541「今夜の本!」(12/2021のベストは?)

12.31.金/2021

★「今夜の本!」

ガジュ丸評価基準。
5「必読!」 4「オススメ!」 3.5「損なし」 3「普通」 2「不満!」 1「駄作?」
NF=ノンフィクション類 ※=再読 ?=ようワカラン

01.「おはん」宇野千代/新潮文庫/4.0
02.「十六夜荘ノート」古内一絵/中公文庫/3.5
03.「犯罪小説集」/谷崎潤一郎/集英社文庫/3.0
04.「雪冤」大門剛明/角川文庫/3.5
05.「禍家」三津田信三/光文社文庫/1.0
06.「武士道残酷物語」短編集/南條範夫/時代小説文庫/3.5 ※
07.「北海道警 悪徳刑事の告白 恥さらし」NF/稲葉圭昭/講談社文庫/3.5

★「ガジュ丸賞!」

月間読了冊数増やそうと、薄手のその文庫選んだにもかかわらず、なんと活字が今に比べると三分の二ほどの小文字かつギッシリ。読み通すには時間かかりそう・・・でも読み始め「な、なに?」・・・旧仮名遣いだった。
ますます「読み通せるんかいな」と思いきや、一晩で読了。
昭和21年から10年もの歳月かけて文芸誌に連載されたという(が「十年前十年後の記述にむらがない。渾然とした一宇宙をなしているのは驚異である」と解説に)「昭和文学の古典的名作」ともいわれる、昭和40年文庫化の宇野千代「おはん」である。
身重の妻おはんを捨て、芸姑おかよと暮らして七年の、それでもおはんを忘れ去ることができぬ優柔不断な男の懺悔録。「近松でも読むような味わい」と解説にあるように、日本独特の因果的世界が展開。恋多き人生の我輩、つい身につまされて、懺悔。

「今夜の本!」(12/2021)完

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