95「脱出!」

4.13.sun./2008

★脱出!

既報の砂ネズミ(洋名ジャーヴィル。呼び名はダミン)購入から約1ヶ月経過。
W38×D25×H23aのゲージで飼っているが、床のおがくずを外に散らかすので、45×30×12のプラスチックケースをコーナンで購入。
そのなかにゲージ入れ、フロア汚れ防止に。で、ふと思いつき、ゲージ出入り口を開放。プラケースの中ででも動き回れるようにしてやった。

その住居セットが次第にエスカレート。
すべりやすいはずのプラケース乗り越えることすぐ覚え、もう一回り大きいケース購入。
でもそれさえも乗り越えて、47×39×34のヒノキの特大ボックスに変更。
「さぁ、自然の香りのなかで存分に遊べよ〜」
でも、屋根伝いに乗り越えるすべ覚え、急遽業務用冷蔵庫の不要ステンレス網棚かぶせることに。

すると昼間、目の隅をなにかが横切って・・・その重いはずの網棚を押し上げて脱出していた。・・・コレは言われていたように、ハムスターより賢い?

でもこの頃には手からの餌付けが完了していたので、おやつの乾燥パインの袋ガサガサいわせながら「ダミン、ごはん、ごはん!」と呼ぶと手元に戻ってき・・・が、警戒心強しゆえ近づくのみ。で、銀盆にそのエサ置き、盆に乗ったところで盆持ち上げ捕まえている。

それで、ステンレス網を鎖で縛り持ち上げられないようにし、昼間、店のフロアで自由に遊ばせたりもし始めた。そうして今朝のこと・・・朝風呂から帰り、酔ってもいたので朝からフロアに出してやって、そのまま我輩熟睡・・・。

すると耳元でガサゴソ・・・。
この13坪余りの店内片隅のソファベッドに横たわる我輩みつけ、寝袋のなかにもぐりこんでいたのだ。かわいい〜、ではないか。ダミンはちなみにメス。

でも学習能力ってのは恐ろしいものでこの日の夕方、「ごはん!」といっても姿もみせず。う〜む、ごはん=ワナ、やからかなぁ。
走り回る音もなく、これは屋外脱出かも、とあきらめかけての開店後(客席に現われたら単なるネズミと思われるやろ・・・)と、目の隅を横切る姿。
「おった〜!」
でもそれから数十分、呼べども叫べども近寄っても来ず。
が、好物のミカンでつってようやく確保。

たぶんフロアに落ちているピーナッツや麦チョコをたらふく食べていたのだろう(掃除中、いつもと違いそれらひとかけらもなく)、で今夜は通常食、全然口にしていない・・・。
ゲージの中だけで飼っていればよかったものの・・・姫は当分監禁することにした。

4.14.mon.

★新・脱出!

今夜は休み予定の第二月曜。が、用もないのでオープン。
客待ちの間に、スラヴォミール・ラウイッツの手記「脱出記」(原題「ロングウォーク」。ヴィレッジブックス)読む。
副題は「シベリヤからインドまで歩いた男たち」。
一読「すごいなぁ」

第2次大戦中、ポーランドの一将校が無実の罪でソ連当局に逮捕。北極圏に近い強制収容所での25年間強制労働の判決が下される。
信じられないことに、シベリヤ鉄道の終着駅からなんと、日本の九州南端から北海道北端くらいの距離を極寒のなか徒歩で、それも鎖につながれ雪の原野で野宿しつつ収容所に送り込まれるのだ。その間、5千人の服役囚の内10〜15%が亡くなったというが・・・ホンマかよ?
そしてさらに、その収容所から仲間と共に徒歩でインドまで(!)の脱出行が描かれていく。ゴビ砂漠の存在知らず、食料も水もなしにその灼熱地獄に入り込んでしまうシーンなんぞ、まさに事実は小説よりも奇なり。

椎名誠サンが脱出行の傑作本として、本書と共に「ラオスからの帰還」(ディーター・ディングラン。大日本絵画)、「ヒマラヤのスパイ」(シドニー・ウィグノール。文藝春秋)をあげているが、読んでみたいなぁ。評価4/5。

「脱出!」完

<戻る>