272「過去残記」

11.25.mon./2013

★265「火車の初夏」以降の掲載外のこと・・・

@ この春に発足予定だった懇意な飲食店との「チョ―デー会」のその後。
共通ドリンク券付きフライヤー案作成した段階で、墨丸会員91号М氏のカラオケ喫茶&カラオケバー「スターライト」オープン直後、カラオケスナックに転向!で、М氏が経営から手を引いたこともあり「チョーデー会」、あっさり消滅・・・。

A 「幽霊・妖怪図大全集」(大阪歴史博物館)を6月9日(日)見学。
チケット売り場長蛇の列。この日が最終日でなかったらとてもじゃないけど並ばず出直しただろう(並ぶのなんて卒業式以来か)。会場内ももちろん超満員。で、幽霊図にゆっくり見入る余裕なんてゼロ。怖い雰囲気もゼロ・・・。

B 腹話術の人形ダミン、ウサギのダミンにつづく八代目ダミン誕生!?
6月下旬、会員878号ユッケさんが「マスター!とって!とって!」と店に駆け込んでき「何事!?」と思いきや、自転車荷台の隙間に小雀が座りこんで飛び立とうとしないのでした。

で、店内の観葉植物入れた鳥カゴに保護。
「小鳥ってこんなに可愛かったの?ふふふ」と(我が妻リ・フジンは「鳥なんて足が骸骨やん」といって毛嫌いしますが)、翌日巣箱と餌を嬉々として買っての後刻、餌箱にひっくりかえって足突き出し寝ていて(動いていたんで)「お、変わった寝方!」と写真撮った後、その恰好のまま死んでました(あの動きは死ぬ直前の痙攣だったんだ?)
人の匂いの付いた小雀は群れに迎えられないと知ってはいて、はたしてこんな場合どう対処すれば?カゴの観葉植物食いつくすほどの奴だったのに。残った餌、どなたかあげます・・・。

C 廃城ファンの我輩、熊本の古代山城「麹智城」シンポジュウム(ドーンセンター)に9月7日(土)参加。
古代すぎて退屈ゆえ途中退席す。
帰途、夏場に暑い洗面所用に小型扇風機と、カウンター用に南国風ランプをバーゲン価格で入手したのが成果か。 

D 6年ぶりの改装。
昼間も喫茶オープンしてると勘違いの方多々いらして「深夜喫茶と洋酒のお店です。」とドアに大きく表示。
併せて、9月末より4日間かけて外壁塗り直しました(色彩感覚に秀でてる方、塗り直しますゆえアドバイスを)。かつ、日焼けで傷んでた看板メニューも一新。

後日気づきました。
グリーン色が隣の店舗入口と同色だった・・・コーナンでは緑色ペンキは2種類しか売ってないもんでそんな確率も高しか。

★ 初夏のパソコン故障以来「今夜の本!」「今夜の映画!」ともに長らく休載でした。閉店後の酔眼読書、その記録ゆえ漏れもあろうかと思いますが、今宵、空白の夏の「今夜の本!」一挙評価!
面白本順に記載し、今回より5段階評価。

う〜む、知らなかった。
異端の浮世絵師写楽。その人物がたった1年にも満たぬ期間で膨大な作品を残し、突然消息不明に。写楽とはいったい何者で、なぜ消えたのか?「美術史上最大の謎」ってことを。
その謎を推理作家島田荘司が「写楽 閉じた国の幻」(新潮文庫)で見事に解明。それが真実か否かは別とし、目から鱗とはこの事なりで、評価5.0。

終戦間際の昭和20年6月30日深夜、秋田・花岡鉱山で何が起きたのか?
その「花岡事件」については強制連行された中国人蜂起、ということだけは知ってはいたが、鹿島建設(史実ベースのフィクションゆえ本書では檜山建設)の下での重労働と虐待、飢餓の果てに中国人8百人が一斉蜂起し宿舎から逃亡。
最終的に全員が捕縛された後、拷問などで終戦をはさみ113人が死亡。鎮圧後の虐殺含み、2年間で419人もの中国人が死亡したという陰惨なる事件をベースにした小説はこの作品が我輩はじめて。「異郷の夏」北上秋彦(新人物文庫)です。
惜しむらくは、4万人もの中国人が労工狩りによって日本に強制連行されたのは史実?ながら、花岡鉱山の中国人たちが連行されての1年間、小さな饅頭ひとつと灰汁抜きしていない山蕗だけの1日一食という極端に貧相な食事、かつ厳寒の時期も連行された当時の薄着のままでの川に浸かっての強制労働なんて描写が、反日・自虐史観に偏った描写ではないかとの疑問が。 4.0。

