333「今夜!」december/2016

1.1sun//2017

★明けましておめでとうございます。

さて我が身辺、今年はどんな事が生じるのでしょうか?
この歳になると期待よりも不安が・・・歳ですねぇ、とはいいたくはありませんが、二年続いた発症のせいでか、さすがのO型気質&脳天気な我輩(ガジュ丸。我が名を音読みしての今年からのペンネーム)も少々気弱に?

期待といえば、発症以来エンジンをかけていない愛車バイクで野山を駆け巡ることが現実的な夢とすれば、宝くじ当たればではホンダNBOXワゴン・スラッシュの新車で(これも買うのだ。「軽」いうのが現実的でしょ?)一人のんびりと(一人でやで。これはまさしく現実反映?)、温泉宿、友人宅経由で冬は沖縄、夏は北海道(は、トラウマありやから東北にしよう)と、日本一周することかしらん。

いやいや、心機一転。
新年初日から積極的に活動開始しましょう。
まずは、今夜の「本!」「映画!」ともに装いも新たに月刊での連載スタートを。
かつ、何年も前からの”言うだけ企画”だった「年間ベスト」発表も実施(新旧作取り混ぜてになりますけど・・・)。

評価も統一。
5〜4が「秀作ライン」、3.5は「損ナシ」、3は「普通」、2〜1は「駄作ライン」。5は「ぜひ!」的作品で、月刊化で冷静チェックとなるゆえ今までより厳格化されます。

★「今夜の本!」

1.「彼女は存在しない」浦賀和宏/幻冬舎文庫/3.5
2.「1992」スティーブン・キング/文春文庫/4.0
3.「宮部みゆきの江戸怪談散歩」宮部みゆき/新人物文庫/3.5
4.「空白の叫び」(全3巻)貫井徳郎/文春文庫/3.5
5.「失踪症候群」貫井徳郎/双葉文庫/3.0
6.「迷宮遡行」貫井徳郎/新潮文庫/1.0
7.「神のふたつの貌」貫井徳郎/文春文庫/3.5

☆焦った!

環境も性格も異なる三人の中学生それぞれの犯罪の顛末を描いた作品の上巻は犯行までの経緯が、次巻では三人の出会いが描かれるらしく、読み終えた「上」巻末に珍しくも「解説」が(ご丁寧にも下巻にも別解説あり)。
それについ目を通したならば、なんと次巻は「下」じゃなく「中」につづくという全三巻もの大長編だった。
焦ったなぁ、一気呵成に「上」読み終えたあと「中」なんて手元にないんだもの。我輩、本屋にあった上下巻、それがセットだと思い買っていた。
誰かが「中」だけ買ってたんだな。だって我輩も「中」だけ買いに走ったもの。
で、その本屋に残るは「上下」。そしてまた誰かが間違ってその「上下」2冊を買う、という堂々巡りになるわけだ。

貫井さんの「空白の叫び」です。
傑作デビュー作「慟哭」そして「乱反射」同様の、斬新な手法でラストにすべてを収束させての特異なカタルシス期待しすぎての、本作はその物足らなさあるものの、大長編ながら加害者側から描いた少年犯罪というテーマかつその濃密な展開は一読の価値あり。

☆「今夜の名言!」

『予想を上回る悪い事態は必ず起こる』
「1992」より。(予想上回る良きことなんて皆無なのに・・・)。

★「今夜の映画!」

1.「ゾンビガール」2014/米/ジョー・ダンテ監督/3.0
2.「信長協奏曲」2016/日/松山博昭/3.0
3.「地槍富士」1955/日/内田吐夢/3.5
4.「白熱」1949/米/ラオール・ウォルシュ/3.5
5.「チャッピー」2015/米etc/ニール・ブロンカンプ/3.5
6.「グラスホッパー」2015/日/瀧本智行/2.0
7.「さいはてにて やさしい香りと待ちながら」2015/日/チアン・ショウチョン/3.0
8.「ザ・フィクサー」2015/米/ピーター・ホーウイット/3.0
9.「アリスのままで」2014/米/リチャード・グラツァー/3.0
10「青空娘」1957/日/増村保造/3.0
11「悪魔のいけにえ」1974/米/トビー・フーパー/3.5
12「クロノス」1993/メキシコ/ギレルモ・デル・トロ/3.0
13「イントゥ・ザ・ブルー」2005/米/ジョン・ストックウェル/3.5
14「オートマタ」2014/ブルガリアetc/ガペイ・イバニェス/3.5
15「コインロッカーの女」2015/韓/ハン・ジュニ/4.0
16「ハイネケン誘拐の代償」2015/ベルギーetc/ダニエル・アルフレッドソン/3.5
17「アナコンダvs殺人クロコダイル」2015/米/A.B.ストーン/2.0
18「ジャングル・ブック」2016/米/ジョン・ファブロー/3.5
19「cop car/コップ・カー」2015/米/ジョン・ワッツ/3.5
20「クリーピー 偽りの隣人」2016/日/黒沢清/3.5
21「真田幸村の謀略」1979/日/中島貞夫/1.0
22「ザ・グラビティ」2013/独etc/ハンスイェルク・トゥルン/3.0
23「あの子をさがして」1999/中/チャン・イーモウ/3.0
24「白鯨との闘い」2015/米/ロン・ハワード/3.5
25「奇跡の2000マイル」2013/オーストラリア/ジョン・カラン/3.0
26「あの日の声を探して」2014/グルジアetc/ミシェル・アザナヴィシウス/3.5
27「ノウイング」2009/米/アレックス・ブロヤス/4.0
29「ディスクローザー」2013/豪etc/マシュー・サブィル/3.5
30「パッセンジャー57」1992/米/ケヴィン・フックス/3.0

