177「再会の夜」

5.2sun/2010

★ふたたびの

飲み放題「史上最大の作戦(春の部)」の深夜、若き男女3人入店してくるなり「タナカのケイさんは?」「お客さんですか?お待ち合わせですか?」「いや、タナカさん・・・」「従業員ですか?それならここにはいませんけど」
と、受け答えしつつ脳裏ではすばやく「うむ、店の様子を見て気に入らんからそのまま帰ろうという魂胆、口実、作戦か」と思ったら、彼らボックス席に座り始めて「????」
そのとき、「なんやぁ、分かれへんのん?」と続いて中年男女笑いながら入ってきて・・・。

あ〜あ、また騙された。
その中年男性、昨年2月16日に来店し、そのこと記した126『偶然の夜』の主人公(高校以来の親友で宮崎県在住の)サカモトのモリちゃん(と奥さん)だった。

タナカのケイとは、『偶然の夜』でも記した高校時代の友人の一人で、「タナカのケイ」と問われた瞬間、彼を連想はしたのだが、入店してきた見知らぬ若き男女と彼が結びつかず、一瞬のうちにケイのことは脳裏から消え去っていた。

「タナカのケイって言うたらわしやと分かると思ったのになぁ!」
(前回は若い男の声で「サカモトで予約願います」とわざわざ電話してきたのだ)。で、今回の若き男女は彼の息子と娘さん夫婦であった。

★その子たち

息子さんによると、我輩と会ったのは彼らが大阪・吹田に住んでいた際、酔った我輩がモリちゃん宅に泊めてもらおうと、寿司折り手土産に訪れた(らしく)彼が3歳の頃だったという。ゆえに奥さん共々会うのは27年ぶり。その息子さん、名を「達人(たつと)」という。
かつてその名を聞いたとき「ええ名前やなぁ、お前らしいわ」とモリちゃん褒め称えた覚えがある。
モリちゃん、大学時代は拳法を習ってい、大柄ながら日ごろは大人しいのだが泥酔すると我輩を羽交い絞めするなどの技をかけ、翌日は完全にそのことを忘れているというタイプで、彼らしい命名であった。

娘さんは「香織」といい、この名を初めて聞いたとき「うそやろ?なんでそんな名前つけてん?」「なんで?おかしいか?」「あの本の主人公やんか」「あの本ってなんや?」
そう、高校時代我らケイと三人で金出しあい、通信販売でエロ本買ったそのヒロインの名であったんだが命名時、彼はそんなことすっかり忘れてたようで・・・。

この夜、「今回は何用で大阪に?」の問いに(前回は甥の結婚式だった)「お前に会いにきたんやんか!次回はタナカのケイとくるわ」と涙の出るようなこといってくれ、前回のように早々に店を閉め朝まで飲み明かしたかったんだけれど、宮崎から13時間運転しっぱなしでほぼ24時間寝ていないという彼はこの夜、堺のホテルに帰ってしまった。残念無念(やで)

★タナカのケイ

この日、初めて知ったんのが、タナカのケイは最近奥さんを亡くしたという。
「え〜、奥さんって会ったことなかったなぁ」というとモリちゃん、「なにいうとんねん、結婚式行ったやんか。祝辞まで述べてたやんか」「・・・」
・・・そうであった。
式で我輩友人代表で祝辞述べ、「犬目のケイ、短身王ピピン」という学生時代のあだ名を披露したところ、親父さんに「うちの息子、そんなに背が低いですか」といわれた覚えがある・・・。その後ケイとは音信不通で、今後会えるのが楽しみである。

追伸:モリちゃん、『偶然の夜』と『高野山たどり着き隊物語』に君のことも出てるから読んでみてや。と言いつつも、彼は携帯も持たぬ完全アナログ人間なのであるからこれはムリか。

★「今夜の名言!」

「なぜ女より銃のほうがいいと思う?」
「さぁ」
「銃にはサイレンサーがある」
・映画「パニッシャー・ウォーゾーン」の悪役のもとに始終電話をかけてくる女房との会話を終えて。

「男に愛を誓う娘の心。神にすら定め難し。女が男にささやく言葉。水に書く文字のごとくはかなし」
・映画「ジェシー・ジェームズの暗殺」より。

「再会の夜」完

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