以前、新聞書評で知り興味持った作品がようやく文庫化。
その帯の宣伝文句のひとつに、「こんな小説はいままで読んだことがない!」と。まさにその通りだったのが「民宿雪国」樋口毅宏(祥伝社文庫)。題名も特異。
寂れた民宿のあるじの血と虚実に満ちた、戦前から現代にいたる異色の人生ドラマ。
冒頭から予想を超えた展開!
惜しむらくは、少々荒っぽいかと思える文体と「うむ、まだまだ続くぞ!」と期待した残り40数ページが作者の対談ページにすぎなかったこと。ラストにもうひとひねり欲しかった、というのは贅沢か。 4.0。

「一の悲劇」法月倫太郎(祥伝社文庫)
誘拐ミステリー史上「屈指の傑作!」らしいが・・・3.5。
「リバース」北國浩二(PHP文芸文庫)
中盤から二転三転もするミステリー。予知能力なんて非現実的な点さえなければ評価高し? 3.5。
「絶望ノート」歌野昌午(幻冬舎文庫)
著者の傑作「葉桜の季節に君を想うということ」越えられず。 3.0。
「卵をめぐる祖父の戦争」D・ベニオフ(ハヤカワ文庫)
レニングラード攻防戦が舞台というだけが興味。3.0
「ダイナー」平山夢明(ポプラ文庫)
第13回大藪春彦賞。第28回日本冒険小説大賞。2013おすすめ文庫王国第1位。でも、3.0
「珈琲屋の人々」池永洋(双葉文庫)
水商売舞台本は同業者として読めますが・・・3.0。
「プリズン・トリック」遠藤武文(講談社文庫)
第55回江戸川乱歩賞受賞作。でも、3.0。
「水神」帚木蓬生(新潮文庫)
第29回新田次郎賞受賞作。でも、3.0。
「模倣の殺意」中町信(創元推理文庫)
「幻の傑作!」が売り文句。だけどその売り文句も「?」。 3.0。
「雀蜂」貴志祐介(角川ホラー文庫)
ラストの「真実」はなるほど。けれど至る展開にリアル感なし。 2.0。
「入らずの森」宇佐美まこと(祥伝社文庫)
「各氏絶賛ホラー」なれど・・・2.0。
「妖しの華」誉田哲也(文春文庫)
一時はまった作者の作品ももうこれでもう触手伸びずか。 2.0。
「塩の町」有川浩(角川文庫)
彼女原作の映画「阪急電車」は良かったが、2.0。

★「今夜の映画!」

初夏のころから主に営業終了後にみた録画映画数、今日までに約90本。
(字幕映画のほとんどは二倍速でみてます)
高校時代の下宿生活で食事代削り3本立て洋画を毎週のようにみていた頃で年間100本位だったでしょうか。なのに当時に比べ「コレ!」という作品一切なしといってもいいほど、なし。
以前紹介した、映画脚本家が作家に転向しようとする米映画で(作品名忘れた)、主人公が「最近の映画はどれも面白い。でも見終わったら忘れてしまう作品ばかり」と嘆くシーンがありましたが、まさにそう。

ま、今段階で忘れていないのは、阿部寛の「自虐の詩」、中谷美紀の「阪急電車」、名作「エイリアン」に至る物語「プロメテウス」、名作「遊星からの物体X」に至る物語「遊星からの物体X ファーストコンタクト」、予想外の展開の「ヒドゥン・フェイス」と「トールマン」、記者が高校生の実態を記事にするため偽高校生となっての学園ラブコメ「25年目のキス」ぐらいでしょうか。

パソコンクラッシュしたおかげで見終わった作品メモする習慣だけは身につきまして、来年からは「これぞ!」という作品を紹介していきたいと考えています。が、映画に時間を費やするのがむなしくなってきたのも事実な今日この頃・・・。

「過去残記」完

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