80「機密情報公開」

11.8.thu./2007

★重要な「お知らせ」です。

「今月のニュース!」をごらんください。
補足すると、3日土曜に旧長居店の常連サン13名、千代田店からは某大学のМセンセ参加の、我輩ふくめ15名での「飲み会」が大阪住吉の墨丸会員388号ちかねぇ宅で開催。
前日までに今回のこと決定せねばなりませんでした。
決定ならば、土曜ながらも我輩も「飲み会参加」することにしていました。
で、その場での報告にみなさん、ビックリかつ喜んでくれましたので、さらに決意が固まった次第。

さらに補足すると、午後9時から翌朝8時前まで呑み続けていました。
最後に生き残ってたのは我輩とちかねぇ、やすべぇの女史お二人でしたか。
おかげで翌4日も店を休んでしまいました・・・。
「11月のニュース」抹消後に本文読まれた方に補足。
お知らせとは、「河内長野千代田から大阪住吉への店舗移転」のことです。

上記の件でバタバタし、このページ更新しばらくとぎれていました。
「お知らせ」その後の状況は、随時このページでお知らせいたします。

11.10.sat.

★「今夜の本!」

そのバタバタの間、英国作家ロバート・ゴダード「最後の喝采」(講談社文庫)一気に読了。
一気の反面、86年の傑作デビュー作「千尋の闇」(創元推理文庫)以降の作品とつい比較して、評価は3/5どまりに。
従来のゴダード特有の歴史物でなく、現在の英国を舞台にした落ち目の舞台俳優が手の込んだワナにはまるサスペンス物。ま、いままでの作品が良すぎたわけで。

手元にもう未読本なく(店倉庫の未整理本は別)、最後まで読みきっていない?と再読し、ラストで「あ、読んでた・・・」と判明した本が、以下2冊。

岩井志麻子「ぼっけえ、きょうてえ」(角川文庫)の表題は、岡山の方言で「とても、怖い」。明治の極貧の村で育った女郎が客に語る身の上話は、再読してもコワイ。山本周五郎賞、日本ホラー小説大賞受賞作です。
藤田宣永「虜(とりこ)」(新潮文庫)は、横領で指名手配中の元銀行支店長が逃亡の果てにたどりついたのは、いまや廃屋同然の義理の父の別荘。が、無人のはずのそこに、すでに愛人のいる妻が住んでいて・・・という、ツライ、せつない物語。長塚京三主演映画「笑う蛙」の原作本。
2冊ともに、4/5。

★「今夜の映画!」

童話の白雪姫を題材にした「スノーホワイト」。
美人じゃないシガニー・ウィーバーが女王役なんてミス・キャストじゃないかなど違和感ある展開で、3/5。

田中裕子と岸部一徳の「いつか読書する日」は、子供のころから胸に秘めた恋を中年までもちつづける寡黙な二人の演技が秀逸。
岸部が通勤で乗っている市電と自転車通勤の田中は毎朝他人のごとくすれ違っている。が、ある朝電車の窓越しにはじめて目をあわすシーンなんて、もう一生心に残りそう・・・で、4/5。

意外に面白かった「シャロウ・グレイブ」は、鼻持ちならぬ男女三人が4人目の同居者を募集。「作家」と名乗る男に決めたはいいけれどその男が急死。残されたバッグには大金が。そして・・・というサスペンス。
普通の人間に「魔が差し」、そして自滅してゆくというこのような物語では小説、映画ともに「シンプルプラン」が(墜落した小型飛行機から村人たちがネコババした大金がマフィアの金で・・・)傑作だった。が、この類の話は「自分におきかえて」みれるのでその分サスペンス感が身近にとなる。ありふれた展開だけど、4/5。

で、今回のオススメは中国映画「初恋のきた道」(2000年。チャン・イーモウ監督)。
寒村に町から青年が帰ってくる。教師だった父親が死んだのだ。年老いた母は棺桶にかける布を夜通し織るといってきかない。町の病院から村まで車でなく棺桶をかついで帰るといってきかない。そのかたくなさはなんなんだ?と思っていると、それまでのモノクロ画面がカラーに変わり、両親の出会いの物語が始まる・・・。

その冒頭で、以前このビデオみるのをやめたんだった。
教師役のチャン・ハオの刈り上げ髪型がイヤで。でも今回はガマンしてみなおした。
だって録画した膨大な在庫ビデオテープ、いまどきテープ録画なんて場所とるだけだし新しいテープ買うのもアホらしいと、先日から再録できるよう消去しつつの録画映画をみまくっているのだ。
そのなかに映画「レッドバイオリン」が残っていた。
1600年代に作られた、なぜか赤いバイオリン。現代に至るまでのその持ち主たちの運命を描いたオムニバス作品。冒頭、修道院の孤児達がそのバイオリンを演奏するシーンから、音楽オンチの我輩でも引き込まれたほどの秀作。

で、「初恋のきた道」のお話に戻ると・・・
いやー、よかった。チャン・ハオの髪型はすぐ気にならなくなった。
可憐な少女役の女優はいったい誰?と思っていたら、いまや大女優のチャン・ツィイー。少女のころはこんなに可愛かったのか。その少女が村に赴任してきた若き教師に恋するさまが後姿にまでにじみでていて、おもわず青春時代のほろ苦い恋を思い出してしまっていた。ラスト、年老いた母のかたくなさ、そしてこの映画の題名の意味がわかるのだ・・・。4/5。

★「今夜の名言!」

「初恋のきた道」より。

「父は言っていた。初めて家を訪ねたとき、母が出迎えてくれ、柱にもたれた姿は絵のように美しく、目に焼きついたと」

名言ではないが、このセリフの前に我輩も同様にその姿をみてそう思ったのだ。それほど愛らしかった・・・。
ただ、その恋心がにじみでた姿にある種「女優」の、しいては「女」の空恐ろしさをも感じた(上記小説「虜」の妻、涼子もそうだ)。カメラ目線ゆえだったかもしれぬが、演技でこれほど自然に愛らしくふるまえることが女の恐ろしさをも感じさせたのだ。
また、目の見えぬ祖母と二人暮しのこの少女はなにで生計たててるんだろ?と、気になって、気になって。恋と水汲みの日々でしたもん・・・。

「機密情報公開」完

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