261「中途半端・・・」

12.11.tue。/2012

★ヤクルトのカラ容器

我輩の自転車前カゴに、誰かが捨てたヤクルトのカラが。
こういうことってありますよね。
それらゴミを道端に無造作に捨てるわけでもなく、かといってコンビニ前のゴミ箱まで持ってゆくわけでもなく・・・。
これはある種のマナーかと一瞬思ってしまうけれど無作法なことには違いなく、こういうことをなさる方は中途半端な人格の持ち主なんでしょうか?

我輩の子供時代には「歩きながらの飲食は行儀が悪い」と、こういうポイ捨て以前のしつけを父母や先生方にされてきたのにと思いつつ、私はそのカラつまみ上げ、今しがた出てきた喫茶店の看板の上に置きました。
・・・ああ!我輩も、中、途、半、端?

前カゴのゴミといえばかつて、片想いの彼氏が何処かへ去ってしまったと嘆いていたお客の某女史いわく、「マスター、きっとあの人やわ!」「なにが?」「私のマンション前に置いてる自転車のカゴにタバコの空箱入っててん!」「それが?」「あの人やねん!」「なんで?」「わたしの家を探し当てたっていう印やわ!」「??・・・そ、それは、ちょっと(ちょっとどころか全くやけど)ちゃうと思うんですけど」

誰しもがそんなことしたりされたりしてるんですよと諭してもその女史、頑として聞き入れず、「今までそんなことされたことないもの!」と。
・・・その彼氏とやらにいわゆるストーカー続けていた某女史、最近店に来なくなって少々ホッとしている昨今の墨丸であります(ゴメンなさい、某女史!)

★煙草の吸殻

昔々、お掃除関係の会社に就職した際、配属先での研修初日の上司挨拶でいわく「私が入社した際、先輩と仕事で営業車に同乗していてタバコの吸殻を車の窓から捨ててしまったことがあります。すると先輩いわく『あなたはお掃除の会社に勤めているのではないのですか』ときつく注意され・・・」云々と。
そのときのお話はこの部分しか記憶に残っていず・・・でも「掃除の会社云々」なんてことより人間としての基本的マナー、いや人間性の問題じゃあ?と、その中途半端な(というよりマイナス過多か)、でも毅然とした口調でのご挨拶以降、その方が立派なことをおっしゃっても妙に心に響かずで・・・。(鳩山さん、菅さんは最たるものですけど。スミマセン、元上司)

その方の発案で月に一度「ご奉仕」と称し、早朝出勤しての会社ビル周辺のゴミ拾い行事がありました。
ま、わたしが上司なら黙々とただひとり始めてみて部下の追随期待するけど(期待するのもなんやけど)
任意参加といわれても参加しなけりゃ人事考課にも影響あるやろし・・・。
なんか上司の得点稼ぎに協力してる気がするのは考え過ぎかなぁと、遠方から2時間近くかけての通勤の私はその苦痛極まりない「ご奉仕」に、これら雑念加算されよくサボってしまったものです。
というのも、我輩と今は墨丸会員91号でもあるМ氏のふたり、この頃に事務所が入居していたビルが閉まる23時まで毎晩サービス残業ってのがザラで。
で、それから呑みに行ってしまうというのが最たる原因でしたけど。
でもさすがそんな「ご奉仕」繰り返してると、タバコの吸殻など無造作に道端に捨てることがまったくなくなりました。

けれど退職後のいま、すさんだ生活の我輩は時々吸殻を捨ててしまっています・・・。
「ああ、このフィルターが下水を通じ海に流れ、魚の胃袋を破壊するのだなぁ。フィルターなしのに変えよかなぁ・・・」なんて一抹の後ろめたさ感じつつ・・・。
でも、映画などで主人公が無造作に(それもカッコよく)吸殻投げ捨てるのを目にすると、「アホ!」と非難の思い抱いてしまう、この中途半端さ・・・。

★合衆国大統領

オリバー・ストーン監督の「ブッシュ」という映画は、第43代アメリカ大統領J・W・ブッシュ(息子のほう)の半生を皮肉っぽく描いた作品だった。

けれど、同じブッシュさん描いたマイケル・ムーア監督のカンヌ映画祭受賞作「華氏911」は皮肉というよりおちょくった、でも真面目なドキュメンタリー映画、というややこしい言い方になってしまうのも、主人公がブッシュさんゆえ、ドラマでもドキュメンタリーでもこんな傾向の作品になってしまうんであって・・・。

