502「今夜の映画!」(9/2020のベストは?)

10.1.fri/2020

★「今夜の映画!」

ガジュ丸評価基準。
5「傑作!」 4「秀作」 3.5「佳作」 3「普通作」 2「不満作」 1「駄作?」
NF=ノンフィクション系 ※=再観作品 ?=ようワカラン 

01.「東京喰種 トーキョーグール」2017/日本/3.5
02.「東京喰種 トーキョーグール[S]」2019/日本/3.0
03.「スパイダーマン3」2007/アメリカ/3.5
04.「ハンガー・ゲーム2」2013/アメリカ/3.5
05.「ハンガー・ゲーム FINAL:レジスタンス」2014/アメリカ/3.5
06.「ハンガー・ゲーム FINAL:レボリューション」2015/アメリカ/3.5
07.「バーバラと心の巨人」2017/アメリカ/?
08.「みんなのいえ」2001/日本/3.5
09.「アマンダと僕」2018/フランス/3.0
10.「人魚の眠る家」2018/日本/3.5
11.「黄金」1948/アメリカ/監:ジョン・ヒューストン 出:ハンフリー・ボガート/4.0
12.「デンジャラス・ラン」2012/アメリカ/監:ダニエル・エスピノーザ 出:デンゼル・ワシントン/4.0
13.「コレクター」2012/アメリカ/3.0
14.「上田慎一郎ショートムービーコレクションPart1」2011〜2015/日本/3.0
15.「上田慎一郎ショートムービーコレクションPart2」2014〜2018/日本/3.0
16.「その女諜報員アレックス」2015/アメリカetc/3.0
17.「ブレイブ・ロード 名もなき英雄」2017/トルコ/3.0
18.「オーバードライブ」2013/アメリカ/3.5
19.「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」2018/日本/3.5
20.「パピヨン」2017/アメリカ/3.5
21.「メメント」2000/アメリカ/?
22.「聖女 MadSister」2019/韓国/3.5
23.「氷の微笑2」2006/アメリカ/3.0
24.「ドクター・スリープ」2019/アメリカ/2.0
25.「キューブリックに愛された男」NF/2016/イタリア/3.5
26.「キューブリックに魅せられた男」NF/2017/アメリカ/3.5
27.「回路」2001/日本/?
28.「荒野にて」2017/イギリス/3.5
29.「アンダーカヴァー」2007/アメリカ/3.5
30.「Z 見えない友達」2019/カナダ/3.5
31.「イソップの思うツボ」2019/日本/3.5
32.「フィードバック」2019/スペインetc/監:ペドロ・C・アロンソ 出:エディ・マーサン/4.0
33.「リンカーン弁護士」2011/アメリカ/3.5
34.「悪魔は見ていた」2019/韓国/3.5
35.「KILLERS キラーズ〜10人の殺し屋たち」2019/アメリカ/3.5
36.「デビルクエスト」2011/アメリカ/3.0
37.「ラスト・パニッシャー」2019/カナダetc/3.0
38.「スパイ・バウンド」2004/フランス/3.0
39.「Q&A」1990/アメリカ/3.5
40.「ナイト・ストーム」2019/アメリカ/3.0
41.「侵入する男」2019/アメリカ/3.5

★「断念!映画」
「面白くなさそう」と中断してしまった、「断念=残念」映画は?

「ダーケスト・マインド」2018/アメリカ
「エンド・オブ・カリフォルニア」2019/アメリカ
「ボディヒート・サーガ 魔性伝説」2017/アメリカ
「火口のふたり」2019/日本
「溺れる女」2017/イタリアetc
「ドライブ・ハード」2014/カナダ
「ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ」2017/アメリカ
「長いお別れ」2019/日本
「僕たちのラストステージ」2018/イギリスetc

★「寸評!」

「コレクター」という題名の洋画が何作かある。その最初の作品は1965年の名匠ウイリアム・ワイラー監督、テレンス・スタンプ主演作ではないか。以降の「コレクター」はグロな猟奇殺人劇で、今回観た2012年版「コレクター」もそう(この作品は邦題が「コレクター」。原題はFACTORY)。
ワイラー作は、一人の女性に恋した孤独な青年がその女を拉致しての倒錯愛を描いたサスペンス映画の傑作だった。続くスタンプ主演作、1968年の西部劇「血と怒りの河」では、メキシコの山賊に育てられた白人の目がブルーゆえ現地語で「青」を意味する「アズール」と呼ばれる孤独な青年の愛と死を描いていた。以来、その孤独感漂よわせる演技のテレンス・スタンプのファンに。
※同タイプの俳優スコット・ウイルソンも1971年「傷だらけの挽歌」以来のファン。原作までも読んだものだ。

2017年版「パピヨン」は、1973年のスティーブ・マックィーン、ダスティン・ホフマン共演の、フランスの監獄「悪魔島」からの実録脱獄劇の大作「パピヨン」のリメイク作。前作のラストシーン、マックイーンの老け顔メーキャップが漫画チックに見え、それまでの高揚感が一気に消し飛んだ覚えがある。
当時は監督重視で映画を観ていて、この監督のフランクリン・J・シャフナーという人はご贔屓監督ではなかった。「コレクター」「パピヨン」ともに原作が手元にあるが未読・・・そろそろ読まなきゃ我輩死んでしまう。

