542「今夜の映画!」(12/2021のベストは?)

1.4.火/2022

★「今夜の映画!」

ガジュ丸評価基準。
5「必見!」 4「オススメ!」 3.5「損なし」 3「普通」 2「不満!」 1「駄作?」
NF=ノンフィクション類 ※=再観 ?=ようワカラン

01.「RECON リコン:アメリカ陸軍武装偵察部隊」2019/アメリカ/監:ロバート・デヴィッド・ポート/2.0
02.「リーサル・ストーム」2020/アメリカ/監:マイケル・・ポーリッシュ 出:メル・ギブソン/3.0
03.「レディ・オア・ノット」2019/アメリカ/監:マット・ベティネッリ=オルビン/3.5
04.「お名前はアドルフ?」2018/ドイツ/監:ゼーンケ・ヴォルトマン/3.5
05.「贖罪」2012/日本/監:黒沢清 出:小泉今日子/3.5
06.「イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密」2014/アメリカetc/監:モルテン・ティルドゥ/4.0
07.「バクラウ 地図から消された村」2019/ブラジルetc/監:クレベール・メンドンサ・フィリオ/2.0
08.「ストレイ・ドッグ」2018/アメリカ/監:カリン・クサマ 出:ニコール・キッドマン/3.5
09.「トスカーナの幸せレシピ」2018/イタリアetc/監:フランチェスコ・ファラスキ/3.5
10.「女系家族」1963/日本/監:三隅研次 出:若尾文子 京マチ子 鳳八千代 高田美和 中村鴈治郎 田宮二郎/4.0
11.「エンプティ・マン」2020/アメリカetc/監:デビッド・ブライヤー/?
12.「聖なる犯罪者」2019/ポーランドetc/監:ヤン・コマサ/3.5
13.「シルク」2007/日本etc/監:フランソワ・ジラール 出:役所広司/2.0
14.「ディスクロージャー」1994/アメリカ/監:バリー・レヴィンソン 出:マイケル・ダグラス/4.0
15.「また、あなたとブッククラブで」2018/アメリカ/監:ビル・ホールダーマン 出:J・フォンダ D・キートン C・バーゲン M・スティーンバージェン/2.0
16.「ベター・ウォッチ・アウト クリスマスの侵略者」2016/オーストラリアetc/監:クリス・ベッコーヴァー/3.5
17.「ザ・ハント」2020/アメリカ/監:クレイグ・ソベル/3.0
18.「シチリアーノ 裏切りの美学」2019/イタリアetc/監:マルコ・ベロッキオ/2.0
19.「カイジ 人生逆転ゲーム」2009/日本/監:佐藤東弥 出:藤原竜也/3.5 ※
20.「カイジ2 人生奪回ゲーム」2011/3.5
21.「カイジ ファイナルゲーム」2020/3.5
22.「パニック・マーケット」2012/アメリカ/監:キンブル・レンドール/3.5
23.「アオラレ」2020/アメリカ/監:デリック・ボルテ 出:ラッセル・クロウ/4.0
24.「ザ・スイッチ」2020/アメリカ/監:クリストファー・ランドン/ 3.5
25.「真犯人」2019/韓国/監:コ・ジョンウク/3.0
26.「追われる男」1955/アメリカ/監:ニコラス・レイ 出:ジェームズ・ギャグニー/3.5
27.「鬼談百景」2015/日本/監:中村義洋 白石晃士/2.0
28.「残穢 住んではいけない部屋」2016/日本/監:中村義洋/3.5 ※
29.「ザ・ライフルマン」2019/ラトビア/監:ジンタルス・ドライベルグス/2.0
30.「ビバリウム」2019/ベルギーetc/監:ロルカン・フィネガン/4.0
31.「テレーズ 情欲に溺れて」2013/セルビアetc/監:チャーリー・ストラットン/3.5
32.「ミセス・ノイズィ」2020/日本/監:天野千尋/ 4.0

★「断念!映画」
「面白くなさそう」と中断した、「断念=残念」映画は?

「BUYBUST /バイバスト」2018/フィリピン/監:エリック・マッティ
「失楽園」1997/日本/監:森田芳光
「(500)日のサマー」2009/アメリカ/監:マーク・ウェッブ
「無頼」2020/日本/監:井筒和幸
「進撃の巨人」2015/日本/監:樋口真嗣

★「ガジュ丸賞!」

亡父の遺産めぐる家庭争議描き、日本映画の傑作と称される三隅研次の「女系家族」
今日の映画俳優陣不在に比べ、かつてのそうそうたる演技人による展開に感嘆。年末録画のTV版ドラマ「女系家族」と見比べてみよう。いや、TV版なんて消去しょ。山崎豊子の原作、読みたし。

ドイツではそうなんだ?いや、やはり、との「お名前はアドルフ?」
生まれてくる子供にヒトラーと同じアドルフと名付けると父親が宣言したことから巻き起こる騒動描いたコメディ。思うに、ヒトラーの親類縁者は今もヒトラー姓なんだろうか?

