270「墨丸22周年ですよ!」

7.11fri/2014

★「ブログ更新してないね?」のお声を何人かのお客様からいただきました。

半年ぶりご来店のカップルさんにもそういわれ、「へ?ホームページは覗いてくれてはるんや。うちのこと忘れてたわけやないんや」とO型単純男は(我輩です。あなたのことではありませぬ)その性格通り単純にうれしがったりしてるわけで・・・.
で、更新なしだったというのも、前回5月中旬更新後に始めて(しまった)、数日で終わるだろうのフードメニュー「今夜のお料理 eat me!」改定作業に、なんと1ヶ月半以上も要してしまったせいでした。

年間5回前後は一部追加や削除を繰り返しているフードメニューですが、新たに購入の料理本ふくめての全16冊、かつ新聞雑誌等料理欄切り抜き多々参考に、今回は「全・面・改・訂」!
皆さまの「お・も・て・な・し」のために。

既存食材のロスなくすことを目標に、かつ一人で即できるものをと再チェック。
すると、調味料など副材料を追加購入するだけで、あるわあるわ、出てくるわ出てくるわのアイテム数。
石橋「叩かぬ」無計画O型気質ゆえこのチェック作業だけで思いもよらぬ日数要し、これまた予想外のページ数にふくらんで、ならばと「かわきモノ系」から「夜食系」までの現10項目それぞれをさらに食材別にまとめ直し、現4ページのフードメニューを7ページに圧縮&バージョンアップ!

その結果はというと・・・達成感というよりも、なんかアホなことし続けてたような気分に。1700種のカクテルメニューもそうですけど、今回のこの料理数、我ながらちょっと異常な産物ではないかと・・・。

アホなことというのも、閉店後の、酔った勢いでの朝方の作業大半ゆえ、「さぁ、できた!」と勇んでローソンでメニュー冊数分コピーし終えてみると、「あ、誤植!」「あ、これどんな料理?」なぁんて、とっくに修正、理解してなければならぬはずの問題点、完成直前で発覚続出。
で、トータル5回もコピーし直し・・・。
4回目のコピーではもうだらけていたのか、コピー機から領収書、釣銭取り忘れ、翌日のコピーの際、店員さんに物は試しと問うてみると「次に使ったお客さんが届けてくれてましたよ」と、960円戻ってきて、日本って凄い国と改めて思いました。
・・・わしは日本人とちゃうなぁ、その点。先日も・・・いやこのことは秘密漏らさぬあなただけに今度こっそりしゃべりましょ、とO型はつい白状してしまうのでした。

そんなこんなで、O型の不器用さと相まって更新どころかその他のことなどなにもせず、できずの(かつて恋愛至上主義者だった頃もそうだった)、1ヶ月半でした。

サラリーマン時代に「マニュアル男」と呼ばれたほど各種マニュアル制作させられつづけうんざりだったけれど、いま思うとああでもない、こうでもないと今回のように一人黙々と作業するのが性に合ってたかもと思い至りもし・・・ま、サラリーマンと違い期日指定なんて墨丸ではあってないようなもんだからかもですけど。

某社辞めてしまったのも、新規事業の各種マニュアルを半年後の幕張メッセでの加盟店募集コーナーで提示するゆえ作成をといわれ、それまでその事業の実験活動していたはずの上司に各種資料有無尋ねると、「それもない、これもない、あれもない」で、「!」(絶句の「!」)
たかが墨丸フードメニューでさえ資料ありで1か月半も要したというのに(今年6月はワールドサッカーのせいか近年まれにみるヒマさという状況下での今回要したその日数。通常営業日々ならば「いつ終わるんやろ?」だろうが、何もないところから印刷製本ふくめ半年でという指示には「なに考えてんねん!なんにでもハイハイいう便利屋と思うなよ!」と、これもO型気質、いままでの鬱積爆発し、後先考えず単純にケツまくってしまったのでありました。

でもこの不況下、自死と隣り合わせのような自営業者としては、あの上司に提出するマニュアルなら適当にお茶を濁して・・・との後悔が残滓のようにわが心に巣食っていて・・・。
いや、タイムトラベルできるなら墨丸創業時に立ち戻り、現在の経験もとにもう一度最初から店をやり直したい・・・いや、我が妻リ・フジンとの結婚前がいいか?