スティーブン・キング原作のホラー映画「シャイニング」の続編「ドクター・スリープ」を観る。
この続編の原作本も未読だ。というより、かつては発売と同時に読んだキング本なのに、近年の長編作は今ひとつで買ってもいない。で、キング作品を今回初めて映画版から観てみることに(キングに関してはたいがい原作のほうが優れている)・・・で、漫画チックだった。

デッキの録画時間余裕なくなり、「断念!映画」に入れてしまおうかと観始め、結局立て続けにラストまで観てしまった故・スタンリー・キューブリック監督に関するドキュメンタリー映画2本。
キューブリックの専属運転手兼雑用係を30年間務めた男を描く「キューブリックに愛された男」、監督に心酔し、助手として生涯を捧げた元俳優を描いた「キューブリックに魅せられた男」だ。
変人といわれた監督に魅了され、私生活を犠牲にしてまで尽くした男たちの人生をも考えさせられた。このドキュメンタリーで、18世紀の欧州舞台の「バリー・リンドン」(室内をロウソクの灯りだけで撮影し当時の雰囲気を再現)が未見なのに気づいた。その主演だったライアン・オニールがいまだ存命なのも知った(父親をセクハラで訴えた娘のテイタム・オニールはどうしているんだろう)。
キューブリックファンではないけれど(監督作の「シャイニング」ラストシーン、ジャック・ニコルソンの演技がこれまた漫画チックで。原作者のキング自身も不満らしく、後にキングが製作した作品のほうが優れていた覚えが)、キューブリックファンは必見作だろう。我輩のようにファンでなくとも作品の裏話などでまったく退屈しない2本だった。

★「ガジュ丸賞!」

観た映画だと思いこんでいた。
ハンフリー・ボガート演ずる、欲に目がくらんだ卑しい男の表情の記憶アリで。ゆえにボガードが好きでない俳優になってしまった。だから子供の頃に観たんだろう?その表情しか記憶にないのだ。
その今回の映画は1920年代のメキシコ舞台にした、アメリカ人山師たちの「金」をめぐる皮肉な結末を描いたアカデミー賞作品「黄金」。先月の「ガス燈」に続き、またしても40年代の映画が「ガジュ丸賞」とは・・・昨今の映画がふがいないのか、何かが足らんのか。
この「黄金」を今回観ていなければ、孤児となった少年が殺処分の決まった競走馬とともに旅を続ける2017年のアンドリュー・ヘイ監督「荒野にて」が「ガジュ丸賞!」候補か、と思いきや月末、伏兵が。

一本が、2019年のアメリカ映画「侵入する男」(監督デオン・テイラー 主演デニス・クエイド)。
念願のマイホームを購入した夫婦と、その家を売った初老の男が主人公。売却後、男は娘のいるフロリダに引っ越すはずが、売った家の芝を勝手に刈ったり、リフォームに難色を示したりと、なぜか町を離れようとしない。手放した家に異常な執着心を抱いていることに気づき危惧する夫に、妻は「いい人よ」。アホ。痛い目に遭え、はよ目を覚ませバカ女と罵りたくなるのがあいかわらずのこの種の映画手法・・・難点もあるスリラーだけど、傑作「第5惑星」や「セイヴィア」主演のデニス・クエイドが、この映画ではもう老人の役回り。で、時の流れを実感するとともに、彼が珍しく異常者を演じて印象に残り、評価アップ。
最近気になるのだけれど、この映画の夫婦は裕福な黒人。友人の白人の妻は黒人。似たキャスティングのアメリカ映画が目立つ。これは黒人差別を意識したゆえのことなんだろうか・・・。

もう一本が、2019年スペイン、アメリカ合作のペドロ・C・アロンソ監督「フィードバック」だ。
ラジオの人気パーソナリティが「残酷な現実」という番組担当中、男二人が押し入りスタジオ占拠。外部との連絡を遮断される。人質はスタッフ男女の二人。そして男たちの要求は、「番組を続けろ」
そして、ある「残酷な現実」が明らかにされていく・・・で、本作が9月の「ガジュ丸賞!」
※上田慎一郎監督「イソップの思うツボ」と似た復讐劇です。

★「今夜の名言!」

「ドクター・スリープ」で、アル中の主人公へのセリフ

人が酒を飲む
酒が酒を飲む
酒が人を呑む

★「今夜の迷言!」

テレビ番組での竹田恒泰紹介の沈没船ジョーク

アメリカ人に対して船長が
「飛び込んだらヒーローになれますよ」
ロシア人には
「海にウオツカが」
イタリア人には
「美女が」
フランス人には
「飛び込まないでください」
イギリス人には
「紳士は飛び込みますよ」
ドイツ人には
「規則です」
日本人には
「皆さんもう飛び込みましたよ」
韓国人には
「日本人はもう飛び込みましたよ」

「今夜の映画!」(9/2020)完

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