171「呪いの北東事件」

2.25thu/2010

★凶

お客さま方、ごめんなさい・・・。
「20日土曜日休みます」と事前告知してはいましたがその当日、用意していた「休み」の貼り紙出し忘れ・・・。知らずに来られ「土曜なのになんで休み?」と思われた方々、ごめんなさい!

で、今回はその日のこと。
墨丸会員816号占い師ローセン女史によると、我輩今年「北東方面、凶」!

先月、会員734号チャンさんとの会話。
「マスター、なんかイベントしましょうよ」(ただし「私的な」)
「・・・」(そんな余裕なんかないわ、という沈黙)
「したいことなんかないんですか?」
「・・・座敷でゆったり宴会」(これぐらいならと)
「じゃあ、それしましょうよ!」
ここからが今回の「北東事件」の始まり・・・。

なんやかやと相談しつつ、我輩酔ってたんだろなぁ・・・。
そうでないと単なる宴会話から「あっ、たしか和歌浦でクエ鍋六千八百円コースってのが新聞広告に!」なぁんて我輩口走らなかっただろうし、ましてや実行日を28日しか稼動日がない2月の、さらに土曜日なんて週末に一泊で、などと素面では決して、決して・・・。

その日程決定後、その新聞広告探し出してみると、六千八百円は「日帰りコース」。一泊してのクエ鍋でそんな価格あろうはずもないわ・・・。
参加メンバー総勢6名と決まった時点で2名が夕方仕事終えての参加となり、大阪近辺の宿限定となる。
が、ネットで調べてみるとめぼしいところすでに満室(この不景気に!)

★安宿

で、墨丸隣の旅行会社に「近辺で安い宿を」と相談(ま、金がないのは我輩だけなんだけど)
と、そこで「あ、ここ週末にしては安いですよ!」
紹介されたのは、石切温泉。
名前だけは知っていた、大阪平野の夜景が一望できるという黒川紀章設計の某ホテル。1泊2食で1万円!
ただし所在地は、旅行気分など到底味わえぬ東大阪だが、ネットで調べると、アワビ陶板焼き付き1万円ではありませんか。
なれど、東大阪というと、凶方向の「北東」
少々不安感抱きつつ、やむなくここに決定。

★はや、トラブル

当初、15時チェックインにあわせ墨丸前14時に車で出発予定だったが、お客のNさん出展の「7人のクラフト展」が北区老松町で開催中。当日が最終日ゆえ12時に出発変更し、その大阪現代画廊に顔を出すことに。

さて当日の11時過ぎ「いま我孫子です」の旅行参加者の会員806号直助嬢と姉さんのメールであわてて起床(早すぎるやん・・・)
三人で12時前に車で迎えに来るはずのチャンさん待つことに。

・・・待ち続けました。来ません。
北東にまだ向かってもないのにもう問題発生?もう事故?と12時半にメールしてみると「え、2時集合じゃなかったんですか!?」(なんでやねん、打ち合わせ時、酔っとった?なんか、いや〜な予感)
「遅れます」というチャンさんに先行してわれら地下鉄で北区の画廊へ。

Nさん出展の、ステンドグラスのランプ一万五千円。
昔なら即購入してただろうなぁ。なにも置いていないカウンターにこの淡いピンクのほのかな灯かりひとつ・・・いいなぁ。
老松町は画廊、古美術の町で、中国美術店での天然石のストラップやネックレスは他では見られない美しさ。これも(思いがけなくも安いが)昔だったら、であった・・・。

画廊で落ち合ったチャンさんの車に乗り込み「北東凶の兆しやね、まずチャンさんの遅れ(このとき、用意してた「休み」の貼り紙のことも思い出し)・・・みっつめの凶や、わしトイレ行きたくなってきた!」

★イヤな予感

トイレは充分我慢できたほど、あっけなく石切到着。
「うん?ここラブホテル?」
黒川サン設計というそのホテル、いまやテントは破れ、壁も薄汚れた変哲もない建物・・・なんか、イヤ〜な予感。

フロントで宿泊名簿にサインしてふと思いつき「夕食はアワビ付きやね?」「え〜」とフロントマン、パソコンいじったりどこかへ電話したりののち、「どこでそのプランを?」「ネットで」「え〜」とさらにもたもたした挙句、「お客様のご予約はJTBで、そのプランは別の旅行会社かと」
今度はこっちが「え〜」

で、夕食は「会席料理」とか。
でも「アワビ」に相当する料理やろ、ま、ええか(いま思うと、旅行会社なんて関係なかったようにも思えるけど)

