに掲載してるジョン・フォード監督「リバティ・バランスを射った男」からの名文句『もう勇気は品切れか?では酒場で仕入れることにしょう』に通ずるモノあり?

★久方ぶりの「亀田製菓の、けなげ組」(その柿の種パッケージに表示されてる文言)

{雑の字}について
雑誌、雑字、雑食、雑文、雑曲、雑種、雑居、雑草、雑用、雑誌、雑念、雑然・・・なんとなく粗末にあつかわれているようで寂しい感じの漢字・・・でも、ま、考えなおしてみると何となく「根性」ありそうな気もする・・・。

{食パンの耳}について
中のふっくら白いところの為に、ボクらはこんがりと焼かれてしまう・・・サンドイッチになる時、たいがいボクら耳は切られてポイ!せめて油で揚げておいしいおやつになれたら幸せ。ネェ、パンの本当に旨いところは香ばしい耳のところだと思うけど・・・。

★久方ぶりの「今夜の本!」

今回とりたてて紹介するほどの作品なしゆえの、思い出したような登場・・・。

「ミッドナイト・ブルー」(ナンシー・A・コリンズ。ハヤカワ文庫)
吸血鬼が吸血鬼を狩るという、いまや新鮮味のないテーマ。
ようやく読み終えたと思ったら、シリーズ物・・・。もちろん続編など買わず、評価1/5。

「ベビーシッター」(アレクサンドラ・フライ。扶桑社ミステリー)
昔「ナニー」という、雇ったベビーシッターが異常者だったという秀作サスペンスがあったけれど、やっとの思いで読み終えた本書、「なに描きたかったん?」1/5。

「神は銃弾」(ボストン・テラン。文春文庫)
アメリカ探偵クラブ賞新人賞受賞の、カルト集団に誘拐された娘の奪還劇。
本書あとがきにいみじくも「本のカバーの推薦文などは、出版社や作家との付き合いから生まれたおざなりのお世辞が多いけれど」云々とあり、前記2作を思い返すと「やっぱり、そうか」と。
で、本書は「ベテラン作家たちが真摯に賛辞」云々で「純文学に関心のない人は腰が引けるかもしれない」の文言もあり、興味津々。で我輩、完璧に引きました・・・。訳者いわく「原文がエンターテインメントとはおよそ思えないほど難解」ゆえか、訳文も難解。以前紹介の「戦場の画家」解説にも「文学」云々ありで、この文言ありのモノは、もう買わん。1/5。
と、以上3作はメリハリのない退屈本。

「向日葵の咲かない夏」(道尾秀介。新潮文庫)
先日の朝日新聞書評に取り上げられていた、「はっきり好き嫌いの別れる作品」と。
主人公の少年と「人が生まれ変わっての喋る昆虫」と、幼女にしては妙にしっかりした妹らが少年の同級生の自殺事件の謎を追う異様な世界観のミステリー。
貸してくれた墨丸会員734号チャン氏は「最低本!」とのこと。が、我輩はなんか「新鮮」で好き。3/5。

会員541号テラチンくんからの、山本甲士「どろ」(小学館文庫)でようやく読書の楽しみ復活。
ささいなことからの隣人同士のいやがらせが次第にエスカレートして・・・という物語で、読ませるのは主人公たちの数々の「いやがらせ」と、彼らの勤務先の「お役所」や「営業」世界が実に事細かに描かれ、取材や想像力だけでこんなに書き込めるんやろか?経験者かいな?と思わせるほど。物語世界にどっぷり浸からせてくれる。ある意味コミカルな本での高評価は珍しく、4/5。

同じくテラチンくんからの、「時の渚」(笹本稜平。文春文庫)は、サントリーミステリー大賞&読者賞受賞作品。
元刑事で私立探偵(探偵モノは好みじゃないが、読者賞受賞作品はいい作品が多い)が、35年前に生き別れになった息子を捜し出す依頼を受けて・・・。
ま、探偵モノにありがちな都合のいい展開。が、真実が明らかとなるラストは胸に迫るものあり。3/5。

「インスタント食品」完

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