201「墨丸カレー顛末記」

12.29wed/2010

★16作

墨丸カレー、作り方変えつつとうとう16作目に。
で、ようやく落ち着きそうなその16ベースにして3タイプを。

例えば、隠し味に使ったフルーツは・・・
「神戸コロッケ」を創作したという常連のコックさんのオススメは、「桃」
で、そのタイプも作ってみたけれど、我輩は「もうひとつ」かと。
確か創業時の「幻の墨丸カレー」(レシピ紛失。たぶん我が妻リ・フジンが廃棄?という話は以前記したが)、そのフルーツは「パイン」だったか?とその旨コックさんに告げると、「パイン!そりゃないでぇ!」

でも・・・
16のその1は、「パイン」。これがなかなか好評。
16のその2は、「マンゴー」。これは「その1のほうがイイ」と。
16のその3は、「ミックスフルーツ」。これも、まぁ好評。

私がドイツ人もしくはA型血液タイプなら、いままでの15作のレシピ、克明に記録してるんだろうけど、あいにくO型で。
でも総じて気づいたのは、コクとうま味が出せるというブイヨン入れると「塩味」が出るってこと。これも好みで、その味がイイという方もいらして・・・。

★結論

我が妻?リ・フジンなど、我輩にとって最高と思うインディアン・カレー(ピラフにカレーをかけたそれとは違い、店名&カレー名)「食べよ!」と誘うと、当時ランチの一環として日夜カレー作り続けていた彼女、「カレーなんて!」と拒否した気持ち、いまは分かる。
毎日毎日、自分の作ったカレー目にしてると「カレーなんて!なんて!」
そういう意味では、「洋酒なんて!カクテルなんて!」って気持ちも現在、芽生え成長している。

もうひとつの、結論。
26日に作った.17のフルーツは「バナナ」
ブイヨンその他いままで加えてみた調味料は一点のぞいて排除。
で、今回は少々辛口に仕上げた。
今後、辛さの変更ありかもだが、隠し味のフルーツのぞく基本レシピはこの16から発展させた17で完結としま〜す。

※でも、完結とはならなかった・・・。

★「今夜の本!」

07年刊行時から読みたかった佐々木譲「警官の血」(新潮文庫)読了。
「97年度 このミステリーがすごい!」第1位の作品。
07年当時は上下巻の単行本。
それが二段組みで字がびっしり詰まってると「お得感あり」で単行本でも即購入だが、単行本は場所をとるのと加筆訂正あるかもの文庫化を待っていて。

戦後の混乱期に東京谷中の駐在所に配属された警察官から始まる親子三代、およそ60年にもわたる警察官の人生を描いた大河小説。
我輩むかし、警官になろうとして書類選考パス。さぁ、次の面接という日の朝、寝過ごして「出席パス」の経験ありで・・・。
でもこの作品で生々しい警官の実生活目にし「警官めざさんでよかった・・・」(自称我輩「カミソリのマサ」やけど、格闘技なんかぜんぜん不向きやし)

お客さんが貸してくれた「行きずりの街」(志水辰夫。新潮文庫)も「92年度 このミステリーがすごい!」第1位、「日本冒険小説協会」大賞受賞作(この賞は外れ多し)
田舎町の塾講師が東京で失踪した教え子を捜すために上京。トラブルにまきこまれ・・・という話で、「しみたつ」と著者のことを呼ぶ熱狂的ファン多いらしいが、どうも我輩こういう「私立探偵モノ」的作品、どれもこれも同じような展開に思え肌にあわず。
(米国作家レイモンド・チャンドラーの私立探偵フィリップ・マーロウ物は別。最近村上春樹が訳した「ロンググッドバイ」なんてより、早川書房の清水俊二訳「長いお別れ」はオススメの一冊)
その点「警官の血」は、初代警察官の父親の死の疑念を息子達が引きずりながら、各時代の大事件を背景にしたその警官生活、まさにリアルで読み応え充分。

もう一点のオススメは、「まほろ駅前多田便利軒」(三浦しをん。文春文庫)。直木賞受賞作。
東京郊外の町で便利屋を営む主人公のもとに、高校時代に教師や同級生と一言もしゃべらなかったという変人の元同級生がころがりこんで、男同士の奇妙な生活がはじまる・・・。

