506「今夜の映画!」(10/2020のベストは?)

11.3.Tue/2020

★「今夜の映画!」

ガジュ丸評価基準。
5「傑作!」4「秀作」3.5「佳作」3「普通作」2「不満作」1「駄作?」
NF=ノンフィクション系 ※=再観 ?=ようワカラン 

01.「チャイルド・プレイ」2019/アメリカ/2.0
02.「ホワイト・ボーイ・リック」2018/アメリカ/2.0
03.「ジョーカー」2019/アメリカ/監:トッド・フィリップス 出:ホアキン・フェニックス/4.0
04.「ガーンジー島の読書会の秘密」2018/フランスetc/監:マイク・ニューエル/4.0
05.「チャーリーズ・エンジェル」2019/アメリカ/3.5
06.「サマー・オブ・84」2018/アメリカetc/3.0
07.「4×4 殺人四駆」2019/アルゼンチンetc/監:マリアノ・コーン/4.0
08.「宮本くんから君へ」2019/日本/3.5
09.「ターミネーター2」1991/アメリカ/監:ジェームズ・キャメロン/4.0 ※
10.「フレンチ・コネクション」1971/アメリカ/3.0 ※
11.「終わった人」2018/日本/3.5
12.「ブレイン・ゲーム」2019/ドイツ/3.5
13.「あなたはまだ帰ってこない」2017/フランスetc/3.0
14.「幼い依頼人」2019/韓国/監:チャン・ギュソン/4.0
15.「僕はイエス様が嫌い」2019/日本/1.0
16.「シグナル100」2020/日本/1.0
17.「凪待ち」2019/日本/監:白石和彌 出:香取慎吾/4.0
18.「慕情」1955/アメリカ/3.0 ※
19.「エンド・オブ・ステイツ」2019/アメリカ/3.5
20.「トゥルー・クライム」1999/アメリカ/監・出:クリント・イーストウッド/4.0
21.「ニコライとアレクサンドラ」1971/イギリスetc/3.5
22.「追想」1956/アメリカ/3.0
23.「工作 黒金星と呼ばれた男」2018/韓国/監:ユン・ジョンピン/4.0
24.「リチャード・ジュエル」2019/アメリカ/監:クリント・イーストウッド/4.0
25.「クワイエットルームにようこそ」2007/日本/1.0
26.「ブルー・ダイヤモンド」2018/カナダetc/2.0

★「断念!映画」
「面白くなさそう」と中断してしまった、「断念=残念」映画は?

「ヘイト・ユー・ギブ」2018/アメリカ
「マグダラのマリア」2018/イギリスetc
「リアル 完全なる首長竜の日」2013/日本
「クレイジー・グッド」2018/アメリカ
「愛欲のセラピー」2019/フランスetc
「屍人荘の殺人」2019/日本
「まく子」2019/日本
「日本黒社会 LEY LINES」1999/日本

白人警官が黒人青年を射殺した事件の実録ドラマ「ヘイト・ユー・ギブ」冒頭、中流とおぼしき家庭の十歳前後の黒人少年が自宅トイレの便座に、笑いながらオシッコかけ回してるシーンが。ソレを観た十代の姉が、これも笑いながら「イタズラしちゃダメよ」。もうそれだけで観る気力喪失したのは「民度」の差。米国がコロナに席巻されるのも当たり前か。

★「期待作!」

観たい観たいと思いつつ、長年その機会がなかった「追想」が今回の期待作。
この題名の作品で秀作が他にある。
それは1975年のフランス映画。ナチ親衛隊に妻と娘を惨殺され、幸せな生活を一変させられたフランス人中年医師(フィリップ・ノワレ)が、内部熟知した古城の隠し部屋等利用し、城に進駐のドイツ軍兵士を次々と殺害する復讐劇。アラン・ドロンの名作「冒険者たち」のロベール・アンリコ監督作。

が、今回の期待作は、1956年のアメリカ映画。アナトール・リトヴァク監督の「追想」
ロシア革命で惨殺されたロシア最後の皇帝一家。が、アナスタシア皇女(イングリット・バーグマン)ただ一人生き残ったという噂のもと、フランスに亡命中のロシア将軍たちが皇女を探し出すという物語。
かつて、生存説についてのノンフィクション本購入した覚えあり、ブライアン・ガーフィールドの小説「ロマノフ家の黄金」を夢中で読みふけったこともあり・・・その映画作品がついにNHKで!で、録画。

