315「読まずに死ねるか!」

5.22sun/2016

★「読まずに死ねるか!」転じて「死ぬまで読めるか?!」

昨年11月3日の退院以降、今日まで記してきた我が肉体の障害による過酷な労働の日々ゆえかつてないほど本、読んでません。
昨今少々落ち着いてきたゆえ亡き冒険小説協会会長、内藤陳氏(※)の書評誌「読まずに死ねるか!」の題名にならい、連載「今夜の本!」改題し今回から「死ぬまで読めるか?!」をスタートさせたいと思います。

※内藤氏経営の新宿ゴールデン街のバー「深夜プラス1」に我輩若き頃に飲みに行ったことがある。その後設立された協会には発足時に入会。けれど会費払わずしていつしか会報も届かなくなって・・・。

すでに記したように読み終えたと判明した不要本は廃棄等したが、さて残った蔵書のうち何を読んで何を読んでいないのやら・・・とりあえず片っ端から手にとり、読後評価3/5(普通)以下本や「読んでる!」と気づいた本はどんどん箱詰めしてのフリーマーケット用に備え、理想としては後世の(本好き親族の)ための「面白本」のみ詰まった書庫にと。
・・・けれど、屋根裏(※)ふくめ全壁面埋め尽くす書物、果たして死ぬまでに読み切ることができるのか?・・・無理です。

※ 今まで「屋根裏、屋根裏」と書いてきたが、正確にはその狭さからいって、「天井裏」です。

と、倉庫の押し入れ整理してると、二十代に勤めていた「全労済」時代に職場同僚や我が友らと作った酒と本のサークル誌「道化亭綺譚」誌発見。
ここに毎月読了した5段階評価済みの作品一覧が。
その後の「ダスキン」勤務時代には堺市のミステリー小説愛好会に参加して作った書評誌もどこかにあるはずで、もちろん脱サラしての墨丸初期時代のいわゆる墨丸新聞の書評コーナーなどをもチェックすると即ダンボール行き本が大量に発見できるわけで。
もしかして「無理」が無理でなくなるかも、です。・・・やっぱり無理。

さて第1回「死ぬまで読めるか?!」は・・・

1「残穢」 小野不由美/新潮文庫 5/5 山本周五郎賞
2「重力ピエロ」 伊坂幸太郎/新潮文庫 3/5
3「黒蝶」 グレアム・マスターソン/ハヤカワ文庫 2/5
4「コンラッド・ハーストの正体」 ケヴィン・ウィグノール/新潮文庫 3/5

・今回の翻訳本、それぞれ帯の「傑作ホラー」「絶品サスペンス」の文句にまんまと騙されてしまいました(昔はこんな表示信じられたのになぁ)
特に「コンラッド」は、「凄腕の殺し屋が足を洗おうと自分の正体を知る犯罪組織のボスふくめ4人の殺害を決意する。が・・・」の「が・・・」部分が面白そうと。でも何の事はない、犯罪組織ではなくCIAに操られていたというオチも恋人の死のオチももうありきたり過ぎて・・・。
「黒蝶」の作家は翻訳本が希少ながら欧米では流行作家らしく、処女作が「マニトウ」と知って驚きました。70年代に同名ホラー映画を観た記憶があり、いまどき巡りあうとは、です。

・やはり何冊読んでも伊坂さん作品は低評価。巻末で書評家の北上次郎さんが彼の作風について「シュールな物語やエレガントな前衛」という評を取り上げて解説してらして、我輩はその点が肌に合わないのかも、と。ま、これで見限れました。

・今回の推薦作は、「残穢」(ざんえ)!
昔、作者の大作「屍鬼」を読んで「S・キング『呪われた町』のパクリやん!」と見限ってしまってた小野さんの本作は山本周五郎賞受賞と知って・・・いや〜、怖かった(「!」ほどではなく「気味悪い」が妥当か)、そんな気持ちを久方ぶりに抱かせてくれての高得点。実在の人物が実名で登場もするドキュメンタリータッチも内容を盛り上げている。ただ明治から現代まで続くある土地での因縁話なので何世代にもわたる居住者名をメモりながら読まれることをおすすめ(我輩など途中から三度も読みなおしてしまった・・・)

「読まずに死ねるか!」完

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