この変人のキャラが抜群にイイ。
仕事を積極的に手伝うでもなく、電話番させれば「殺して欲しい人がいるって依頼だった。1千万、払うってさ。あんた、殺しも請け負ってる?」「そんなわけないだろ。たまにいるんだよ、便利屋を始末人とまちがえてるやつが。それで、どうした?」「『うちよりも凄腕の便利屋を知ってます』って言って、まほろ警察署の電話番号を教えといた」ってな具合。
これを「今夜の迷言」とするならば、こんな「今夜の名言」もあり。

家族に愛されていない小学生に、主人公は(セリフだけ抜書きしてみると)
「死んだら全部終わりだからな」
「生きてればやり直せるって言いたいの?」
「いや。やり直せることなんかほとんどない。いくら期待しても、お前の親が、おまえの望む形で愛してくれることはないだろう」
「そうだろうね」
「だけど、まだだれかを愛するチャンスはある。与えられなかったものを、今度はちゃんと望んだ形で、おまえは新しくだれかに与えることができるんだ。そのチャンスは残されている」

ええこと言うよなぁ。
以前紹介した映画「悪夢のエレベーター」での、自殺しようとする女に男がかけた言葉にも通ずるものありで。
もうひとつ、本書から「今夜の名言」を・・・

「私たちははじめて知ることができました。愛情というのは与えるものではなく、愛したいと感じる気持ちを、相手からもらうことをいうのだと」
友情を抱いているわけでもないのに、この二人の奇妙な心のつながりは読ませます。続けて読みたい作家。

各評価。
「警官の血」父の死の必然性が弱い?4/5
「行きずりの街」なんで警察に駆け込まんねん!2/5
「まほろ駅前多田便利軒」もっと二人の世界を楽しみたかったと思うのは贅沢か。4/5
「死亡フラグが立ちました!」(七尾与史。宝島文庫)
死神に相当するほど凄腕の殺し屋の殺人予告後、被害者は24時間以内に死んでしまう。それも100%事故と思える死に方で。バカバカしいけれど、読んでしまった。3/5

★ブルキナファソ

昨年末に「ブルキナファソの夜」って秀作本紹介したれど、架空の国だと思ったそのブルキナファソ、西アフリカに実在と知る。学生時代の地理では存在していなかった国だと思うけど・・・。

数日前の新聞記事で、日本の7割ほどの国土で世界最貧国のひとつながら、争いごとを嫌う国民性か西アフリカでは珍しく政情も安定。その国名も「正直で高潔な人々」を意味するとも知った。
興味を引いたのが、その国に「暦にない休日」があること。
20年以上政権を掌握している現大統領のスキャンダルを暴こうとし殺害されたジャーナリストの死を悼んで、13年前の事件の日にあたる12月13日、毎年この日には人々は仕事をしないんですと。大統領除いて、まさにブルキナベ(ブルキナファソ人)!

★関連して

かたやエジプト大統領の小話。
タクシー運転手に男が近づき「大変だ!大統領が誘拐された!」と叫んだ。「犯人は大金を要求していて、用意できなければ大統領に火をつけると言っている。少しでいいから寄付してくれないか?」
運転手が「ほかの人はどれくらい寄付してるんだい?」と聞くと、男は「ガソリン5箸阿蕕いな」

もうひとつ(もうひとつ面白くないけど)
大統領一家がジェット機で遊覧中、大統領が100エジプトポンド札取り出し「これを投げて、拾った人を喜ばせよう」と言い出した。
これを聞いた妻は「50ポンド二枚なら二人を喜ばせるじゃない」。息子達は「10ポンドなら10人を喜ばせれるよ」と主張した。
パイロットは振り向いてこう言った。「大統領ご自身が身を投げれば8300万人が喜びますよ」

大統領の話ではないけれど、オーストラリア戦争捕虜の会会長(84歳)に有罪判決、という記事。
表題が「嘘の戦争体験20年以上講演」で、60年代にパブで知り合った日本軍による元捕虜の話を聞き、自分も「英雄になりたい」と元捕虜だったという嘘をつき始め・・・その話の「説得力」から各地で講演。とうとう同会の会長にまで。
09年、戦史研究家が彼のことを調べたところ、戦時中は単なる学生だったことが判明。夫人、子供までが信じきっていたとか。軍人恩給の返還には174歳までかかるらしい。

ああ〜、内外共にトップに素晴らしき人物、おらんなぁ〜。
来年もみなさん、よろしく!

「墨丸カレー顛末記」完

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