238「墨丸氏の優雅な一週間」(アカン篇)

5.17thu/2012.
★もうアカン。

クルマ車手放してから近場で手に入らぬモノが仕入れメモに溜まりすぎ、「あ〜、もうアカン、限界!」と、自転車で「初の」遠方仕入れ行、敢行。

堺・新金岡の業務用食品店「Aプライス」まで、走破に要した時間25分。
こんなにも自転車乗ったのは中学、高校以来か・・・大和川手前の坂、吾彦大橋の起伏(なだらかな)が「難所」であった。
「Aプライス」から堺の「コーナン」「酒のABC」へと回る途中、おばあさんの自転車に追い越されてしまって、もう我輩、恥辱と疲労で死ぬかと。

そう思うとこれからの酷暑の季節、地獄だ。
でもスタローンが「ロッキー」で体力回復めざし早朝ランニングし続けたのと同様、これ繰り返してると自転車走破も苦にならなくなるんだろうな。あ、その前に熱中症か心臓発作で死ぬかも。

本来なら今夜は店休みの予定。
先日お客さんと話していて共に「居酒屋愛好」ってんで、近辺の酒屋談義していたところお客さん「ひと月ほど前にオープンした店ありますよ」
知らなかった、その店。近辺居酒屋熟知してるはずの我輩が。
で、我輩「一度行ってみます」というと、「じゃあ、ご一緒にどうです?」てなことになり、今夜同行することに。

・・・でも今日の仕入れ行で、資金がなくなってしまった。
自転車仕入れ行を繰り返したくなく、多めに仕入れすぎて。
でも、O型気質「どうにかなるやろ〜」(いや、どうにもならん)と思っていたところ、そのお客さんから「急用で行けなくなりました」との連絡。

ホッとしたやらなんとやら。
で、今夜は店を開けてるわけ。
休んだ日は「今夜はヒマだったろうか」などと働き者の我輩つい思いがち。
ならば「今夜、店を開けてみたらその真実垣間見えるか?」と。
・・・結局、急な突風と雨、極端にヒマ日の「魔の19日」間近、かつ月曜日に並ぶヒマな木曜というマイナス要素重なって(だから休むつもりだった)、喫茶のお客さんのみ。我、休みの日はもう思い煩うまい、でした・・・。

こんな状況むなし過ぎ、先ほど飲み仲間の居酒屋「きた越」大将に「呑みに行きませぬか」とメール。
「OK!1時過ぎからなら」とのことゆえ、さてどこに行きましょう?
・・・で、3時30分、只今酔っ払って帰ってまいりました・・・。

5.18fri.
★予測

先週のこの曜日、ヒマそうゆえCさんとニューハーフの店に出向いた曜日なわけで、なんとなく今夜もヒマだろうと思っていたところ、今月いちばんの繁忙日に。
「忙しいだろう」と予測の夜はヒマで、「今夜はヒマだろう」の日は忙しい、というのが水商売、を何百回目に実感す(昨夜の勘は当たっていたけれど)

5.19sat.
★焼き鳥屋にて

前記Cさん、宵の口いらしていわく「マスター、晩ごはんナニ食べました?」
「なんも食べてましぇん」「じゃぁ、焼鳥食べに行きましょか、9時半頃まで」 
先週金曜日の夜と同様、う〜む、う〜むと思い煩うこともなく我輩「・・・行こかぁ」で、「今夜はオープン9時半から」と貼り紙して出かけてしまった。

日本酒呑んだら酔うからと酒はビールのつもりが、焼鳥メニュー前にするとやはり日本酒です。
と、Cさん「ダメですよ、日本酒なんて。酔ってしまいますよ」「ええねん、ええねん」「じゃ、二人で呑みましょか」
たちまち二合徳利空になり、もう一本追加しようとすると、Cさん「ビールにしときなさい」
こんな伴侶おったらわしも道踏み外さんかったのになぁ。
残念ながらCさんは男性です。

いつもならこういうパターンだとついつい店を休んでしまう我輩なれど、同伴者がこのCさんかつ今夜は土曜日。「せめて貼り紙に10時からオープンってしといたらよかった・・・」と、後ろ髪ひかれる思いで焼鳥屋あとにす。
すると、店開けたとたんバタバタとお客さん三組来店。Cさん、ありがと・・・。

5.20sun.
★或るカレー

三日間連続で、昼食がカレーだった。
暖かくなった気候のせいか最近食欲減退気味。そんなときにはついカレー。
ココイチの「ポークカレー」、得正の「上等カレー」と続き、今日は激安定食屋に久方ぶりに出向くと新メニューとしてカレーが・・・。
「うむ、ミンチカツカレーが五百円。安いではないか。ならば」と三日目のカレーライス。

以前、とある店で「ざるそば」注文し、そのあまりのまずさに生まれて初めてざるそばを食したなら人生二度とざるそばなるモノを口にしないであろう、と記したことがあったけれど、生まれて初めて最悪カレーなる物に巡りあってしまった・・・。

カレー通(?)の我輩、丼鉢(!)で出されたそれみただけで「こりゃアカン?」
ひとくち食して、カレーそれ自体の味も香りもないのに気づき(カレー色も極端に薄く)、ふたくち目でこのすえたような味はもしかして腐敗?半分以上残してしまった。

★「今夜の本!」

ヒット作です。
料理をテーマにした時代小説作家として名だけは知っていた高田郁さんの「銀二貫」(幻冬社文庫)がそれ。

大阪の寒天問屋の主人が、仇討ちで孤児となった少年を大切な銀二貫で救う。少年は丁稚としてその問屋に奉公しはじめるのだが数々の試練が待ち受けていて、という物語。

かつて野坂昭如さんが(ファンでした)、名作「『火垂の墓』はこう書けば読者は泣くだろう、と作為的な手法を使った」云々のようなことをなにかで書いておられ当時は少々しらけたけれど、思うにこれは当たり前のことであって、でも我輩が最も敬愛する山本周五郎先生描くところの時代小説の人情劇はそういう意味では素直に泣ける作品が多かった。

本書ではその山本先生の作品を彷彿とさせてくれます。
かつ、江戸時代の大阪の風物、寒天にまつわる話など非常にきめ細かく描かれ物語世界にどっぷりひたれます。ただ、少年とりまく人々が余りにも善良な人々ばかりなのが気になって、おまけの5/5。

「墨丸氏の優雅な一週間」つづく

<戻る>