318「梅雨どきのキンブル」

7.1sun/2016

★リチャード・キンブル。職業、医師。正しかる正義も時として盲ることがある。彼は身に覚えのない妻殺しの罪で死刑を宣告され、護送の途中、列車事故に遭って辛くも脱出した。
孤独と絶望の逃亡生活が始まる。髪の色を変え、重労働に耐えながら犯行現場から走り去った片腕の男を探し求める。
彼は逃げる。執拗なジェラード警部の追跡をかわしながら・・・現在を、今夜を、そして明日を生きるために。

約50年前の名作TVドラマ「逃亡者」冒頭、上記シーンのナレーション(ナレーターは矢島正明)は、ストーリーを的確に要約した不朽の名台詞といわれています。
主人公リチャード・キンブル演ずるデビット・ジャンセン(吹き替え:睦 五郎)は若い頃のスポーツ事故の後遺症で片足が悪く、ドラマではこの列車事故で足を怪我した設定。これがまた追われる身にとっては不利な条件のひとつとなるわけです。上手い設定です。

そういう意味では同時期の名作戦争ドラマ「コンバット」でのアメリカ兵は日本語吹き替え、ドイツ兵やフランス人は原語で字幕表示ってのも当時としては斬新。冷たい鋼の如き響きのドイツ語が流れるとゾクゾクしたものでした。

アメリカ全土の街から街へと逃げ続け120話も続いた「逃亡者」について、当時こんなことも言われていました。いわく「確かに持久力はあるが、毎回あれだけの美女に出会えれば次の街にも行きたくなるだろう」
逃亡先で主人公は様々な人と関わるわけですが、その中に我輩好みの女性が登場するたびに「最終回ではこの人と再婚したらええのに」と子供心に思ったり羨ましがったりしていました。

★6月24日(金)、入院していた住之江の友愛会病院最後の通院日、かつ脳のMRI最後の検査日。

このMRI、救急搬送時ふくめ3、4回めでしょうか。
1回15〜20分も要し、耳元で機械音が鳴り響き、うたた寝することも出来ない退屈な検査。でも再出血判明すれば再入院(そして高額・・・)
が、主治医のY先生「脳も首の血管もキレイなもんです」「そうですか、最近調子が悪くって振り出しに戻るのかもと」というと、この梅雨どきは気圧の関係でいわば「古傷が痛む」状態に陥るらしく、なかには起き上がるのも難儀な方もいるとかで、我輩など「軽い方」と。

日頃軽くびっこを引いてても「お、リチャード・キンブルみたいやん」と気にも止めずある意味「個性」と思おうとしていたのに、雨もしくは晴れていてものち雨なんて昨今の天気の時は格段に不自由さ感じるほどとなる。個性などとのんきに言ってはおれぬこれはもう身体障害者状態。我が妻リ・フジンなど「天気予報いらんでええやん」

付録:本来なら車椅子生活のはずだった我輩、以前も書きましたが歩いてる我輩みて看護婦さんら「わ、Sさん歩いてる!」「進化した猿です」と返答してたのが、昨今は「退化した人間です」やね。

で、この梅雨に入るまでは何かアルバイトでもと、でももう少し体調改善してからと本格的には考えずにいたところ、ふと目めにした新聞折込求人チラシ。
「お、これなら?」と応募。6月8日(水)に面接受けたのが「遺跡発掘スタッフ」募集の会社。

知りませんでした。
ニュースやドラマでの発掘シーン、土に埋もれたナニかを刷毛で丁寧に土クズを取り・・・では、ありませんでした。
社長いわく「皆さんそう思ってらっしゃる。例えば調査地が田んぼだとします。まず水を抜いて表面の泥を取り去ります。で、その下は粘土です。それをまたシャベルやスコップで掘り起こしてからが皆さんが思う作業に入るわけで、いうなれば基本は土方仕事です」
そのお話の途中で我が体調説明し「社長、そりゃ私には無理ですわ」
社長いわく「今からの季節は作業が過酷ですから秋までにトレーニングして体調戻してくださいよ」
ま、無理やなぁ・・・未練残る仕事やけど。

で、日本のキンブルは美女にも出会わず、和製インディ・ジョーンズにもなれずして、この梅雨どきそのままの悶々とした日々を送っているのでありました・・・。

★「死ぬまで読めるか?!」(3)

10「週末 沖縄でちょっとゆるり」 下川裕治/朝日文庫
11「骨の祭壇」 (上下)フィリップ・カーター/新潮文庫
12「リカ」 五十嵐貴久/幻冬舎文庫 (再読)
13「リターン」        同上

10 こういう旅行記は字面追うだけでは欲求不満募るだけ。実践あるのみです。目新しかったのは「ポーク主食化したアメリカ世の落し物」の章。ある沖縄家庭の朝食が、スープ(キャンベルのクリームチキン缶)、メインディッシュ(ポークランチョンミートとスクランブルエッグ)、サイドディッシュ(コンビーフハッシュと玉ねぎの炒め物) と、缶詰オンリーなこと。でも主食はパンでなくご飯。で、飲み物はインスタントコーヒー。「お茶?沖縄ではお茶は緑茶でなく、サンピン茶(ジャスミン茶)。でも、サンピン茶はご飯に合わないでしょ」ですって。著者はアジアを主にしたバックパッカー。 3.5/5。

11 安っぽいカバーイラスト、平凡な著者名・・・ゆえに普通なら買いはしない本作、裏表紙の「全米の出版社が熾烈な争奪戦を繰り広げた覆面作家の超絶スリラー」かつブックオフで108円だったゆえ、読む。1937年、シベリア強制収容所からの脱走。62年、マリリン・モンロー急逝。63年、ケネデイ暗殺と、我輩好みの題材盛りだくさん。なれど訳者いわくの「軽妙な会話」が緊張感削ぎ、「手に汗握るアクション」がもう飽き飽きのカーチェイス。現実離れした「不老不死の妙薬」争奪戦ってのが大きなマイナス要因。有名作家の作品らしいけれど、「ホントかなぁ」で、3/5。

12&13 傑作ホラーの続編「リターン」読むため前作「リカ」再読。細部全然覚えていずで、またまた一気読み。ま、再読ではラストのリカが「13日の金曜日」ジェイソン連想させるってマイナス要因発見だけど。平凡なサラリーマンが出合い系サイトでリカと知り合い、その異常なストーカーさに次第に追い詰められ・・・ての10年後の今回の物語。 そうかぁ、リカは闇に消えたんだったんだ。それでの10年後かぁ、と大いに期待するも、今回はリカを追う刑事目線での展開。前作の「一般人の犯罪巻き込まれ型」緊張感生まれず、かつリカのような特異な体質、容貌の犯罪者を10年間も警察が見つけ出せなかった点も不可解。でも映画化なんぞを期待。 3.5/5。

今夜の推薦作は、旧作「リカ」しかないね。

「梅雨どきのキンブル」完。

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