110「いまだウツみたい」

9.16.tue./2008

あ〜、前回の影響で、いまだ鬱状態。
書きたいことなんにも浮かんでこず・・・。
で、今回は以下でお茶をにごそう。

★「今夜の映画!」

「ローグ・アサシン」
期待せず見始め、のめりこんだ邦画「キサラギ」(前々回紹介)同様、この米映画にもはまった。
伝説の暗殺者ジェット・リーとFBI捜査官ジェーソン・ステーサム(「トランスポーター」シリーズの)対決のサスペンス。
ありきたりなテーマなのにどうしてどうして、いまどきの派手なアクションに加えて二人の知られざる「過去」で一気に評価アップ。
ま、この手のアクション映画はすぐ忘れ去るモノとしても、み終わった直後は、評価4/5。

「ひみつの花園」
「ウォーターボーイズ」「スウィングガールズ」の矢口靖史監督作。
「お金〜、お金〜」オンリーの人生を送る西田尚美がひょんなことから樹海の池の底に沈んだ5億円を手に入れるため、地質学を学び、水泳からスキューバダイビング、ロッククライミング等々クリアしていくという、監督の原点的作品か。
ま、みながら「くっだらねぇ〜」と思いつつも特典映像すべてをチェックしてしまった不思議な魅力の作品。西田尚美サンと我輩の好きなケイト・ブランシェットの唇ってなぜか似てる気もして(墨丸会員では会員210号マァチャン似ですなぁ)、おまけの4/5。

「フレディvsジェイソン」
かねてよりみたかった作品。
「エイリアンvsプレデター」は「プレデター2」ラストシーンでその対決夢見たものだけど、「フレディ」と「ジェイソン」の対決までは思いつかず。
・・・結果、これら第1作の「神話的作品」イメージをもろくも突き崩してしまった。もうこれはコメディ。3/5。

「バタフライ・エフェクト2」
人生の節目に戻ることができる能力を持った青年が、過去に戻るたびに八方ふさがりの人生に陥ってゆくという傑作SF映画「バタフライ・エフェクト」の続編。
本作も同様の内容ながら、次の過去ではどんな意外な悪夢が待ち受けているのかと、他人の不幸はなんとやらではないが興味津々の展開で、4/5。

★「今夜の本!」

傑作「OUT」(日本推理作家協会賞)以来、なぜか遠ざかっていた桐野夏生を立て続けに読む。
本当は最新作の「東京島」を読みたいのだが、新刊本買う金なく、以下は古本。

※「東京島」は、太平洋戦争末期、南方の孤島アナタハンに取り残された男32人と女1人のサバイバルを描いた大野芳「絶海密室」同様、孤島に漂着した男女の物語。「絶海密室」は実話で、これについてはミスで以前このページから消去してしまったが、目からウロコ本ですぞ〜。

で、「残虐記」(柴田錬三郎賞。新潮文庫)は、少女時代に誘拐監禁事件の被害者だった女流作家の手記という設定の物語。
「グロテスク」(泉鏡花文学賞。文藝春秋)は、一流企業のOLが夜の街に立ち殺害された「東電OL殺害事件」がモデル。

共にちょっと引いてしまうテーマだが、そこは女流作家。登場人物たちの特異な人生に視点をすえて描ききり、その力量には感服。
読後、はるか昔に買っていまだ未読の「女子高生コンクリート詰め殺人事件」や「東電ОL事件」の各ノンフィクション読みたくなるほどで、4/5。

「帰らない日々」(ジョン・バーナム・シュワルツ。ハヤカワ文庫)は、子供をひき逃げ事故で亡くした家族とひき逃げ犯それぞれの崩壊してゆく生活を描いている。が、これはなんの特異性もない展開。ページを読み飛ばしてしまうほど冗漫。
おまけに、購入のきっかけになった帯の宣伝文句「突然の事故で最愛の息子を失った家族。調査を依頼した弁護士は、ひき逃げ犯人その人だった」は、映画化版の宣伝文句のことで、原作の内容ははまるで違っていて混乱。
ゆえに原作あとがきの「一級のスリラー」「ダークサスペンス」の文言も、「それは映画のことやろ?サギやんか」と、泣きたくなるほどの淡々とした人間ドラマに過ぎなかった。おまけにこれ、古本じゃなく新刊本買いまして・・・1/5。

「いまだウツみたい」完

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