334「ハンズの正月」

1.12thu//2017

★年賀はがき

年末、東急ハンズの天王寺店で購入した年賀はがきの宛名書き始めると、枚数がまったく足らないことに気づいた。

そういえばここ数年、ほぼ休日ナシで年末ギリギリまでのフル営業のため年賀状したためるヒマもなく、墨丸ホームページでの新年挨拶がそのかわりとなってしまっていた。で、失礼ながら年賀状はいただいた方々への返信ぐらいにしか使用していなかったのだ。
ゆえに墨丸閉店後のホームページ休止状態下の(只今変更作業中)年末、久方ぶりの賀状書き要となったわけで、差し迫った正月に向け総数何枚要るのか定かでないまま作業開始。で、年末の不足事態を招いてしまったのだ。これを不測の事態ともいう。アハハ。

余談:霊長類の行動調査によると、一人の人間が心を通じ合える仲間の数には限りがあって百五十人を超えることはないらしい。年賀状の心のこもったやりとりもそれが上限となるとか。京大霊長類研究所教授正高信男氏の弁。

★メモ帳カバー

新年早々の2日夕刻、ミナミに出たのを機に賀状補充購入のためハンズ心斎橋店に立ち寄った。
さすがこの日ともなると我輩好みのデザイン賀状売り切れ数多く、これはもう仕方のないことで、このときメモ帳三点加えて購入。

墨丸営業中、主に「在庫切れ商品」メモるため常にポケットに収まる使い捨てのメモ帳使っていたのだが、今も忘備録用として身につけるのが習慣となっていて、これが日々使用していると営業時と同様すぐボロボロに。使い切らぬまま廃棄せざる負えないのが常であった。

で、今回はそれを防ぐためにとメモ帳保護できる耐久性あるカバーなどないものかと探してみたのだ。
案外ないものである。
ま、使い捨てゆえ仕方のないことではあろうが、この辺り「目のつけどころがシャープでしょ?」的発想の文具屋が存在しないのも不思議といえば不思議。

ようやく見つけたのが、市販の縦型メモ帳が使える丈夫そうなメモ帳付ビニールカバーのと、名刺、カードが入るポケット付き布製カバーノートの二点。そして単なるメモ帳の計3点を賀状とともに購入した次第。
布製のはポケットサイズのA4ノートはさみこむタイプで、この形式に使える市販メモ帳は100円ショップでもあまりお目にかからぬが我輩としては理想のタイプ。ちなみに「コクヨsystemic」なるモノ。

こうして無駄とも思える二点も買ったのも、年末大掃除で昔のハンズ割引チケットが何枚も出てき、この際それを使えばの割安感あったゆえ・・・ま、いつものことながらこの貧乏くさい根性が問題生み出す原因となるわけで・・・。

★たかがメモ帳ごときで

レジにて札とチケット出し、すると係員レジ打つ手しばし止め珍しそうにチケットみつめつつ「申し訳ございません。このチケットは今はもう使えませんが」「あ、そう。たまたま見つけて。いいですよ、いいですよ」と釣銭受け取ったその一瞬「高いな?」の思いよぎったけれど、チケットの会話がその疑念覆い隠して・・・。

思いの外の出費となり、「今から切手やタバコ、インスタントカメラなどをコンビニで買っても今夜の呑み代まかなえるだろうが、帰りの電車賃足りるんかいな?」と危惧しつつも、さし迫ったこの夜開催の「墨丸OB新年会」会場に急いで向かってるうちその疑念も覆い隠されて・・・。
※カメラは宴会集合写真撮るため。このご時世、売ってませんでした。
新年会メンバーにはこの夜に新年挨拶をと、賀状省略させていただきました。

翌日、部屋の隅に転がる商品入ったハンズロゴ入り袋目にし、昨夜の「高いな?」の疑念、思い出した。
たまたまポケットに残っていたレシートみてみると、我が呑み友M氏など「間違いあるんやぞ。ゆえにわしは必ずレシートチェックする」とのたまい、そんなことに神経使うことを笑い飛ばしていたけれど・・・驚いた、たまにはアイツも的を射たこというんやわ。あの、100円ショップのメモ帳に毛が生えたような体裁の、横8センチ縦12センチほどのちっぽけなメモ帳に、なんと1500円近い金額の記載が?