後刻、受付時に我輩の後ろに控えていた面々いわく「なんやのあのフロントマン、切れかけとったやん」「なんで?わしなんにも悪いことしてないやん?」「フロントがおかしいねん!あの態度!」(なんか、イヤ〜な気分)

これまた別館の和室大部屋にたどりつくまでが大変。
廊下を何度も曲がって曲がって(これも黒川サンの設計なんだ?)後刻、会員20号せいざぶろうクン、大浴場からの帰り道、部屋にたどり着けなかった・・・。
その和室、確かに大阪平野は一望。ただ、場末の旅館一室の風情。
この部屋も黒川サンが設計したんだろうか。まさかなぁ・・・?

おまけに今夜は夕刻4時半から5時半にかけて大浴場男湯は貸切。
それも宿泊客ではなく、スポーツ少年団が風呂だけ利用とか。
本来は夕食前に宿泊客がひと風呂やろが・・・(あ〜、なんか、イヤ〜な予感)

本来なら後続の2名到着までの間、地元の居酒屋かホテルのバーで軽く食前酒と思っていたが、聞くところによるとホテル周辺にはその類の店が一軒もないという。
地上70階に相当するというスカイルームは本日宴会利用のため入ることもできず。まぁそこにはバーもなにもなかったけれど。といってもこのホテル、どこにもバーなどはまるでなし。

ただ、「金、土、および混雑時に屋台村出現!500円也」との広告があったので後刻、「切れた」というフロントマンに「何時から?」と聞くと「9時からの予定ですが今夜あるかどうか分かりません」
同伴者の声「宴会の残りもんがあったらのオープンちゃう?」
で、時間があるのでこの辺りの名所という「石切神社」へ。

★石切神社

延々とつづく参道にはなぜか占いの店ばかり。
ようやく行き着いたその神社、どういう由来の神社なのか説明文の類一切なし。
ただ、立て板に書かれた今年の厄年一覧みると、我輩なんと!「大凶」で、これでまた落ち込み・・・。
後日、ローセン占い女史に「今年から私は運気が上がるっておっしゃってましたが」と問うと、出生日によりまったく違うとか、で一応ホッ。

参道には寿司屋一軒ふくめ数軒だけ食堂あり。
が、帰り道の夕食時にはなぜか全部閉店。5時にはみやげ物屋ふくめすべての店が閉まるらしい。
今夜の宴会終了後、屋台村がなけりゃ我らはいったいどうしたらいいのだろ?日本酒5合瓶1本は持参したけれど、と後続の仲間に「酒要!」のメール。
後刻、宴会場の仲居さんに(この中年女性だけが笑顔で感じがよかったのだが)「なんで占いの店が多いの?石切神社ってなに?今夜は屋台村あります?」と尋ねれど「すみません、分かりません」

★イヤなこと

さて、ここは天然ラジウム温泉とか。
昨今のスーパー温泉慣れした我輩にとってはどうということもなし。
ただ先ほどまで汗だくのガキ共が大挙して入浴していたか思うと、ちと気持ち悪し。
風呂場清掃係の女性に「今夜、屋台村ありますか?」と聞くと「風呂係なので分かりません」

さて待望の、宴会。
ほかの客と相席でない部屋食だったのは不幸中の幸いなれど、料理目にして思わず本日のお品書きと料理を見比べ点検してしまった。
その最小限(!)の盛り付けに(おいしそうならまだしも)「こ、これなに・・・?」

メインは、季節のてんぷら(芋と海老で季節?)と鰆の香味焼き(2センチ角!)。総じてこれは「ミニ会席・コンビニ弁当」ではないか?
長年宴会料理目にしてきたけれど今回の料理には「板前さんも作るの恥ずかしかったんとちゃう?」という意見出たほど。
血胸、あの「アワビ陶板焼き」クラスの料理にはお目にかかれず終いだった。

で、その「超ミニ」会席料理、あっというまに食べ終わってしまったその時、笑顔で仲居さん「いま館内放送ありました!屋台村しますって!」

で、屋台村がオープンするという大浴場前へ。
「屋台村って、風呂場前のあの喫煙場所でするんやろか?」
「まさかぁ。ソファ全部どけんとできれへんで」
「きっと風呂場前の宴会場やわ」などといいながらワクワク。
・・・どれも正解でも不正解でもなかった。