9月11日の米国テロ攻撃のそのとき、ブッシュさんはフロリダの小学校を訪問中。
その様子をカメラがとらえています。
一機目が世界貿易センターに突入。
が、知らせを受けても彼は授業参観を選び、子供達の前に座り笑顔浮かべつつ教師の「わたしのヤギさん」のお話しを聞き続け・・・。
この「攻撃」と明るいお話「ヤギさん」の組み合わせのギャップが皮肉極まりなく、こうした喜劇的ともいえるシーンがブッシュさん主人公のこの作品に残念ながら満ち溢れているのです。
二機目が突入したとき、首席補佐官が教室に入り「米国が攻撃されています」と耳打ち。
そこでのナレーション。
「判断がつかぬ彼は誰の進言も受けられず、自分を守るべき警護官も飛んで来ぬなか・・・ただそこに座って子供達と『わたしのヤギさん』を読み続けた」

その七分間のシーン、これはもう唖然通り越した、失礼ながらやはり喜劇的。
でも犠牲者遺族にとってはショックな場面でしかなく、大統領の「ボク、どうしたらいいんだろ?」というようなあやふやな、目は泳ぎ作り笑いのその表情目にすると、それでも大統領の席に居続けられたなんて米国民って寛容すぎるんちゃう?と。
このシーンからブッシュ家とビンラディン一族との親密なつながりなどを描いていく本作評価は5/5。

より寛容な日本人向けに、鳩山さん、菅さん描いた真面目な、でも滑稽にならざるおえないだろうドキュメンタリー、作るべきだわ。

★ゴッホ。水晶洞窟。永山則夫。

ブッシュ映画に関連して、オススメのドキュメンタリー三本。

民放BSでの「ゴッホ 最後の7日間 ひまわりの画家はあの日、殺されたのか?」
自殺と信じられてきたゴッホの死。だが・・・
死の原因となった左腹部から太ももへの銃槍の謎(右利きなのに?かつ、なぜ頭部、心臓を撃たなかったのか?)
現場に使用された銃はなぜか発見されぬまま。
なぜかその場で死を待たず、重傷の彼は下宿に帰り着き、診察に訪れた知人の医師ガシェはなぜか外科手術もせず彼を放置。

果たして自殺なのか?
ガシェは何らかの形で事件に関わっていたのか?
不仲となった画家ゴーギャンも関係しているのか?と、この作品はあらゆる資料を駆使し様々な憶測を見るものに抱かせながら推理ドラマ仕立てで描かれてゆき・・・最愛の弟テオに行き着くのだった。評価4/5。

NHKBS「驚異の結晶洞窟」
150年前の作家ヴェルヌのSF小説「地底旅行」で描かれた水晶の地底洞窟。
空想の産物のそれが2000年、メキシコ・チワワ砂漠の地下深くで発見。
人類が初めて目にする、ダイヤモンドのように輝く巨大な結晶群で埋め尽くされた未知の地底世界。
科学者たちはその灼熱洞窟の結晶の謎に、耐熱服で挑み続けるドキュメント。
生きているうちにこんな不思議な世界を目にできるとはの思いで、評価4/5。

NHK「永山則夫 100時間の告白」
19歳にして連続射殺魔。そして死刑となった永山の精神鑑定医が録音していた永山自身の告白テープをもとに、彼の素顔に迫ったドキュメント。

幼少期の極貧の生活下、家族を捨てた父親に似ているということで母親に疎んじられ、加えて兄からの異常ともいえる暴力。
唯一可愛がってくれた姉の発狂死。
ついには母親にも捨てられゴミをあさり飢えをしのぐ日々・・。
これら幼少期に続く半生が永山自身の声で語られるのを聞くと、奇しくも同年代だった我輩でも行き着く所は同じではなかったかとまで思わされたほどの悲惨な人生描写かつ彼の内面に迫る内容。
が、日本の裁判史上初の試みで行われたというこの精神鑑定は裁判で採用されることなく闇に葬られていたのだった・・・。評価5/5。

★「墨丸会員の動向!」

宮崎県都城市の店に転勤してしまった会員845号「チチカカさん」♀より近況お知らせのお便りいただきました。極貧の(我孫子の永山の)我輩のために年末ジャンボ宝くじ5枚も同封されてました。ありがと、当たったら宮崎、遊びに行きます。当たらんでも行きたいけど・・・。それまでお元気で!

新会員は、870号「大桃さん」♀
B型。大阪出身の事務員さん。
「近所なので前から気になって入ってみました」
我輩、店から杉本町駅方面に出かける際、住宅街抜けようとすると毎回なぜかまったく違う場所に出てしまう。
そのことを地元の大桃さん(あだ名)に話すと、「タバコ買いに出たおじさんなんて道に迷って一時間もさ迷ってたわ」
その地区は戦国時代、敵の侵入を防ぐための迷路の役割をしていた場所の名残りなんだそうである。
我輩、若年性痴呆症かと思いはじめてたので教えてもらってよかった、よかった、一安心。

「中途半端・・・」完

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