☆青春時代の・・・

大阪ミナミの、かつての千日前・弥生座で観た映画冒頭の墓荒らしのシーンで、売店で買って口にしかけたゆで卵を吐きそうになったのをいまも覚えている、そしてその後も機会あるごとに観るのがスプラッターホラーの始祖といわれる「悪魔のいけにえ」(原題「テキサスチェーンソウ大虐殺」)。

テキサスの片田舎を訪れた若者グループが屠殺人一家に惨殺されてゆく物語だが、今回WOWOWで公開40周年記念版が放映され当時と記念版の相違は残念ながら分からなかったけれど、いまにつづくスプラッター映画の要素すべてが詰まっており(血しぶきナシが時代を感じさせる)、公開当時「凄い!凄い!」と周囲に吹聴していたことをも懐かしく思い出した。

☆やはり韓国映画・・・

もう韓国ドラマなんて観ないんだけれど(反日!反日!に反感おぼえて。いや反韓か?)、くやしいかな評価3程度の作品ばかりに出会ってると「これならば」と観てしまうのが、韓国映画。

で、今月のオススメはその「コインロッカーの女」
コインロッカー10番からへその緒が付いたままの女児をホームレスが拾い上げ「イリョン(10番)」と名付けられる。イリョンはいつしか裏社会の非情な借金取立て屋に。その過酷な運命をあいかわらず韓国的非情さで描き、主演のキム・ゴウンが美人でないのもリアル?

オススメではないけれど味のあるのが、同じくアジア映画の「あの子をさがして」
物語としては破綻しているきらいあるものの、中国貧村の10代の幼い(!)小学校臨時教師が都会に出稼ぎに出た生徒を探しにいく物語で、子供たちの素朴な演技がホロリとさせ、かつての日本映画にも貧しい時代にはこんな作品あったよなぁ・・・と思わず感慨にふけってしまった。

もう一本のオススメがニコラス・ケイジ主演の「ノウイング」
現実世界ベースに、あり得ぬ超常現象やSF要素等の非日常性ふくんだ作品が我輩の好みで、実在するといわれるモスマン(蛾人間)を描いたリチャード・ギアの「プロフェシー」、実在したはずの亡き息子の痕跡がなぜか抹消されている世界を描いたジュリアン・ムーアの「フォーガットン」などと同じく、本作は50年前に埋められたタイムカプセルから50年前以降の大惨事すべて記録されたメモがでてくる、というあり得ない謎を追う物語。我輩、現実逃避癖あるゆえこういうテーマに惚れやすいのかも。

☆なんだかなぁ・・・

デイズニーの「ジャングル・ブック」は主演の少年以外は背景ふくめすべてがCGと知りホントに驚愕。「白鯨との闘い」と共に場面ごとにそちらに(CGか否かの)意識がいってしまい、観終わって「なんだかなぁ・・・」

☆「映画?原作?どちらが面白い?」

「グラスホッパー」瀧本智行監督×/伊坂幸太郎原作×
「クリーピー 偽りの隣人」黒沢清○/前川裕△
(ただし映画オンリーだと意味不明点あり?)
「白鯨との闘い」ロン・ハワード○/ナサニエル・フィルブリック◎
(飢餓下の漂流中、まず黒人船員が喰われる実態を映画ではぼかしている。実話)

☆「今夜の名言!」

『"裕福"には二通りある。
膨大な金を手にするか、大勢の友人を持つかだ。
両方はあり得ない』
「ハイネケン誘拐の代償」より(実話ゆえ重みのあるセリフ)。

次回は2月初旬掲載です。

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