441「お・し・ご・と」おかま篇

12.13.thu/2018

(12/4伝言板の続き・・・)

早朝いまだ薄暗き私鉄地元駅。
疲労と寒気で丸まった背筋のばして見上げたバス時刻表・・・「??」

★時刻表

その前日、12月7日金曜夜のこと。
この日は夜10時オープンの、大阪住吉区我孫子のとある新店舗での初仕事。
さぁ何時に自宅出ようかと、住まいの町から私鉄駅に向かう手元のバス時刻表みてみると、「え、最終午後7時26分?早すぎるやんッ」

仕方なく早々に我孫子に降り立つハメに。
マクドで時間潰そうか。でもそこは長蛇の注文の列。
マクドあきらめ喫茶店巡れどもその時間、すでに全店閉店。かつての墨丸は深夜喫茶でもあったゆえこんなときには役立ったろうに・・・。
さらに仕方なく、行きつけの居酒屋「キッチンはなこ」でコップ酒1杯のつもりがつい2杯・・・。

コレがいけなかった。
まともな食事摂らずでの酒のせいか、なまった体での立ち仕事のせいかの深夜すぎ、気づくと仕事場「おかまBAR かま茶屋」のソファに寝かされていた。心配そうに我輩見下ろしているのは、「彼女」「彼」たち・・・。
カウンター内で我輩膝から崩れ落ち、数秒ほど気絶してしまっていたらしい。お客帰られたとたん貧血で。
三年前の入院中、おなじく味覚障害で食事喉通らずの日々原因で倒れたのも貧血。高校下宿時代、食費を映画代につぎ込んだせいで、しょっちゅう貧血。あの、す〜っと意識遠のく感覚が、我輩なぜか好きだったけど・・・。

そんな恥ずかしい思いの仕事終えた土曜早朝まだ暗き午前5時。
この日は今年はじめての寒波襲来、だった。
うかつにも春上衣のままでの外出。
居酒屋「なじみ」で休憩するはずがあまりの寒さに立ち寄る気力なく・・・ガタガタ震えながらたどり着いた地下鉄駅時刻表みてみると、始発までなんと30分以上もプラットホームで震え続けることに・・・。

そしてこうしてようやくたどり着いた冒頭の私鉄地元駅。
バス時刻表見上げて、「俺の目はどうかしているのか?」
こんどはなんと、住まいの町に戻る始発バス「午前9時56分発」!

★行けず、帰れず・・・

冷蔵庫の我孫子よりも冷凍庫のような、酷寒のいまだ薄暗き山の中の私鉄地元駅から「俺は帰れんのかよ〜」
ようやくみつけたタクシーに、躊躇することなくこれは乗り込んだ。
「運転手さん、この方面のバスってまだ走ってないんですか?」
「さぁ、分かりかねます」
そうか、このタクシー、私鉄系統のタクシーじゃなく第一交通だった・・・。

この日の出勤時、私鉄駅でバス時刻表再確認。
やはり住まいの町に向かう帰りの始発は9時56分だった。
もちろん駅に向かう早朝通勤バスはある・・・だからこれはナニかの間違いだ。印刷文字が消えてしまってるんだ。他の町への始発は始発らしい時刻でちゃんとあるもの。

日曜日、南海バス営業所に電話で問い合わせてみた。
しばし待たされ、「こんな質問多いやろ、すぐ答えられるやろ」と思い始めた頃、「お問い合わせの通り、その時刻が始発となります」
「苦情とかないんですか」
「いまのところは・・・ご不便おかけします」
わが町には夜勤労働者は我輩ただひとりなのか?そんなにもわが町は寂れているのか?・・・確かに、寂れてる。

この夜は午前4時半仕事終了。
地下鉄始発まで一時間以上もある。ゆえに居酒屋「なじみ」へ。
こんな時間なのにカウンター満席。
女将さん「奥にMちゃん来てはるよ」
行きつけの「ちりとりダイニングさかもと」のMちゃんに席詰めてもらい、酒と鶏生肝、チキンライス注文。
出てきたのはチキンライスじゃなく、オムライスだった・・・この時刻、半分寝ている女将さん、注文よく聞き間違える。でも出されたものを黙っていただくのにも、もう慣れた・・・。

★で・・・

週末だけの勤務にしてもらっていたものの、これではこの「お・し・ご・と」ムリではないか。
ともに働く良き「おかまさんたち」ゆめさん、かなさん、「おなべさん」かずさんへのカクテル指導が我輩の務め。
幸い「飲み放題メニュー」用ゆえシェーカー振らぬ簡単カクテルのみ。
ならばと、「彼女」「彼」らのためにA410枚分の指導書半日がかりで書き上げた。
コレさえあれば我輩いずとも、いかなる素人さんでもカクテルらしきモノは作れるだろう。

オーナーに連絡。
「カクテルのレシピ作りました。お渡ししたいんですが」
「え、週末の仕事は?」
「交通手段がないことが分かりました」
「オープン23時に変更したんですけど」
よけい悪いわ・・・。
明日14日金曜、オーナーと打ち合わせである。

※2月7日、オーナーより「オープン21時半からにしました」と連絡あり。こらなら飲みには行けるかも?

「お・し・ご・と」おかま篇 完

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