「え〜、頑丈そうなカバーついてるだけでぇ?えらい高い買い物してしもた。これ見るたびに高いヤツってこれから思い続けるんやろか・・・あ〜あ」と、値段ちゃんと確かめず買ってしまったことにため息ついたしばし後、思い出した。

そのタイプ、色んなサイズあり、我輩ポケットにすんなり入るいちばん小さなのを手に取って、その際商品棚の値札を確かにみたのだった。
記憶たどると確か400円ほどだったはず?
値札なく価格不明だったのはあの布製の方で、レシートみるとこれは予想適正価格。では、我輩に落ち度はない?
とはいっても、真偽確かめにハンズに赴くとしても、いくら我輩浪人中でヒマであろうとたかがメモ帳ごときで我がKN市からハンズまで往復交通費2千円余りも要し・・・試しにハンズに電話してみた。

さすが正月の3日、電話たらい回しにされたあげく元の交換台に戻り「売り場混雑のためとりあえず当方で用件承ります」と。
で後刻、文具売り場より返答の電話。
忙しいのに愛想よく「申し訳ございません。売り場の表示が間違っておりまして、そのレシート金額が正しく・・・」「え、このちっぽけなメモ帳が?!」「はい、一応輸入品なもので。返品交換ご希望ならば・・・」

クレームで値札間違い発覚ということはいままで何人が気づかず買ってるんだろ?
いや、こんなもの誰も買ってなかったから未発覚?
輸入品?わざわざ輸入するほどの商品でもないだろうに?
でも輸入品でしかこのたぐいの商品がないというのも考えればニッポンもハンズも「なんだかなぁ」
我輩はもちろん受け取りにやってきたクロネコヤマト宅急便にて、返品。
されども手元にはあの補充用のメモ帳をこれから見つけ続けねばならぬ布製のが残り・・・これも元の木阿弥というんだろうか?

★が・・・

数日後、長年使い捨てメモ帳使ってきて、今ごろ我輩「カバー」を発想するもんだろうか?と気づいた。
そして、一昨年発病までの8年間もの店での一人暮らしで失念していたけれど、その暮らしの前に「カバー」を入手した記憶がかすかに蘇ったのだ。

ある日突然店での暮らし始まり、帰宅は正月のみという生活後のいま、自宅での我輩の痕跡大部分が、そう2、3台はあったはずのビデオデッキや付随する大量のビデオテープ(中には若かりし頃、取材でテレビ出演した記録映像も)、スーツやコート等などふくめ私物が大量に消え去っていたのだが(リ・フジンに確認をと考えると、現実突きつけられるのが恐ろしすぎて)、もちろんそんな「カバー」など、いまの身辺にはもう見当たらぬのだった・・・。

★「今夜の名言!」

のっぴきならない危機から逃げることは、人間として当然だろうし、臆病であってもさしつかえないと思う。しかし、五十歩逃げればいいところを、百歩逃げた者は、やはりその逃げすぎた五十歩の距離を身にしみて感じるもので、五十歩と百歩は決して同じではない。(中略)その逃げすぎた五十歩の距離、五十歩の後ろめたさが、ぼくを焼跡闇市に、しばりつけている。
「野坂昭如のウソとマコト(中)」産経新聞1/11より。
(青春時代、周囲は野坂派か五木寛之派に別れていた。我輩は人の弱さ、醜さをおもしろおかしくも悲しく描く、もちろん野坂派だった)

「ミナミの正月」につづく。

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