58「雨がしとしと日曜日の夜」

5.6.sun./2007

★韓国映画

日曜かつ雨ゆえ、本日は休み。
当地では週のうち日曜が最もヒマ日。で、バーの部は日曜不定休。
最近の徴候として、月末のぞく雨の日曜に休んでいるか。梅雨時になればそうもいかぬが・・・。

で、この夜はレンタルDVDで韓国映画3本。
「トンマッコルへようこそ」(パク・クァンヒョン監督。05年)
朝鮮戦争時、桃源郷に迷い込んだ韓国軍兵士、人民軍兵士、そして墜落したアメリカ人パイロットたちが争いを知らぬ村人に感化され人間性を取り戻していく・・・。
期待しすぎ。
第三者の好評価(我が妻タヌコの)聞かずにみれば、いく分かは評価高しだったかも。で、評価3/5。

「クライング・フィスト」(リュ・スンワン監督。05年)
かつてはアマチュア銀メダリストのボクサー。いまや事業に失敗し妻にも去られたくたびれ男の40歳。かたや度重なる恐喝暴行で服役中の、負けん気の強さだけがとりえの青年20歳。このふたりがボクシングによって光明みいだし、対決にいたる・・・。
主人公二人のドラマゆえ、彼らがどう巡り会い、そしてその勝敗は?どちらも負けて欲しくないな、と興味津々。が、もうひとひねり欲しいはゼイタクか、の3/5。

「ロスト・メモリーズ」(イ・シミョン監督。01年)
1909年。ハルピン駅での伊藤博文暗殺が未遂に終わっていたら・・・。
2009年、ソウルは京城の名のまま。日米連合軍はベルリンに原爆を投下しての戦勝国。チャン・ドンゴンが日本語をたどたどしく話す捜査官役。相棒は中村トオル。韓国を舞台に、歴史を正常に戻そうとする“反令鮮人”たちとの闘いの物語・・・。
駄作。
設定は面白いのに、派手な銃撃戦のわりに昔の日活アクション映画(主人公に弾がかすりもせぬなど)の古臭さと、もうひとつの歴史誕生の説得力に欠けたもったいない作品。でも韓国アカデミー賞受賞作とか。
この作品、皮肉にもメイキングの方が面白い。劇中多々ある??を解説してくれていて、どうせなら最初から観客が分かるように作ればいいものを。で、2/5。

我輩、こういう歴史的に重要な出来事が史実と異なっていたらという物語(オルタナティブ・ヒストリーというらしい)が好きで、80年代だったかの小説の、ヒットラーが生きていた「追跡者犬鷲」、愛人エバ・ブラウンが生きていた「B−B枢軸極秘ルート」、ふたりとも生きていた「第7の機密」とあるなかで、傑作異色作は“第2次大戦は起こらなかった”(!)という「エリアンダーMの犯罪」(J・ユルスマン。文春文庫)。ケネディが生きていたらという「J・F・ケネディを救え!」(シャピロ。早川文庫)もオススメだ。

5.7.mon.

★ケータイ

携帯電話買い替えた。
液晶画面の液晶漏れで。
ドコモさんによれば我輩のん、4年6ヶ月も使っていたそうな。
受付嬢に、そんなに使ったとは思えないキレイさだといわれた。
ほめられたようなコトはひさしぶり・・・。
番号は前のままです。

この日、タヌコの携帯を休止。
こちらがメインのドコモ訪問だった。
我輩、タヌコに電話しても出ず、メールしても見ず、使い方マスターせぬまま店の経費で基本料金払い続けるのがバカらしくなっての強制休止。
いままでの彼女からの受信メールは買った当初の「タバコ、タバコ、タバコ」のみ。
帰りにタバコ買ってきてくれという切羽詰ったそのときのそれだけ。
いうなればその「タバコ」文言だけのためにいままで基本料金払い続けていたような気がする。
1年あまり持っていた(使っていたでなく)タヌコのそれは、なぜかもうキズだらけだった・・・。

5.8.tue.

★ホテル・ルワンダ

「ホテル・ルワンダ」(テリー・ジョージ監督。04年)をみた。
94年、ルワンダでの多数派フツ族とツチ族の内紛下、首都キガリの四ツ星ホテル「ミル・コリン」の実在の黒人支配人がホテルの避難民を虐殺から守ろうとする感動ドラマ。

こういう作品に傑作という言葉は不謹慎に思え、いうなれば名作といえばよいのか。
ニガー以下といわれるアフリカ黒人の彼らは単なるゴミとみなされ、欧米諸国からいとも簡単に見捨てられ、百万もの人々が虐殺される。中国から輸入した1本1セントのナタが大量に運び込まれ、「ナタではいやだ。銃で殺してくれ」とか、幼女を背負った少女が「ツチをやめるから助けてください」なんてセリフにはこたえる・・・。
そんななか、フツ族の主人公は裏切り者として懸賞金までかけられながら、ツチ族1千余人もの人々のため良心と勇気で彼らを守り抜こうとする。
以前みた「ルワンダ 流血の4月」は、兄がフツ族のラジオ局から「ツチを殺せ」という扇動的なプロパガンダを放送しつづけるなか、ツチの妻を守ろうとする弟を主人公にしたドラマだった。虐殺場面を前面に出さずにその恐怖を描き出した「ホテル・ルワンダ」のほうがより狂気を感じせ、考えさせられての、5/5。
関連作として、オリバー・ストーン製作のボスニア紛争を舞台にした「セイヴィア」もオススメ。

★「今夜の迷言!」

レンタルショップで。
男「こんど『デジャブ』借りといてや」
女「『デジャブ』って意味なに?」
男「既視感」
女「・・・」
男「意味わかったんか?」
女「危機感やろ?分かるがな」
男「既視感って日本語、知らんとおもった・・・」
(この男と女、あえて誰か言うまい・・・)

「雨がしとしと日曜日の夜」完

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