さてさて、いくら短時間料理といえど、立て込むとそれなりにお時間頂戴いたすかもしれず、その点ご容赦を。7月1日火曜日より新フードメニュースタートです。

★「今夜のおしらせ!」

1.7月27日(日)〜28日(月)は、墨丸22周年!
サービスドリンクのぞき、全ドリンク22%オフ!&粗品進呈、ですよ〜。
※ただし日曜日は「早じまいあり」の曜日ですのでお早目のご来店を。
2.通年夏場は生ビールを「琥珀ヱビス」に変更でしたが、当面「レーベンブロイ」で続行いたします。

★「今夜の本!」

「十角館の殺人」(綾辻行人 / 講談社文庫)
最近の常連さん、通称「キンパツくん2号」が貸してくださった本。
無人島の屋敷で過ごすことになったミステリーサークルの大学生7人が次々に殺されていく。さて犯人は・・・?
「は、こいつが犯人やったんか・・・」だけが読後感のような、本格推理小説「非」ファンの我輩評価は、3/5。

「ライフボート」(シャーロット・ローガン / 集英社文庫)
大型客船が遭難。定員を超えた人数が乗り込んだ救命ボート。海水の浸水と食糧不足の死の恐怖のなか漂流が続く・・・。!
なぁんてまさに我輩好みの題材。その新聞広告目にし、紀伊國屋書店に走る。
が、帯の「極限状態の中、小説的なことは何も起こらず[現実]を見せつけられた」云々賛辞の(なんでホメるの?)、まさに「小説的なことまるでナシ」の、たっぷり観念的描写にもううんざり。評価2/5。
(アン・ハサウェイ主演で映画化とか)

「ほかに誰がいる」(朝倉かすみ / 幻冬社文庫)
女子高生の主人公が同級女子に恋心を抱いてしまう。
が、そのプラトニックラブが進行するにつれ、主人公の精神が次第に狂ってゆく。そして彼女がとった最終手段とは?しかしそれは大いなる誤算だった・・・。
若手作家共通の軽さが少々あるけれど、異常をきたしていく箇所では「ムムッ」。3/5。

「人間動物園」(連城三紀彦 / 双葉文庫)
最近亡くなった連城さんの作品にひさしぶりに接しました。
「このミステリーがすごい!」第7位の、誘拐テーマ作品。
4歳の娘が誘拐され身代金が要求される。被害者宅には犯人が盗聴器を仕掛けており、すべての行動が犯人に筒抜けとなるなか、極秘に動く警察は隣家に詰め、犯人からの接触を待つ。しかしその隣家にも盗聴器が・・・。
というだけではない。そもそもの誘拐事件そのものが異常・・・という斬新な発想の物語・・・。
が、前述メニュー作りの合間に読んだせいでか、あるいは冒頭描かれる近所の犬猫が誘拐されるってくだりは不必要じゃないかの疑問もあり、3/5。

「光」(三浦しおん / 集英社文庫)
小島の漁村を巨大津波が襲う。生存者は少年少女3名、大人3名のみ。そこである殺人が。しかし混乱のなか事件は発覚せずしての20年後、廃墟と化した村を捨て都会で妻子とともに暮らす主人公のもとに、かつての事件を知る人物があらわれ平穏な生活を脅かしはじめる・・・。
男の友情と思いきや、それがボーイズラブ的心情と知らしめられたとある作品以降彼女の作品敬遠していたけれど、三浦さんって救いのないこんなハードなのも書けるんだ!と、今回、いち押し!の作品に。評価は4/5。
今回、いち押し!

★「今夜の名言!」

「わたしは頭のなかに入っていき、記憶をさぐろうとした。記憶はイソップ童話にでてくる旅人に似ている。強い北風には反応しない。わたしは、なだめるように記憶を温めていった。冬眠した蛙を目覚めさせる春の日差しのイメージ」
前述「ほかに誰がいる」のヒロインの独白。わっかるなぁ、この表現。

★「今夜の映画!」

あいかわらず録画した映画を観続けています。
でも閉店後の、睡魔と酔魔に襲われつつの鑑賞ゆえほとんど印象に残っていません(というか、シラフでみてもそんな作品、近年少なし)
で今回から、印象に残った作品と、腹が立つほど駄作と思える作品のみ(おススメ作あればふくめて)紹介してゆくコーナーに変更いたします。まずは・・・

政財界の大物(山崎努)の孫娘が殺害される。その祖父は10億の懸賞金をかけ犯人殺害を日本国民に呼びかける。かくして国民全員の目に追われることとなった犯人は(藤原竜也。ミスキャスト。悪漢面でもなくその雰囲気もまるでなし)保護を求めて自首。警視庁SPが護送を担当するなか次々と思いがけぬ人物からも襲撃を受け・・・という三池崇史監督「藁の盾」
お客のどなたかが(確か女性)「良かったでぇ」というのを真に受けて(主演の、たれ目の大沢たかおがキライなのに)みました・・・。
カンヌ映画祭出品というけれど、出品が日本の恥になると頭をよぎらなかったんだろうか?

