221「チャンピックスの夢」

3.28.mon./2011

★定休日

ランチ定休日を月曜&雨天日と決めて以来、本日初めて休みの月曜日。
墨丸創業以来初めてちゃう?定休日なんて。ま、ランチだけやけど、この定休日。
この18年間ずっと不定休で、休むのは月に一日か二日。ない月もある。
サラリーマン時代の友人によく言われる、「有給消化王のお前が休まんとようやるなぁ」と。
今年なんて正月以来、休みなし、ですぞ(ま、それだけ不景気ちゅうことで)
これから毎週一日休めるなんて天国みたい!・・・一日ちゃうわ、夜は仕事やん・・・。

★消去のページ

で、関連して次のお話。
「あっ、風邪治ったのいつだったっけ?」と、このページの履歴みてみると、3月12日付けの確か「ブンちゃん風邪」ってのが全文消えていた。いや、なにかの手違いで削除してしまっていた。
その前に記した「Hotel Sumimaru」の最後に、「風邪に罹ったかも」と書き込んあり、そのあと寝込んだわけで。で、1週間ほどランチだけ休んで昼間ひたすら寝ていた。

その孤独な罹患中、「この店で死んだらミイラやなぁ、孤独死やなぁ」と(病ゆえの)完全マイナス思考の病床で少しホッとさせてくれたのが、吉川英治文学新人賞受賞の朝倉かすみ著「田村はまだか」
中年男女五人が深夜のスナックで中学時代の同級生「田村」を待ち続ける話。
読んでいると次第に読者の我輩も「田村」に会いたくなってくる作品だった。

毛利恒之の「月光の夏」は、百田尚樹「永遠の0」ファンにオススメの特攻ドキュメンタリー・ノベル・・・と、こうした本の話、風邪のおかげで煙草を止めた話、そのほか罹患中の出来事をその消滅文「ブンちゃん風邪」に記していたはず。
で、今回はその禁煙後の話を綴ろうと、「風邪治癒後、煙草を手にしてしまったのはいつごろだった?」と調べるつもりで履歴みての消去発覚。長くなってしまったけれど、そう、数日前から再び煙草を吸い始めてしまったのだ。

★怪しげなクスリ

その禁煙話を店でしたところお客さんが「これあげよか?」と差し出してくれたのがとある禁煙薬。それみて「あ、これ持ってますわ!」

昨年、知人から分けてもらった薬と同じ、その名は「チャンピックス」
昨年仕入れの途中、初めてそれを服用し、すぐ軽い貧血状態に陥り「やべぇ・・・ホンマに禁煙の薬か?あいつ、わしをどうにかしようとしとるんちゃうか?」と不安になってその薬、薬箱の奥にしまいこんで・・・・で今回、その同じ薬を目にし「ホンモノやん、捨てんでよかったわ」と、一昨日仕事始める前に、「あのときはあのとき」と再度服用。と、再度貧血状態に・・・。

調べてみた、その薬、ファイザー製を。
1週間煙草吸いながらでも服用し続け、8日目から薬のみを経て禁煙に至る、ということで、副作用に「めまい、吐き気、眠気」等ありと。
「なるほど、じゃこれから寝る前に服用しよう。貧血のとき横たわるのんって気持ちええもんな」

寝る前と思ったもうひとつの理由が。
それは、副作用のひとつに「いつもと違う夢をみる」かも、というのがあって。
夢なんていつも違うと思うけどなぁ・・・でも、えへへ、なんか期待。
その夜、早速みた・・・悪夢を。

★夢

舞台は、断崖絶壁。
その断崖上にたたずむ我輩の目前に45度ほどの角度の上り坂。
それは人ひとり分ほどの幅。
右側はそびえる絶壁。左は断崖はるか下をとうとうと流れる大河。
その急坂を、なぜか我輩は登らねばならぬ・・・。

高所恐怖症の我輩、這いつくばりながら登り始め・・・こんなときは自分の想像力のたくましさがイヤになる。
片手で断崖のふちにぶら下がり落ちるのをただ待つだけのおのれの姿、この高さやと落ちたら骨も粉々か?水面でもコンクリートの上に落ちたのと同じって聞くものな、と思い出さなくともいいこと思い出し、このまま進めねばここで餓死か、とか。

それら想像のたびに進めなくなり、岩肌にしがみつく。
でも、坂の上までたどり着くと向こう側には別世界があると(思うなんてやっぱり夢)、じりじりと這い上がりつづけていると、(やっぱり夢)てっぺん近くで岩肌がふかふかの真っ白い布団に早代わりしてて・・・。

