503「コロナ禍のさすらい」

10.15.thu/2020

★月曜のリハビリ

月曜午後はリハビリ兼ねたトレーニング日だ。
この曜日は他の参加者いず、一人っきりでの約一時間、バイシクルなどの運動器具で汗を流す。トレーナー女史と世間話、バカ話しながらの。

この曜日はビル内にあるスーパー特売日でもあり、リハビリはクルマでの無料送迎付きゆえ買い物に便利というのがリハビリ続けてきた理由のひとつ。それで一ヶ月の費用千円あまりと、同じビル内のスポーツクラブより断然お得ということも理由のひとつ。

けれど暖かい時期ともなるとバイクで気兼ねなく通えるわけで、リハビリ通いのありがたみが薄れてきた。
さらに土日の、これまたリハビリ兼ねた肉体労働バイトの翌日にあたり、体動かす気力喪失して欠席することも多くなって・・・かつ、医師から「あなたぐらいの症状ならリハビリ通いなんて必要ない」と言われたにもかかわらず、先の理由ですでに2年も通っての効果のほどはというと、「?」。通う前の自己流リハビリほぼ毎日続けていた頃に比べても、その効果のほどは、「?」。
自己流リハビリプラスαのための運動本三冊も買ったままだし、そろそろ自己流リハビリに戻ろうかとも思い始めている。

★無意識にというのは恐ろしい

そんなリハビリ日の12日。
先週もリハビリ休んだしなぁ・・・と、本日こそはと上衣を羽織った。
羽織ったその瞬間、「あ、タバコは?」
くわえていたはずのタバコが・・・無意識に灰皿で消した?どこかに置いた?上衣着たとき、落とした?
あわてて近辺確かめるも、見当たらぬ。タバコが。
灰皿の吸い殻チェック。どれもこれも冷え切ってる?

で、リハビリ先にメール「少し遅れます」
それから机の下、ベッドの下、布団の上を捜索。火がついたままかもしれぬソレを・・・ない?
火事なんて他人事のように思っていたけれど、他人事ではなくなって怖くなってきた。足元の大地が次第に崩れていくような、晩年人生これで崩壊崩落のような・・・。
で、再度メール「スミマセン、今日も休みます」

それから部屋中隅々掃除機かけたりしての2時間あまり、どこかからくすぶり始めるのを待ち続け・・・。アホやん?アホなんです。

★その後

この日はリハビリ終了後、大阪市内まで出かけるつもりでいた。
で、妄想(だったらイイんだけど)火事かも騒ぎのあと、とりあえず最寄り私鉄駅前に。
でも自宅火の手のイメージ、払拭しきれず。
2時間も煙の匂いもしなかったんだから大丈夫?・・・と、駅構内に。
ああ、でも払拭しきれぬ!引き返そうか?
そこに入ってきた電車につい乗り込み、マスク顔でスマホ手にした奇異な姿の、ずらり並んで座ってるロボットみたいな乗客たち目にすると、こんな時代に青春迎えず、ああ良かったという安堵感が、火事イメージに取って代わってようやく払拭。ああ、単純・・・。

※以前紹介の白石一文の秀作「一瞬の光」より。以下・・・

ところ構わず若者が黙りこくって携帯触りつづけている風潮について康が亜紀にいう。
「僕たちの会社が作っているコンピューターや半導体にとっては水は大敵だろう。車にしても家電商品にしても、金属や化学物質を使用したものは全部そうだし、電気や磁気の類も同じだ。そういった水を嫌うものは基本的には僕たち人間の敵なんだ。一方で植物や動物、土や空気、そして海は人間にとって本質的に善だと思う。だから、水を嫌う製品を産み出す仕事をしている僕らのような人間は、よほど気をつけて仕事を進めないと、人々のためになっているつもりで、実は、人類に害をなすことをやらかしている可能性がある」

★元ダイヤモンドシティ。現イオンモールにて

この日の目的のひとつは、堺北花田イオンモールの紀伊國屋書店で本を探すこと。
地元書店で見かけ、後日購入に訪れるも店頭から消えていた文庫本のため。

その書店で見かけたとある新刊文庫帯にあった関連本の宣伝文句「猛吹雪で孤立した駐車場で起きる、明け方までの絶望的な闘い」という「パーキングエリア」と、その帯の付いた題名忘れた同じく翻訳ものと、題も作者も出版社も覚えていないけれども面白そうな国産もの、合わせて三冊購入のため。
その題不明翻訳ものは、「結末を知れば、元には戻れない、二度読み必至のスリラー」という「もう終わりにしよう。」だった。で、その翻訳もの2冊は見つかったものの、題名見ればわかるはずの国産ものは見つからずじまい。
それから来年のカレンダーやら日記帳など見て回り、久しぶりに宝くじ買って外に出ると陽がとっぷりと暮れていた。