一番の欠点は、中盤で精鋭SPのはずの松島菜々子が同僚SP大沢たかおの行動に気を取られ、振り向くと後ろにいたはずの凶悪犯・藤原がこっそり逃亡してしまってていなかった、ってな子供のかくれんぼ的場面。
で、すめばまだしも、後半まったく同じ状況で、今度は藤原に後ろから襲われてしまいあっけなく殺されるという、警察官以前、人間以前、サルでも学習するやろとの信じられない場面にあっけにとられ、で終わればまだしも、ラストでは山崎が日本刀で藤原を殺害しようとし、大沢に止められその日本刀が藤原の目前に転がる。取り囲むは全員警察官。なのに彼らは遠巻きに見守るだけで、藤原はその日本刀拾いあげ大沢を刺す・・・。

ああ、恥ずかしい。みていて恥ずかしいのに、大沢も松島も山崎も藤原も演じていて恥ずかしくなかったんだろうか?もう監督力量については論外。でも日本警察の力量がこの程度と世界に思われたとすると、この映画にかかわった人たちは非国民に相当する。
原作はどうなんだろ?かえって興味がわいてきた。いや、たしか米国映画で同じシチュエーションのが昔あったな、ならば原作も二番煎じか?と、これが今回の「駄作!」でした。

1972年、新進劇作家の青年の成功を祝う会場に見知らぬ老婆が現れ、青年になぜか懐中時計を手渡しひとこと「カムバックツゥミー」と言いおき去っていく。
1980年、スランプに陥った青年は当てのない旅に出る。通りすがりのグランドホテルに立ち寄った彼はポーターの老人に「どこかでお会いしたような・・・」と問われるが、彼には覚えがない。ホテルの歴史を紹介している展示室に入ってみると飾られている女性のポートレートになぜか惹きつけられてしまう。彼女は1912年にホテルの劇場で公演した芝居の主演女優だったというのだが、その女優のことがなぜか脳裏から離れなくなる。調べてみるとその女優の晩年の写真はあの老婆!そして彼を訪れた日の夜に死んでいたのだった。
その遺品のなかにフィニィ教授の著書「時を超える旅」が。青年はある確信を抱き、教授の体験談をもとに1912年当時の衣服、金、髪型等に替え、自己催眠の方法で彼女のいる60年前のグランドホテルの一室へとタイムスリップしようとする・・・。

女性蔑視主義者のいまはもう恋愛映画なんてみないんだけれど、こういうタイムスリップテーマは本でも映画でも我輩好み(なのに我輩、上映された80年にみていなかったなんて信じられぬ。録画してそのままだった可能性はあるけど・・・)
原作はリチャード・マシスン(彼の著書はほとんど持っています)。
ジャック・フィニィの「ふりだしに戻る」(彼の著書もたぶん全作持っています)も、部屋の内装から家具まで過去のものにすべて替えタイムトラベルを図る物語だったけれど、劇中フィニィという教授が出てくるんだから彼へのオマージュなんあろう。

難点は、主演が「スーパーマン」のクリストファー・リーヴで、みはじめてスーパーマンイメージが頭から離れずの点。女優(ジェーン・シーモア)のマネージャー(クリストファー・プラマー)が青年の出現を預言していたといい、女優の人生を狂わす男だと二人の仲を引き裂こうとするのだが、なぜ預言できたのか?彼もタイムトラベラーなのか?また、ポートレイトの名札が意味ありげに外されていたのは?等々の疑問が最後までというのも残念で、これは不完全な作品に間違いはない。
ラスト、女優に「あなたの服は時代遅れよ」と笑われ「気に入ってるんだ」とその服の各所を自慢してると、小銭入れポケットから未来の硬貨が出てきてしまう。そのとたん彼はその世界から現代へと戻ってしまうという悲劇には「なるほど」
良くも悪くもこの「印象作」は、ヤノット・シュワルツ監督「ある日どこかで」でした。

※老婆が青年に手渡した懐中時計は、過去の世界で女優がその時計を褒め、むかしある人にプレゼントされた、と青年が答えるくだりがある。なぜそれが女優の手にあったのかも不明。青年に見覚えがあるといったポーターの老人は、青年が1912年にタイムスリップしたホテルのロビーで会話を交わしていた少年。
この監督には「燃える昆虫軍団」という、燃える昆虫が人類を脅かすというB級SF映画があり、ま、これも「印象作」

今回の「おススメ!」は、内田けんじ監督「鍵泥棒のメソッド」!
売れない貧乏役者の堺雅人、伝説の殺し屋香川照之。銭湯でころんで記憶を失った香川のロッカーのカギを自分のとすりかえ、役者は高級車、高級マンション、大金を手に入れることになるが殺し屋として生きていかねばならなくなる。かたや殺し屋は貧乏役者として・・・。内田さん作品はどれもアイデア抜群!

「墨丸22周年ですよ!」完

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