383「今夜の映画!」10/2017のベストは?

11.7.tue/2017

ガジュ丸評価基準。
5〜4が「秀作以上ライン」、3.5は「佳作」、3は「普通」、2〜1は「駄作ライン」。NF=ノンフィクション。※=再観作品。

★「今夜の映画!」

01.「エイリアン:コヴェナント」2017/アメリカ/監督リドリー・スコット/3.5
02.「キャビン・フィーバー リブート」2016/アメリカ/トラヴィス・Z/3.0
03.「モーガン プロトタイプL−9」2016/アメリカ/ルーク・スコット/3.0
04.「ロスト・イン・トランスレーション」2003/アメリカ/ソフィア・コッポラ/出演ビル・マーレイ/2.0
05.「サバイバーズ」2012/トルコ/アルベール・カグラム/3.0
06.「誘拐報道」1982/日本/伊藤俊也/萩原健一/4.0
05.「浪速の恋の寅次郎」1961/日本/山田洋次/松坂慶子/3.5
06.「インベイダー」2013/アメリカ/デイブ・フローレンス/1.0
07.「88ミニッツ」2007/アメリカ/ジョン・アヴネット/アル・パチーノ/3.5
08.「私を忘れないで」2016/韓国/イ・ユンジョン/2.0
09.「ワイルドアパッチ」1972/アメリカ/ロバート・アルドリッチ/バート・ランカスター/3.5 ※
10.「ペイ・ザ・ゴースト ハロウィンの生贄」2016/カナダ/ウーリー・エデル/ニコラス・ケイジ/3.0
11.「われらが背きし者」2016/イギリスetc/スザンナ・ホワイト/ユアン・マクレガー/3.5
12.「ライク・ア・キラー 妻を殺したかった男」2016/アメリカ/アンディ・ゴダード/パトリック・ウイルソン/3.0
13.「pandemic パンデミック」2017/アメリカ/ジョン・スーツ/2.0
14.「スタンドオフ」2016/カナダ/アレン・アレカ/4.0
15.「ディープブルー・ライジング」2016/アメリカ/エミール・エドウィン・スミス/2.0
16.「ラスト・スペースシップ」2017/イギリス/サイモン・フィリップス/1.0
17.「ミッドナイト・スペシャル」2016/アメリカ/ジェフ・ニコルズ/2.0
18.「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」2016/日本/三木孝浩/福士蒼汰/1.0
19.「VRミッション:25」2006/イギリス/チャールズ・パーカー/3.0
20.「ジャック・リーチャー never go back」2016/アメリカ/エドワード・ズウィク/トム・クルーズ/3.0
21.「名もなき復讐」2015/韓国/アン・ヨンフ/3.0
22.「奴隷の島、消えた人々 」2016/韓国/イ・ジスン/3.0
23.「ザ・ウォーカー」2010/アメリカ/アレン・ヒューズ/3.5 ※
24.「ゲームの鉄則」1939/フランス/ジャン・ルノワール/2.0
25.「アイヒマン・ショー/歴史を映した男たち」2014/イギリス/ポール・アンドリュー・ウイリアムズ/3.5
26.「アンドリューNDR114」1999/アメリカ/クリス・コロンバス/ロビン・ウィリアムス/3.5

★「断念!映画」
「面白くなさそう」と中断してしまった、「断念=残念」映画は?

「セクター1」2015/カナダ/エリック・ビーティ
「バウンティー・キラー」2013/アメリカ/ヘンリー・セイン
「スタートレック beyondo」2016/アメリカ/ジャスティン・リン

★「映画vs原作」
映像作品もしくは原作の、どちらが「優」?

アンディ・ゴダード監督「ライク・ア・キラー 妻を殺したかった男」△ vs パトリシア・ハイスミス原作「妻を殺したかった男」○

険悪な仲の妻がたまたま殺害され、夫は警察にアリバイを問われる。が、そこでつかなくともよい嘘を重ね疑われてしまう点が首を傾げざる負えないほど必然性なしの映画の描写。その点のぞけば高得点かも・・・。
著者の「太陽がいっぱい」とともにの代表作「見知らぬ乗客」の新訳版が出ている。列車でたまたま同席となった見知らぬ男に妻の交換殺人を持ちかけれて・・・ヒッチコックが映画化した傑作スリラー小説ですぞ。オススメ。

★「寸評!」

リドリー・スコットは続編を作らない監督として知られていたとか。知らなかった。思えばそうだ。ゆえに歴史的傑作「エイリアン」(1979年)前日譚を今回演出というので大いに期待の「エイリアン:コヴェナント」を観る。
・・・前作「プロメテウス」の10年後の世界でもある。が、「宇宙ではあなたの悲鳴は誰にも聞こえない」のキャッチコピーそのものの「エイリアン」衝撃再びならずの感。新作キャッチコピーも「絶望の、産声」なんて・・・ま、今月の『断念!映画』の「スタートレック beyondo」のぬいぐるみのような異星人を見せられるよりははるかにマシ。でも「プロメテウス」「コヴェナント」に続く三部作完成となれば観るだろう。全作通しても再度観るだろう。

奇しくも、そのリドリー・スコット監督の息子ルーク・スコット監督「モーガン プロトタイプL−9」と、奇しくも同じアンドロイドテーマの「アンドリューNDR114」を観た。
・・・こんな良品見逃していたかと、さすが熟練監督の”血”に対し、”情”の「アンドリュー」に軍配。

米国での映画賞総なめというけれど、ナニがいいのか凡人には最後まで・・・が、ビル・マーレイ演ずるサントリーCM撮影に来日した俳優の東京での日々を描く「ロスト・イン・トランスレーション」。傑作中の傑作といわれる30年代製作の「ゲームの鉄則」も・・・。

殺人現場を目撃してしまった少女。追う殺し屋。少女が逃げ込んだのは原野の一軒家。そこで孤独に暮らす男と殺し屋との死闘が描かれるのが「スタンドオフ」
旅行中のイギリス人夫婦がモロッコでロシア人の男と意気投合。が、その男はイギリスに亡命希望のロシアン・マフィアだった「われらが背きし者」
共に一般人が巻き込まれるサスペンス。こういう展開が小説とともに好みだ。

★10月の推薦作!

先月推薦作の「シャイン」(1995)や今月の「アンドリューNDR114」(1999)は、我輩脱サラ自営業生活中ゆえ見逃していたのは仕方ないとしても、この傑作を観ていなかったとはの「誘拐報道」(1982)が今月の推薦作。

読売新聞社が取材した宝塚市学童誘拐事件原作をベースに、その誘拐劇が息詰まるタッチで描かれている。
喫茶店経営に失敗し、生活が追い詰められて犯行に及ぶ誘拐犯・萩原健一、その妻・小柳ルミ子ともに日本アカデミー賞受賞がうなづける迫真の演技。
特に終盤、犯人が男児の家族に身代金交渉の電話をかけるも、すでに持ち金も尽き公衆電話の小銭さえもなく「もう10円玉がねぇんだよぉ!」と受話器に叫び焦るシーンなどは秀逸。犯人そしてその家族の行く末さえもが気になるほどの心に残る作品(ま、傑作でなくともこの”心に残る”ような作品は我が高評価に)。モントリオール世界映画祭審査員賞受賞。

「今夜の映画!」10/2017 完

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