奇しくも、1971年のフランクリン・J・シャフナー監督「ニコライとアレクサンドラ」も放映。
1904年8月12日のアレクセイ皇太子誕生から1918年7月17日のロマノフ家の処刑までを描いた、英米合作の上映時間3時間超す大作。まずは歴史的事件の詳細知ってからと本作を事前に観て・・・アレクセイが血友病だったことを初めて知るとともに、怪僧ラスプーチンの暗躍(演じるトム・ベイカーって人は印象的)、皇帝一族の豪華絢爛たる私生活に比べての民衆の悲惨な貧困、そしてボルシェビキの台頭と、長時間飽きずに観れたことは確か(というか、このあたりの歴史への疎さで)。が、前回紹介の「パピヨン」監督であるシャフナーは好きでない作品多く、本作ももっと観せる内容にできたのではとの思い。

で、本命「追想」のラスト、将軍(ユル・ブリンナー)とアナスタシアが恋におちていたとかで、二人して姿くらませジ・エンド。「え、ふたりはそんな雰囲気やったかぁ?!」と、我輩、あ然。
この半世紀の、我輩の本作にこがれる想いはなんだったのか。でも「追想」きっかけで、「ニコライとアレクサンドラ」によって歴史の一端垣間見れたのは収穫・・・。

★「寸評!」

11月に入って思い浮かぶのは、残念ながら韓国映画の2本。
(残念ながらというのは差別意識からではなく、反日主義に対しての反発ゆえ)。

一本は、2019年公開「幼い依頼人」
実の弟を殴り殺したという事件で裁判にかけられるわずか10歳の少女。当初、まとわりつく姉弟を疎ましく思っていた福祉施設の青年職員が、その真実を求めて少女の弁護を引き受けることになる。韓国では2017年で34169件の児童虐待傷害事件があり、加害者の5人に4人は父母という。そんな世相の実録サスペンス。

もう一本が、2018年公開「工作 黒金星と呼ばれた男」
1992年、韓国軍人の男は工作員として北朝鮮に潜入。核開発の実態を探ろうとする。実業家を名乗り北朝鮮高官に取り入り、ついには金正日面会までこぎつけるのだが、韓国政権交代であっさり見捨てられ・・・という、これも実録作。
で、両作共に韓国映画の根底にある毎度の如くの異質な残酷さ見せつけられ、また悪印象抱くことに・・・。

反して、いい意味で印象に残る作品は・・・第二次大戦下、ドイツ占領下のイギリス領の島で行われていた読書会に、戦後参加した女性作家が知る戦中の秘密を描いた「ガーンジー島の読書会の秘密」、香取慎吾が救いようがないギャンブル依存症の中年男を演ずる「凪待ち」、クリント・イーストウッドは天才と思わせる「トゥルー・クライム」「リチャード・ジュエル」の両作品。

★「ガジュ丸賞!」

センスのない題名からは想像もしなかった展開の、アルゼンチン、スペイン合作映画の「4×4 殺人四駆」だ。
車上荒らしの男が目をつけた路駐の高級乗用車。盗みを済ませて車外に出ようとすると、ドアが開かない。ウインドウを割って脱出しようとするも、割れない。床下を破って出ようとすると、鉄板で補強されている。通行人に助け求めるも、フロントガラスふくめ外部からは車内がまったく見えない仕様。「このクルマは何なんだ?」の思いが主人公も我輩も(たぶんその他観客も)。
水も食料もなく、エアコンからは熱風や冷風交互に吹き出し日々衰弱させられてゆくなか、突然車内の電話が鳴る・・・イーストウッド作が正統派の秀作とすれば、その異様な状況を印象づけられて異質作で、10月の「ガジュ丸賞!」

★「今夜の名言!」

「”砂漠のような大地を、私は懐かしい顔を求めて歩いた” ラムの詩だ」
「私もずっと懐かしい顔を探していました。なぜそれが皆さんの顔なのか。でも、そうなんです」
「会う前から誰かに絆を感じることが?」
「もちろんあるわ。私がそんな絆を感じるのは、あなた達です。一緒にいて心が安らぐ人達。それは”家族”と同義です」

(「ガーンジー島の読書会の秘密」ラスト、女性作家と読書会面々との会話。そして彼女は本土に戻らず、島での生活を選ぶのでした・・・あ〜、墨丸の良き人々思い出してしまった)。

「今夜の映画!」(10/2020)完

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