で、その後は楽々と坂の上にたどり着き、期待の向こう側を覗いてみると、行き止まりの岩壁にぽっかり開いた小さな穴が。
もぐりこんでみた。

穴内部は、廃屋の小部屋。
正面には木の棚。
そこにはホコリを被った空き瓶とともに、見たこともない煙草の銘柄の古い箱が乱雑に置かれ、「ABCなんて銘柄、知らんなぁ」と思いつつ振り返ると入ってきた穴の横には、扉代わりなのか灰色のボロ布が垂れ下がった押入れ。そして棚と押入れの間の先には二間つづきの無人の和風の部屋が・・・。

その部屋に足を踏み入れると蜘蛛の巣が顔にまとわりつき、払いのけつつ次の部屋に進もうとすると今度は体中にまとわりつき、「こんな巣やったら蜘蛛も人間ぐらいの大きさちゃうか」とゾッとしながらもさらに進むと、和ダンスの前に。その引き出しを開けるとなかには女物の古ぼけた着物・・・。

と、窓の外でかすかな人声がし、その瞬間「ここは炭鉱住宅やったんやな」なんて意味もなく思い至り、窓の方に顔を向けたとき・・・部屋の片隅に真四角の木の浴槽が畳の縁まで埋め込まれているのに気づいた。その綺麗な湯のなかには、裸の背中の半身をみせた女が・・・顔はみえない。

我輩、怖くなったのか、気づくとあの押入れのある小部屋に戻っていた。
とそこに、その裸体の女が歩み寄ってき、ニヤッとわたしに笑いかけ・・・久しぶりにみた女性の裸体なのに、その女の顔が我輩好みでまったくなく、後ろも振り返らずあたふたと穴から這い出ていったという夢だった・・・。

★分析

う〜む。こうして記していると分かってきた。
煙草の箱は、もちろん禁煙体験に基づいての、坂道はその苦難の道のり?
いやいや、そんなかっこいいものではない。
この日の昼間、BS放送でどこかの国の山岳登山の番組が流れていて、チラッとその画面みたせいか、あるいは勝谷誠彦の著書「坂の上のバカ」の新聞広告みたせいか・・・。

蜘蛛の巣はたぶんこれもBS放送のドキュメンタリー「水田の1年」で、稲穂に巣くった蜘蛛の糸に昆虫がかかるシーンをみたからかもしれず、タンスの古い着物は女っ気なしの現状のあらわれかもしれず、裸体の女のシーンは昨夜、墨丸会員608号Y嬢と異性談義をしていて・・・
「わたしは惚れやすいんやと思う」
「いや、話の限りではそれは違う。惚れる惚れんの基準は性的魅力を抱ける相手か否かかも。Yちゃんは惚れたイコール話しやすい相手っていうだけで、ボクなんか話しやすい女性が百人おってもビビッとくるのは一人ぐらいやで」
で、その裸体の女はその百人のうちの九十九人のおひとりだったわけで・・・。
ま、こう解釈してみると「夢占い」なんて信じられんわね。

こうして今回休みの月曜日、夢を目覚まし時計で遮断されなかったおかげで「いつもと違う夢」(?)を起承転結でみれたわけ。
今夜もチャンピックス飲んで、寝よ!
うふふ、百人のうちの一人、裸で夢に出てこいよ〜。

★「今夜の名言!」

「人類の目的が、予言に言われているようなこと、つまりすべての人間が愛によってひとつに結びつき、槍を打ち直して鎌にする、などということだとしたら、その目的の達成を妨げているのは何でしょうね?妨げるのは、さまざまな欲望ですよ。さまざまな欲望の中で、いちばん強烈で、悪質で、根強いのは、性的な肉の愛です」
 トルストイ「クロイツェル・ソナタ」より。

「だれでも、情欲を抱いて女を見る者は、心の中ですでに姦淫をしたのである」
 「マタイによる福音書」より。

★「今夜の迷言!」

♂「マスター、好きな女優って誰?」
墨丸「ミナミカホ、アソウクミコ、ナカマユキエ、タナカレナ、コバヤシサトミ、ダンフミ」
♂「わ、すらすらでてくるやん!」
墨丸「わしの女房、名前なんやったっけ?」

深夜、かけうどんの後に墨丸カレーを立て続けに食べた墨丸会員691号ポストマンいわく
P「うしまけた!」
墨丸「なんて?」
P「うしまけた」
墨丸(失語症?脳溢血?)「意味わからん」
P「うまかった。馬勝ったで、牛負けた」
墨丸「それ最近の若者言葉?」
P「おやじがよくいうてました」
 ちなみに彼の父親は75歳とか。知りませんでした、こんな言い方。

「チャンピックスの夢」完

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