※最近買った新刊本すべて駄作揃い。で、今回二千円余り投資の文庫本評価は如何に?(翻訳ものは割高と今回気づいた)。古本市場なら二十冊は買える今回の金額。それでの二十冊ならばクズがあっても心は無傷なんだけど・・・。

若い頃、自宅の隣に3本立て映画館と喫茶店があれば天国と思っていた。今や古本市場か紀伊國屋か図書館そして居酒屋があれば、なんて夢想しつつのイオンモール彷徨・・・ん?若き頃、この本屋も呑み屋もあるイオンモール隣接の公営団地に我輩住んでいたのだ!が、当時は新日鉄社員団地がイオンモールに変貌するとは夢にも思わず・・・。

★懐かしの我孫子にて

歩き回ったイオンモールから地下鉄ひと駅先の大阪住吉の我孫子まで歩くことに。
で、どうも体の調子がと思ったら、本日菓子パン半分食しただけだった。
空腹感あいかわらずナシの病後の食欲。胃袋でとっくに消化のパン半切れが本日のエネルギー源。ゆえにか、足取り異様に重い。
ようやく大和川にかかる橋渡り終え、近くなのでかつての墨丸我孫子店跡に寄ってみた。
人づてには聞いてはいたけれど、そこは24時間コインランドリーに変貌。墨丸に続き閉店したという隣のいわくつきのバーはシャッター降ろされたまま。そのあとなにか店ができたんだろうか?

※このいわくつきバーについては面白い話があるんだけど、トラウマ少々ありゆえ癒やされたらお話しよう。

本日の目的のひとつ、「うどんの得正」でカレーライスの夕食を摂ること。
ここは我輩好みの、得正系列店「上等カレー」のカレーだ。
正月明けだったかに来たきりだ。コロナのせいで。
が、定休日・・・。

※カレーといえば、スーパーで売られている伊藤ハムの単品商品「レンジでごちそう 黒カレー」が我輩最近の好み。これとたいして風味変わらずと思える丸大商品「シェフの味 黒カレー」は3袋入りでお得だったんだけど、最近終売してしまったのが残念かつ不思議。

さらに、我孫子商店街の煙草専門店で、最安値タバコのインドネシア製20本入り「FORTE」購入も目的。
貧乏人イジメの昨年に続く10月再値上げで、安価で愛煙のキャメル360円が400円に、フィリップ・モリス380円が400円に。今回値上げでこれらが400円超えたならば禁煙と決めていたんだけれど・・・FORTEはかつて280円ほどだったのに350円に。1カートン購入。

さらなる目的場所、これも正月明け以来となるお気に入りの居酒屋「こちぶ」行。
閉まっていた。
電話してみると無情にも「この電話は現在使われておりません」
ああ、コロナ禍で閉店かよ?

ならばどうしよう、だれか誘うか・・・この近辺での飲み仲間はというと墨丸会員44号ひとりんがいる。
「なにしてんの〜?」とコロナ禍でもたびたびメールくれ・・・でも彼女は月曜は呑みに出られない日・・・と思いついたのが昨年、我輩がカクテル指導でしばし勤めていたバーの「おかま茶屋」
が、その店は我輩辞めてすぐクローズ。一年保たなかったんではないか。あの’彼女’’彼氏’たちはどうしたんだろ?そういえば「こちぶ」の営業も1年ほどだった・・・。
そうだ、「おかま茶屋」その隣に「キッチンはなこ」があるではないか。
ママさんは墨丸長居店時代のお客さんでもある。
そういえば今年になってから訪れていない。

開いていた。
お客はホステス風の方お一人。
ママさん「スミさん」と、名を覚えていてくれた。
ホステスさんがママさんに「この方が遠方から来られるって人?」と。
そうか、我輩のこと、良きにつけ悪しきにつけ話題の一つには挙げられていたんだと、コロナ禍の孤独癒やされる思い・・・。
聞くところによるとホステスさん、かつて我輩行きつけのスナックビルで、名だけは知っていたスナックお勤めの方。そういえばそのサンフラワービルにも2軒、かつて通った店があった。孤独癒やされそうな店が、聞くところによるといまも営業中とのこと。今夜は酔ったので、次回顔を出してみようか。

※「はなこ」でFORTEパッケージ開けると・・・忘れてた。それは直径5ミリ、長さ6センチという数秒で吸い切ってしまうような、吸った気にもならぬ極小サイズ。以前は二百円クラスという最安値の理由かつ我輩の非常食みたいなタバコに過ぎなかった代物。ああ、ソレを1カートも・・・。コレこそ、アホ!

最後の目的。
とんかつ弁当店「ありがた屋」で、今夜の夕食にするお気に入り「ヒレハーフ弁当」閉店間際に購入し、帰宅。
・・・食す時点では完全に冷え切っていた。けれどあの旨味は味わえて、ああ、ありがたや、ありがたや!

「コロナ禍のさすらい」完

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