166「正月らしくない話」

1.18.mon./2010

★思い起こせば・・・

年が明け、溜まった新聞処理しようと片っ端から読んでると、年末のそれに09年度の有名人物故者一覧が掲載されていた。
そこに死去を知らなかった、わが心に残る方が二名・・・。

国内では、俳優の大木実さん。享年85歳。
はるか昔の子供時代、阿倍野区松虫の商店街にあった邦画専門館に、誰かに連れられ観たのが大木実の主演映画。
ストーリーはもちろん、題名も覚えていないほどの小学校低学年の頃だ。
ただ印象に残っているのは、トラック運転手の大木実が雨の夜道に飛び出してきた女を轢きかける。で、そのけばけばしい化粧の女をアパートに連れ帰り、その女が顔を洗って素顔をみせたそのすがすがしい顔立ちが、なぜか幼心にくっきり刻みこまれてしまい・・・。
以後、大木実さんを画面で見かけるたびにそのワンシーンだけがまざまざと甦ってきたりして・・・う〜む、わが女性観はこの頃に形成されてしまったのかも・・・どういうふうに?・・・わからん。

国外では、アメリカの画家アンドリュー・ワイエス。享年91歳。
芸術絵画なんてまるでわからん我輩で、サマセット・モームの「月と六ペンス」で描かれたゴーギャに興味を抱いて画集開けど特に感銘も受けず。
また、京都暮らしの頃、四条河原町の喫茶店壁面に描かれたモジリアニのピエロの肖像を目にし、一時彼のファンになったことがあるぐらいか。
でもこれも昔、朝日新聞だったか、絵画紹介シリーズの一環で掲載されたのがワイエスの作品「クリスティーナの世界」
足が不自由で立てない白人女性が、丘の上の家に向って背中を向け家を見上げている構図。その細密な描写とともにこれにはなぜか軽い衝撃を受けて。
後年、東京池袋で開催された彼の展覧会にわざわざ出向いたけれど(会社出張利用して)その作品一作だけ、その時点でも印象的だったのは。

他に以下の方々が亡くなられていました(ここに掲載するのは我輩知る映画関係者ばかりですけど)。
「アラビアのロレンス」テーマ曲を作曲したモーリス・ジャール。84歳。
「史上最大の作戦」「バルジ大作戦」のケン・アナキン監督。94歳。
カンフー映画全盛期の頃の、カンフードラマ主演デビッド・キャラダイン。72歳。
グラマラスな米女優だったファラ・フォーセット。62歳。
アルペンスキー三冠王かつ数々のスキー映画に出演したトニー・ザイラー。73歳。
「ゴースト ニューヨークの幻」のパトリック・スウェイジ。57歳。
「007」第1作「ドクター・ノオ」の悪役ジョゼフ・ワイズマン。91歳。
「慕情」の美人女優ジェニファー・ジョーンズ。90歳。
そして唯一どんな女優だったか記憶にない「スパイダーマン3」のルーシー・ゴードン。28歳。ああ、これはもったいない、若くって。

「正月らしくない話」完

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