309「アロンガメント・ジナミコ」

7.7.tue./2015

「HB、売ってません」「ゴリラの子供たち」に続く今回は、大人版。

過去二回の記述で今どきの子供達の「退化」に危機感抱いた我輩でも(ま、我輩には幼児いないんで大した危機感ちゃうけど)、時たま運動不足に対しての自分自身への多少の危機感はあるわけで・・・サラリーマン時代の30代前半には会社提携のスポーツクラブに行ってもみた。
トレーニング終わって「汗かいたぁ!」と同僚とビールがぶ飲みし、だぶついたお腹みて「・・・こんなんしてたらプラスマイナスゼロやん?」と、一回きりで終了。

堺市のスポーツクラブへ自主的に赴いた30代後半には、最初の健康チェックで「えっ、身体硬すぎですよ、60歳代の硬さですよ!」との若造トレーナーのあきれたようなもの言いにプライド傷つけられ?二回目から行かず(硬いから行かねばならぬのに・・・)

墨丸近所の住吉区スポーツクラブへは中高年のストレッチに参加してようやく初級編クリア。次のワンランク上のコース開始直前、218「時計じかけのオレンジの悪夢」事件で医者に運動しばらく禁止宣告され、やむなくキャンセル。

で、新聞広告で知った新刊本「毎日3分。今日のストレッチ 77日間であなたの体は着実に変わる!」。おお!これなら店でもできる!と購入するも、実行したのは一日だけ、今のところは・・・。231「うちはウサギの子、ダミンやねん」の仔ウサギに食いちぎられてその本もうボロボロやけど・・・。
で、今回のお話・・・。

★「アロンガメント・ジナミコ」

NHKの番組「ためしてガッテン!」で、ストレッチ最新情報ゲット!

そもそもストレッチって、身体を柔らかくしケガの予防ができると1975年にボブ・アンダーソンって方の著書「ストレッチング」で世界的ブームになったんですって。
けれど1998年、オーストラリア陸軍でストレッチ検証実験の結果、柔軟性アップするもののケガの危険性を減らす効果ナシと判明。以後様々な論文でもそれが実証されての今年、意外な落とし穴「柔軟性と引き換えに失うもの」が判明。

例えばバスケ選手の実験で、ストレッチ後にジャンプ力が、低下。
ストレッチで筋力および瞬発力がかえって低下していることがわかり、関連して肉ばなれや筋断裂には効果あるものの、捻挫や骨折予防にはストレッチ、かえってふさわしくないと。
かつ従来のストレッチは副交感神経の働きを高め精神のリラックスを生み出すことから、今から休もうとする時(就寝前など)にすべきであり、これを試合前にしていたのは真逆だったと分かったのだ。

ケガ予防のためには筋力+柔軟性を生み出す新たなストレッチが必要ではないかと、取り上げられたのがブラジルサッカーチームが採用している奇妙な動きながら伝統的ストレッチという「アロンガメント・ジナミコ」
従来ストレッチが、時間をかけ負荷を与えながら筋肉自体を伸ばすことに対し(この点が筋繊維の活動を阻止していた)、和訳的にはこの動的ストレッチ、番組では「ふりふりストレッチ」と呼んでいたが、可動範囲の八割程度の関節を繰り返し動かすことで従来ストレッチ効果の「手足の冷え解消」「高血圧、動脈硬化改善」に加え、交感神経の働きを高め、通常筋力を20%アップ、柔軟性27%アップし「ケガの予防」「捻挫、骨折の予防」「瞬発力アップ」につながると。

それは単純すぎるほどの運動なんだけど、ここに文章で記するのはちと難しく・・・すでにこの動的ストレッチを導入している広島カープ前田健太投手が試合前のグラウンドで実践しているのを、ま、見てください。我輩が実践してみてもいいですよ〜。ゴメンナサイ、今回中途半端な報告で。

★「今夜の本!」

「さよなら渓谷」(吉田修一/新潮文庫)
緑豊かな渓谷近くの寂れた市営住宅に住む母親が容疑者とされる幼児殺害事件発生。現場取材にマスコミが押し寄せる・・・。
なぁんだ、一昔前の秋田での子殺しの話か、と思いきや巻末の解説者は上手いことをいう。ヒッチコック映画「サイコ」の冒頭、当時の有名女優ジャネット・リーが勤め先の金を横領して逃亡。観客は彼女のドラマだと思わされるが、数分後には宿泊先のモーテルであっけなく殺害され、「あれ?」。その手法と同じだと。
う〜む、本作では全然別の、第三者の忌まわしい過去が暴かれ描かれてゆくのだ。著者の傑作「悪人」の映画主演・妻夫木聡いわく「行き場のない哀しみに涙が出た」は大げさすぎるけど、「呪わしい過去に縛られた男女に、極限の愛を問う」(帯コピー)はうなづけて、評価4/5。

「この世の果て」(野島伸司/幻冬舎文庫)
場末の店がお似合いの銀座ホステス、その盲目の妹、事故で記憶を失ったという男、顔にアザのある孤独な青年・・・彼らの愛の行き着く先は?
すっごいなぁ!TVドラマのこの題名聞いた覚えあるものの、こんなにも波瀾万丈だったとは。とにかくこれでもかこれでもかの展開の行きつく先は?と興味津々に。なれど、当の脚本家が名作ドラマを小説化でか、障害者向けテレビ番組の字幕解説付きのような文体が気になって。でも野島さんの、あの名作ドラマ「人間・失格 たとえば僕が死んだら」なんてのも読みたくなってきて、おまけの評価4/5。

「龍神の雨」(道尾秀介/新潮文庫)
母を失い義父と暮らす兄と妹。母に続いて父も亡くし義母と暮らす幼い兄弟。義父を恨み、義母を嫌う彼らが出会った時、更なる悲劇が・・・。
いや〜、以前紹介の著者の直木賞受賞作「月と蟹」での、あの思わずタバコを手にとってしまった息詰まる後半の展開がもう前半から始まってる。救いは「解説」の一文。この解説は読むべし。今のところ我輩にとって作者のベスト1。大藪春彦賞受賞。評価5/5。

★「今夜の映画!」

!!(傑作!) ◎(オススメ!) ○(損なし?) △(普通) ×(駄作)

「パトリック 戦慄病棟」(2013/豪)
郊外の不気味な脳死患者専用の病院に赴任した看護婦は、目を見開いたまま横たわる患者青年と意思疎通が出来ることに気づく・・・。
ま、オチは善人と思われた青年がヒロインにストーカー的感情を持ち、テレパシーで彼女の周囲の男性達を事故死させたりするって非現実的なお話。開けっ放しの目、乾くやろ?△

「日本の黒い夏 冤罪」(2000/日本)
松本サリン事件題材・・・。
メンツだけのために個人を犯人に仕立てあげようとする警察の姿勢が地下鉄サリン事件を生み出した一つの要因であることがよっく分かり、警察責任者が処罰されたか否かを知りたくもなってくる。○

「猿の惑星 新世紀(ライジング)」(2014/米)
新薬で驚異的に知能が発達したチンパンジー誕生の前作「創世記(ジェネシス)」の続編・・・。
本作は、猿ウイルスで絶滅に瀕した人類と猿集団との戦い。68年の1作目では違和感のなかった猿が服を着ているってこと、毛皮なんだから服は不要だったんだって点に今回気付かされた。猿のリアルさはあるけれど「ラストサムライ」同様、白人とインデアンの戦いの域を超えていないのが今ひとつ。○

★「今夜の合言葉!」

「ふりふり」
で、サービスドリンクorつきだしプレゼント。

「アロンガメント・ジナミコ」完

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