348「今夜の本!」(でっちあげ)march/2017

4.04tue//2017

ガジュ丸評価基準。
5〜4が「秀作以上ライン」(5は「ぜひ!」的作品)、3.5は「損ナシの佳作」、3は「普通」、2〜1は「駄作ライン」
NF=ノンフィクション。※=再読作品。

★「今夜の本!」

01.「湿地」アーナルデュル・インドリダソン/東京創元社/3.5 ミステリマガジン ベスト1etc.
02.「エイリアン 虚空の影」ティム・レボン/竹書房文庫/2.0
03.「拾った女」チャールズ・ウィルフォード/扶桑社ミステリー/3.5 IN・POCKET ベスト1etc.
04.「でっちあげ『福岡殺人教師』事件の真相」NF/福田ますみ/新潮文庫/5.0 新潮ドキュメント賞
05.「暗殺者グレイマン」マーク・グリーニー/ハヤカワ文庫/3.5 最優秀スリラー賞最終候補ノミネート
06.「KIZU 傷」ギリアン・フリン/ハヤカワ文庫/3.5 英国推理作家協会賞etc.
07.「左手に告げるなかれ」渡辺容子/講談社文庫/4.0 江戸川乱歩賞
08.「妻の沈黙」A・S・A・ハリスン/ハヤカワ文庫/3.5
09.「天国でまた会おう」上下/ピエール・ルメートル/ハヤカワ文庫/4.0 ゴンクール文学賞etc.

★「断念!本」

「HHhHプラハ1942年 」ローラン・ビネ/東京創元社
「戦場のレクイエム」ウイリアム・ウッドラフ/原書房

今月から始まる、シリーズ「断念!」(断念=残念?)
本や映画の読んだり観たりを中断してしまった作品欄です。
例えば今月は二作とも名だたる賞の受賞作。なのに面白さ分からず途中で放棄。これって我輩バカなのかしらんとも思わせられ・・・。
今後「いや、アレは傑作でした!」というご意見あればお寄せ頂きたし。

注:例えば第2次大戦下のアンツィオ上陸作戦テーマの「戦場のレクイエム」の一節、ドイツ兵の死体を目にした連合軍兵士が「そのポケットと背嚢に詰めてやらなければならない物は、全部なくなっていた」なんて前後の文からも全く意味不明?「ねばならない物」っていったいナニ?両作とも図書館本なのが救い。

★「宇宙では、あなたの悲鳴は誰にも聞こえない」

このキャッチコピーの傑作SF映画「エイリアン」の、ノベライゼーションではない小説があるなんて!「エイリアン 虚空の影」だ。
宇宙貨物船ノストロモ号から脱出したヒロイン、リプリーが救命艇で仮死状態下57年間もの間宇宙をさまよい、ようやく救助されてからの展開が続編映画「エイリアン2」。その漂流期間に着目したのが本書。

脱出37年目に宇宙空間でエイリアンに遭遇していた、なんて筋書きはエイリアンファンならば必読でしょ?だけど多分駄作だろうの予想的中。冗漫過ぎ。
が、じゃぁ「2」にはどう繋がる?とか地下1マイルの深さに埋まった異星人の巨大宇宙船なんて設定には興味津々。で「映画化作品で観たし!」に。が、シガニー・ウィーバーはもう齢だし、エイリアン造形デザイナーのギーガー氏も亡くなって・・・CGがあるか?

★眠れず!

眠りにつくまで・・・と手にとり、結局「いかなる天誅下されるのか?!」と、夜明けまで夢中に。
久方の徹夜本。試しに書店で「序章」だけでも立ち読みしてみて、ホラー小説の如き傑作ノンフィクション「でっちあげ」を。

★期待のシリーズ本・・・

何年も前に週刊誌書評で絶賛され、書店にはそのシリーズ本あるものの絶賛処女作だけ見当たらず気になっていた「暗殺者グレイマン」、図書館で発見。
CIA出身の孤高の暗殺者が第三国の数々の情報機関に命を狙われるこの展開は・・・ロバート・ラドラム原作の映画「ボーン・アイデンティティ」みたいやん?
飽きずに読めるも続編に対しては、「処女作以上の難局なんてもうマンガの域やん?」と、図書館でタダで読めてよかったクラスの本。
この系統で未読の期待作はグレッグ・ルッカやマーク・A・スミスの各シリーズがあるんだけど、急に意欲がなくなって・・・。

★共にギリアン・フリンだけど

秀作「ゴーン・ガール」作者の処女作「KIZU 傷」は、故郷の田舎町での少女殺害事件の取材に訪れたトラウマを抱えたヒロインが、長年離れていた家族の暗部にも直面し・・・冗漫本で終わるかと思いきや、最終章の意外で哀しき展開で点数アップ。
反面、「ゴーン・ガール」が「動」とすれば「静」なる展開と評されるハリスンの「妻の沈黙」は「ゴーン」同様、破滅に向かう夫婦の状況が交互に描かれ飽きさせないけれど、終章は半ページ読み飛ばしても支障なしほど無駄と思える描写ありで点数ダウン。

★ミステリーでなくっても・・・

不倫がもとでエリート社員の座を追われ、万引き犯を捕捉するスーパーの保安士となった女が主人公。そして彼女を取り巻く人間模様に冒頭から引き込まれ、「殺人事件なんてもうどうでもええやん」なんて気持ちにさせられるほど濃密な展開なのが、渡辺容子さん作品の「左手に告げるなかれ」
でも事件が連続殺人に発展する必然性感じられぬ点がマイナスに。

★久方のルメートル・・・

「その女アレックス」は評判だったけれど、我輩は残酷すぎる感ありで低評価に。ゆえに以後の作品には触手伸びず。が「天国でまた会おう」は、第一次大戦終結四日前の激戦で奇跡的に助かった二人のフランス軍兵士の流転の運命はいかに!と、つい傑作「ケインとアベル」(J・アーチャー)を連想してしまったほど。けれど、優柔不断で気弱な主人公らしくない人物への共感度が低くてのマイナス評価。

★3月の推薦作!

「でっちあげ『福岡殺人教師』事件の真相」!

「今夜の本!」march/2017 完

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