109「リ・フジン」

9.3.wed./2008

★8月18日が発端

先月の18日(月)、久しぶりの休業日で地元の焼肉屋に。
ここの肉はもうひとつ。が、まともな生ビールが飲めるのと(このことについては前回参照)カード決済が出来るのが便利。

ここで帰ればよかった・・・。
今月、娘のサクラン坊が市内に越してきたこと思い出し、我が妻タヌコに「いまからサクラン坊んとこで飲み直そ〜」なんて、思いつかなければよかった・・・。
車を降りる際、紙袋の中の「財布だけ持って降りよか。どうしょか。ま、ええわ」なんて思わなけりゃよかった・・・。
二台の車で出かけ、そう酔ってもないのになぜか(なぜだろ?)「一台で帰ろ」なんて言わなけりゃよかった・・・。
そのために我輩の車からタヌコの車に荷物を移しかえなければよかった・・・。
途中のコンビニで財布が見当たらないのに単純に「残してきた車の中や」と酔ったアタマで判断しなけりゃよかった・・・。
すぐサクラン坊に電話して玄関先を見てもらえばよかった・・・。

こうした度重なる「・・・」の結果、翌日タヌコの「警察から電話あって財布が届けられてるって」
「荷物を移しかえるとき落ちたんや。ふ〜、助かった」なんて単純に思った我輩は、バカであった・・・売上金とカード支払いのポイントためての商品券の束が財布からゴッソリ消えていた。

おまけに警察に出向く途中、別件の些細な些細なことにタヌコが毎度の事ながら理不尽な難癖つけはじめ、で、もう何度目かの「結婚なんてすべきじゃないわ・・・」と思わせられ(二度三度と再婚する男がいるのは不思議だ)、何度目かの帰宅拒否症群再発もし、何度目かの殺意をもおぼえつつ警察でたところで「タバコ代くれ」「そんなお金もないの?」に返事もせず、現在ウツに陥りつつある・・・。
アッ、「殺意」なんて書いたらなんかあって警察にパソコン押収されたら困るやん・・・。

★理不尽な

人生に一度あるかないかのヤーさんに理不尽な難癖つけられるより、女房に何度もそうされる人生ってなんだろう、世の妻帯者諸氏。
独身男子諸君、「良き女性」なんて結婚前(でも兆しはたびたび感ずるはず)と小説と映画の中だけですぞ。あの切々と恋する女心歌い上げる演歌の作詞者もほとんどが男ですぞ、いまだそんな女の存在夢見る作詞者ですぞ。いや、もうあきらめての夢語ってるだけなのかも・・・。
フランスの格言にもあるではないか、「愛には三つある。母の愛。愛人の愛。犬の愛」と。
我が妻タヌコの名称は今後このページで「リ・夫人」に変更する。理不尽のリフジンだ・・・。
いや、「夫人」は敬称だし(アホらし)、「婦人」だと成人した女性だし(イヤ成長せえへん、小中学で精神成長ストップが我輩の持論だ)、ゆえに単に「リ・フジン」やな・・・。

★財布

今回の財布はサラリーマン時代からもう20年位持っていて(どこの国製だったか、頑丈である)、長居店当時に店に空き巣に入られての後日、警察から「財布が届けられてます」。で、「え?」

空き巣に入られて申告する「盗難届け」なんてその場ですぐ判明するのがおかしい。売り上げ、つり銭以外の盗難に後日気づいたのが、DМ用の切手シート。その時でさえ引き出し奥の、当時使ってなかったこの財布も盗まれたなんて思いも浮かばず。このときは収集していた旧五百円や千円札、使用していないクレジットカードが入っていたが、現金だけ抜き取られ、第三者のお宅の庭に捨てられていた。今回は近所のポストに放り込まれていた・・・。

以前にも、スーパーの洋服売り場で品定めののち、しばらくして手にしていたこの財布がないのに気づき、先ほど品定めの際に上の棚に置いた!とあわてて戻ると、このときは無事。

ま、今回、免許証、カード類だけでも助かったと感謝せなあかんのでしょうが、わしら零細業者はとてもとてもそんな気にはならず・・・。
墨丸会員776号シノリンは「そんな財布、はよ手放したほうがええわ」と言ってくれ、警察から受け取ったままのそれを中身も整理せずに放っているが、いま思うに三度とも我が手元に戻ってきたというのもある意味「かわいい」ではないか・・・あの「リ・フジン」よりも。

★「今夜の迷言!」

ようやくオリンピックが終わった。
NHKのその番組でつまらないのが視聴者からのファックスによる激励文の紹介(ヒマな人が多いもんだ、といつも思う)。そのコーナーで唯一面白かったのが以下のアナウンサーの弁・・・。

「ナニナニ県のナニナニさんからのファックスでした。ただメダル獲得の獲がケモノ辺でなくノギ辺なのは間違ってますが」

数あるファックスの中から紹介したるなよ〜、全国ネットで。ああ、恥ずかし、ナニナニさん・・・(ナニナ二の箇所、実名だった)。
オリンピック終了後、別の同様意見を週刊誌の2、3の記事で目にした。まとめると・・・。

「絶叫の季節が終わった」で始まる週刊文春では、最近のアナウンサーは、「やった〜」「金メダルぅ!」と感情むき出し、興奮真っ裸で、むやみやたらと絶叫するのはサッカーが人気になるのと共に始まったとし(1936年ベルリン・オリンピックの「前畑ガンバレ」は例外。我輩は日本の観客が「オーレ、オレ、オレ」となぜか異国の言葉で応援したり、おおげさに選手同士が抱き合ったりの猿真似的風情を目にして以来サッカーは好きでない)、「興奮したときにこそ静かな声で冷静に喋る。無念なときこそ微笑む。それは日本文化の伝統であるだけでなく、世界共通の『たしなみ』だ」と、この「うんざり」する最近のスポーツ中継に苦言を呈し、芥川龍之介「手巾」を紹介している。
いわく「母親は静かに我が子の死を物語る。ふとテーブルの下を見ると、ハンカチを握りしめた彼女の手はブルブル震えていた」。ここまでは「なるほど」

で、「ああいう全く制御のない感情の表出を聞いていると、もし立場が変わって、こいつらが派遣社員で自分用のツナギが見つからなかったらナイフを持って飛び出し、歩行者天国で通行人を刺すんじゃないかと思いたくなる」で、今回の「迷言」扱いに・・・(これは自動車工場でのあの実際の事件のこと)。

「リ・フジン」完

<戻る>