241「墨丸の罪と罰」(蟻編)

7.5thu/2012

★蟻地獄

先夜、ベッドで本読んでると、左足ふくらはぎにチクリ!
あん?と思ったとたん、ふたたびチクリ!
それは、ガラス片が肌に触れたようなかすかな痛み。洗い立てのシーツに残った洗濯糊が素足に触れた感触。

その部分さすりつつ「これってなに?」と、仕事終えてのいつもの泥酔状態ゆえさして気にせぬままでいると、今度は太ももあたりでチクリ!チクリ!
「これって神経痛?」と思った途端、チク!チク!チク!

ギョッ!と、あわてて飛び起きて足みてみると、所々に小さな赤い斑点が。
で、懐中電灯持ち出しシーツ調べてみると、小さな蟻が、よくみると羽のついたそれが(瞬間的に大群かと思いきや、一匹だけだった。たぶん)、いた。

くそ〜!と懐中電灯でたたきつぶしたつもりだったけれど、きやつめいなくなっていた。
目にもうみえぬ刺客(文字通りや)に向けフロアにアース浴びせかけたけれど、羽蟻って刺す?咬む?羽蟻やったらの話やけど。

どこかに潜んでるやもしれぬ「燃える昆虫軍団」(って昆虫が人を襲う映画が昔あった)残党のせいで新しいシーツに替えていると、そのチクリが次第にヒリヒリし始め、虫刺されクスリ塗れどおさまらず、石鹸つけて湯でゴシゴシ洗うと少しおさまった。いまはもう痒くてたまらん・・・。

そういえば蟻地獄って見なくなった。
というより幼少の頃、高野山奥の祖父の家近くのお堂廃墟の濡れ縁下、サラッとした砂地での砂時計状のそれをいくつも見かけただけで、大阪周辺ではこの年になるまで見かけたことがない。
思い返すと不思議なことに、その蟻地獄周辺でいけにえとなる蟻をみたことなく、ゆえに蟻つかまえて落としこんでみようとしたけれど、犠牲となるその瞬間いまだ目撃せずじまい。

さらに思い起こせば幼少のころ、トンボの羽むしり、カエルの尻にストローさしこんで腹をふくらませたりという子供の残酷行為を聞くと信じられぬ思いになるのに、蟻だけは殺しまくった経験あり。ゆえに我は性悪説派。

蟻の大群敵兵にみたてた戦場想像しつつ(戦争ドラマ「コンバット」の影響か)、かなづち片手に群がる蟻どもたたき殺し、ベンジンで焼殺したりと(高野山に徘徊する1センチあまりの大型蟻は生命力ありすぎてか踏み潰したこともなかった)
で一時期、蟻地獄周辺同様、我が家周辺、蟻の姿をみかけなくなってしまった。

でも、物心ついた頃には血を吸う蚊とゴキブリぐらいしか殺生できぬようになったのだけれど(なれへんだら「少年A」や)、その蟻殺しの報いか、成人になっての二日酔いの朝、枕もとのコーヒー牛乳ねぼけまなこで口にすると口の中がジャリジャリ。
「え、なに?」とそのパック内覗き込んでみると、蟻の大群が群がっていた(これは蟻の決死隊やね)
このとき寝てる最中に蟻にか左上腕部を何箇所も噛まれていて(これは特殊部隊やね)、その痕は腕にまだはっきりと残っている。

「罰」というのはあるのだ。
きやつらの子孫はまだ我輩を恨み呪っているのだ。子孫なきほど根絶やしにすればよかった・・・(アホ)

別の「罰」の話は次回につづく(恥ずかしいから「つづくかも」です)

★「今夜の本!」

「月魚」(三浦しをん。角川文庫)
「まほろ駅前多田便利軒」でファンになった彼女の今回の物語は、古書店が舞台。
「まほろ」同様、男同士の奇妙な友情描かれ(女にこういう世界描かれてしまっては男子としてはもう嫉妬の世界)、本好きにとっては古書の裏世界も垣間見え一読に値。評価4/5。
本書貸してくださったC姉の評価は3/5。

「お父やんとおじさん」(伊集院静。講談社文庫)
著者の自伝的小説三部作「海峡」は、淡々とした日常生活の描写に疲れ1冊目で挫折。本書はその三部作の番外篇。新聞の好書評で単行本買ったけれど、「海峡」のおかげでほったらかしにしてました。今回、読書趣味がほぼ等しいC氏持参の文庫版を読む(寝ながらよめるから)

著者の在日韓国人の父が、朝鮮戦争下の半島に義弟の救出に赴くという話で、これは我輩好みのテーマ。
なれど、「驚愕と衝撃」「勇気と感動」(帯の謳い文句)、「この小説はめっぽう面白い」(書評家の池上冬樹氏)とあっても、半島潜入までがやはり少々淡々。救出劇も「事実は小説よりも奇なり」でもなく、上記謳い文句に対しては「?」。が、朝鮮戦争舞台の小説は珍しくって、3/5。

「きみの友達」(重松清。新潮文庫)
墨丸のカウンターで本書読み終わったC姉が黙って我輩に差し出し貸してくれた作品。
そのときの会話、我輩冗談で「泣いたん?」と聞くと「・・・うん」
久しぶりの重松作品ながら興味そそられぬ題名ゆえか期待せず読み始めた。
主人公の小学生少女が交通事故で足が不自由になり、それから明るかった性格が一変。
その章終わると、次は全然異なる物語はじまり「短編集かよ〜」と思いきや、第一章で登場した同級生が次の章での主人公に。もちろん1章での少女も関連してるわけでそのパターン、年代変えつつ延々と続いての長編小説。
久しぶりにページめくる手がとまりませんでした。
各章、密です。物語世界がぎっしり詰まってます。文中「きみ」と呼びかけているのは?(この設定もイイ)
最後から2章目で「ここで泣けたんやからもう最終章なんていらんやろ?」と最終章読みはじめると、また泣けて・・・。
知人にいわせると、重松さんも浅田次郎さんもこの点「あざとい」というのも納得ですが、5/5の今夜のオススメ作品!

「ナース」(山田正紀。ハルキホラー文庫)
ジャンボ機が山中に墜落。日赤の七人の看護婦が現場に向かうが、そこで見たものは想像を絶する地獄絵図。
と、面白そうなんだけれど、信じられぬ、そのくだらなさが。冒頭数ページ読んであとは数十ページずつの飛ばし読み(いや、ほとんど読んでいない)。ゆえに、未知の生物が出てきたようなんだけれど、もう物語の展開不明なままページを閉じる。こんな駄作にめぐり合ったのは初めてか。クズです。評価論外。

241「墨丸の罪と罰」(蟻編)完

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