かつての銀幕大女優四人の出演作「また、あなたとブッククラブで」
もうこの世にいないと思っていたジェーン・フォンダ、そしてファンだったキャンデス・バーゲンらが出演。彼女らの昔の面影かすか・・・すぎた。物語の記憶は、もっとかすか・・・。

コミック全巻未読ゆえ「進撃の巨人」実写版三部作を録画。
かつて第一部は観たはず・・・と思いきや、冒頭で知る。セリフ聞き取れなくって途中断念した作品だった・・・で今回も断念作に。バックの効果音、音楽がセリフに重なり余計に聞き取れないことも判明。知人は日本映画を字幕付きで観るというが、製作陣はなんとも思わぬのか。テレビドラマはそんなにヒドくないのに・・・。

で、同様に第一部は観た「カイジ」シリーズ。
生活に行き詰まった若者たちが借金のカタに死のゲームに参加させられるってヤツ。これはスムーズに観れ、かつ満足のシリーズ。「進撃の巨人」同様、日本人の発想力に感嘆。

原作も映画も我輩好みのホラー「残穢」原作者かつ監督作ゆえ「鬼談百景」を観る。
この駄作観てたら翌年製作の「残穢」は観なかったかも。今回「残穢」は再観だけどもやはりホラーの秀作。

面白いけれど、昨今の世の風潮を反映というか、製作者がすでに異常の域なのか、狂気すぎるのが「ベター・ウォッチ・アウト クリスマスの侵略者」
たった12歳の少年が計画した殺戮ドラマだ。予想外の展開で話題となったという点は認めるけれど、ひと昔前には考えられぬ設定。ホラー”コメディ”ってことで救いはあるけれど。いや、それもオカシイか?

それにもましてが「アオラレ」
大物俳優ラッセル・クロウが腹の出た肥満男の加害者を演じ、コレは拾いものかと(当初、クロウと気づかなかったほどの変身ぶり)。ま、”拾いもの”だったけれど、日本でいうクルマトラブル「あおり運転」の、これはまさにその「狂気、異常」版。8月に観た同テーマの「ストーカー 3日目の逆襲」のほうが”安心”して観れる、というのもおかしな世の中。

そんなおかしな風潮のなかで、ご近所騒音トラブル描いた邦画コメディ「ミセス・ノイズィ」は、”救い”あっての良質作!

で、ガジュ丸賞はというと・・・
アラン・チューリング 1954.6.7 自殺 41歳
1885〜1967年までに、英国法により約4万9千人の同性愛男性がわいせつ罪で有罪となった。
2013年、エリザベス女王はチューリングに「死後恩赦」を与え、前例のない彼の偉業を称えた。
エニグマの解読は戦争終結を2年以上早め、1400万人以上の命を救ったと歴史家は見ている。
この偉業は50年以上も政府の機密事項だった・・・という、2014年米英合作ドラマ「イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密」だ。
第二次大戦下での独軍の暗号解読機エニグマめぐるドラマは以前にも観たけれど、それはエニグマその物を独軍から奪取する物語。で、本作はそのエニグマでの暗号解読方法を解明しようとする話。数学者チューリングは(中盤で同性愛者と判明)、膨大な予算要するため軍部の抵抗に遭いつつも、解読するための大掛かりな機械の製作に着手。この機械が今に至るコンピューターの原型なんだとか。歴史の闇から生まれでた真実がようやく21世紀に、というタメにもなる秀作。

が、先月の「ウイッシュ・ルーム」に続き、墨丸好みの異色作が12月の「ガジュ丸賞!」
2019年ベルギー、デンマークetc合作の「ビバリウム」だ。
若夫婦がとある不動産屋を訪れる。一人だけいた店員は、我輩観客からみると異様な雰囲気の男。なんだけど、夫婦は誘われるまま郊外の売出し中の新築住宅街に案内される。その二階家は9号。と、内覧中、店員がいなくなってしまう。戸惑う夫婦は仕方なくクルマで9号をあとにする・・・と、9号の家の前に戻ってきてしまった・・・。すべて同じ緑色と形の家々が立ち並ぶ広大な無人の住宅街から何度も脱出しようとするのだが、たどりつくのは毎回9号の家の前。屋根に登り周囲を見渡すと、地の果てまで同じ家々が立ち並んでいて・・・。
不条理な展開など好みじゃないはずなのに、「ウイッシュ・ルーム」同様、どうしてかこんな映画は好きだ。夜見る夢が好きなせいかもしれない・・・。

「今夜の映画!」(12/2021)完

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