風呂場に至る細長い通路に設けられた喫煙場所、そこに接する宴会場出入り口に赤提灯ポツンとひとつ。
我輩、その出入り口にただ一台の屋台通り越し、L字型に曲がった通路の先を期待してのぞいてみると、その先にはトイレだけ・・・なんと「屋台村」ではなくただの「屋台」がポツンとひとつだけだった・・・。
かつ周りにソファあるだけで、瓶ビールや小皿置くテーブルさえもなく。

「串カツって何々あって何本でいくら?」
信じられないことに店員の返答「わかりません」
会員388号ちかねぇいわく「このホテルって高校生が運営してるみたいやんか!」
意気消沈した我ら、なにも飲み食いせず部屋に引き上げた・・・。

翌朝の精算。
追加料金1万3986円也。
えっらい高いっなぁ!と明細見ると、アサヒビール中瓶945円、松竹梅二合1672円也で。その宴会飲み物、スナック並み。いや、いまどきスナックでもこんなにボランやろ?

気を取り直し、近辺の名所らしい「暗峠」と「古墳」にでも行ってみようと、チャンさんの古いカーナビで検索すれど位置判明せず。
フロントで尋ねてみようかとふと思ったけれど、もう「わかりません」返答にトラウマ気味の我輩、皆が携帯で検索するのをじっと眺めるのみ。
で、あてずっぽうに出発すれど結局どこにもたどり着けずだった・・・。

★続・イヤなこと

午後のひと時どうしようかと相談の結果、135万円で製作され興行収入90億円を突破という米ホラー映画「パラノーマル・アクティビティ」を八尾でみることに。男女二人が住む家の怪奇現象を描いた作品らしい。

12時上映開始ぎりぎりに到着してようやくみれたというのに結果は、「途中眠たかったわぁ」「そりゃ主人公らが寝てるシーンばっかりやもん」
で、評価2/5(アメリカ人は馬鹿か・・・)

帰り道、もう我輩の心はズタズタ。
おまけに今から仕事。
かつ月末間近の支払い工面に悩む我輩と苦労分かち合う伴侶も、いたわってくれる人もなく・・・と、もう完全な欝状態。

ただ救いはこの夜来てくれ「マスター、なんか疲れてるみたい」といってくれた今回の旅行参加者のチャンさん、ちかねぇのお二人。
で、「マスターの慰労会しましょう!なにが食べたい?」「う〜ん、モツ鍋かな・・・」
その慰労会開催の3月19日(金)か21日(日)早仕舞い、もしくは休みにします(あ、またコレ、繰り返しやん・・・)

翌日の月曜日、暇すぎる深夜(月曜、木曜はヒマです)、会員541号テラ吉くんと「北東事件」参加メンバーの直助嬢来店。

ヒマゆえ、テラ吉くん持参の「罰ゲームトランプ」を嫌々ながらやらされ、占いで博才がないともいわれてる我輩、なんと5敗1勝(占い、これも当たり・・・)
なかに「飲み代全部おごり!」の罰もあり、「今夜の売り上げないやんか!」
こうして「北東事件」には無惨な残滓が、そしてこの後も・・・(もう書けません)

★「今夜の本!」

気分を変えて、「篠田節子さん」コーナーです。
今回は、ともに直木賞候補となった作品2点。

『夏の災厄』(文春文庫)は、東京郊外のニュータウンに発生した日本脳炎と思われる奇病に翻弄される人々を描いたパニック小説。
著者が言うように「ヒーロー不在のパニック小説を書いてみたかった」がこの作品の○であり×。
登場人物が、新任の保健センターの職員でありパートの中年看護士、左翼系の若き医師達で、その分リアリティながらドラマチックな展開に欠けすぎて、評価3/5。

『カノン』(文春文庫)は、大学時代の恋人が自殺する寸前まで弾いていたというバッハのカノンを収録したテープを遺品として受け取った音楽教師が、そのテープに翻弄されはじめるという一種のホラー小説。
いまは中年の平凡な女主人公が回想する青春時代のみずみずしい描写は秀逸。が、ホラー部分は整合性に欠け、青春小説だけの「カノン」が読みたかったと、3/5。
ともに「この程度で直木賞候補?」の感。

★「今夜の名言!」

「妄想なんだよ、瑞穂ちゃん、男の恋なんてものは。思いが受け入れられた瞬間が最高でね、つきあって半年も経つと埋めきれないくらいギャップができている。恋愛だか何だか知らないけれど、愛情なんてものを本当に抱けるようになるのは、いいかげん女に失望してからの話じゃないか」
「カノン」より。我輩がいつも若い方に言ってることであります。あはは。

「呪いの北東事件」完

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