290「墨丸の或る日曜日@」

10.29.wed./2014

★謎の電話

26日の日曜日。
寝ていると、携帯電話のベルが鳴り響き・・・。

就寝してからまだ3時間ほどしか経っていない午前中。
ベッドから起き上がり携帯手に取ると着信音途切れ・・・見知らぬ「06」から始まる不在着信番号。
折り返し電話すれど、呼び出し音なるばかり・・・。

で、再び寝ようとすれど、気になる。
セールスなら固定電話に、だ。
取引先銀行か、信用金庫か?いや、今日は日曜日だ。
取引先酒屋か?いや、かかってくる理由がない。
いや、酒屋も日曜は休みだ。うむ、会社も役所も休みの日だ。俺は仕事だ・・・。

固定電話からの見知らぬ電話番号。
ますます気になる。
今までの発信、着信履歴をチェック。
・・・ない。
登録電話番号を「あ」から順にチェック。
・・・ない。
目が冴えてしまった。

・・・日曜は朝7時から銭湯が開いている。
11時過ぎ、「福の湯ラドン温泉」に行くことにする。
ここはいつも空いている。
この日も先客は一人だけ。
後半は我輩のみに。ゆったりできる。
が、蛇口からの湯は水のごときぬるすぎるのが難点。ただの「水」って時もあった。
ゆえに湯船脇の洗い場を常に確保し湯船の湯を使って体を洗う。
さすがにすすぎは蛇口の湯だけれど、そのぬるさに文句を番台に言ってる人を今まで見かけたことがない。不思議だ。
いや、ゆえにこの銭湯ヒマなのか?
いや、ならば蛇口閉めても常に水が漏れ出ている、我輩知っているだけでも三箇所、水道代節約のためそれらパッキン交換しようともしないのはヒマでもこの銭湯、困窮していないということか。いや、番台のばあさん、閉店の午前2時前にはもう居眠りしてるほど頑張っているではないか。この状況も不思議だ。

風呂場から出て脱衣場で新聞読んでいると、携帯電話のベルが鳴る。
!!朝のあの番号だ。

「もしもし」
「スミカワさんですか?」女の声だ。「こちらグルメシティですが」
(あ、スーパーかぁ!・・・万引きなんてしてないよなぁ?)
「はい」
「午前中もお電話させていただいたんですが」
「折り返し電話したんですけどどなたも出られなくって」
「それは失礼しました。あの、先日タバコをご購入されましたでしょ?その際ひとつカウンターにお忘れになってまして取りに来られるかとこちらに置いたままになっておりますので・・・」

う〜む、数日前に買い物から帰り、商品を仕分け収納してる際に買ったはずのタバコがひとつ見当たらないのに気づいていたのだ。冷凍庫に入れてしまったか?台下冷蔵庫の下にでも落としてしまったか?いや、買った数量が勘違いだったか?などと、少々悶々とした覚えが・・・。

しかし親切な店であるなぁ!
多分ポイントカードで連絡先調べてくれたんであろうが、それにしても親切だ。ず〜っとグルメシティをご贔屓にしよう、諸君も!
礼を言い後日取りに伺う旨伝え、銭湯を出る。

★電話機の謎

オープン準備終え、財布はココに、店の鍵はココに、タバコはココに・・・と最終配置開始。
で、携帯電話はココに・・・うむ、ジャケットのポケットだったかな。
ない。
あ、今日はトレーナーで出かけたんだった。ではズボンのポケットだ。
ない。
銭湯用具のバッグのなか?
ない。

・・・どっこにも、ない。
ってなことはよくあることで、固定電話からかけてみる。
・・・なんと、話し中ではないか!
しばし待ってかけてみる。
・・・延々と呼出音鳴り続けるのみ。しかし店内にはベルの音鳴り響かず。

銭湯に忘れたか?
「福の湯ラドン温泉」に電話。
・・・忘れ物はない、といわれる。
ランチ食した喫茶「葡萄屋」か?
・・・ない、と言われる。

オープン時刻迫るなか必死で考える。
あの時、開け放った脱衣ボックスに置いていた携帯が鳴って・・・グルメシティと話して・・・そのあとどうしたんだったっけ?・・・同じ場所に戻した?脱衣ボックス上の扇風機脇に置いた?着替えを終えてそれからどうした、どうした携帯?・・・むむ、思い出せぬっ。

それというのもだ!
朝っぱらからかかってきたグルメシティの電話で無理やり起こされ、寝不足のまま銭湯に行き、ボゥっとした頭脳でグルメシティと会話したせいなのだ!発端はたかが250円のエコーという安タバコのことでわざわざ電話してきたグルメシティのせいなのだ!250円対万単位のケータイ、どうしてくれるねん!
・・・なぁんて逆恨み的なこと一切考えず、店のドアに「本日の営業20時から」の貼り紙し、ドコモに紛失届けの電話。そして支持に従い交番への届け出。再度、ドコモに電話。

ま、その結果、5年も使ってたお気に入り携帯がまっさらになるんだから、いいっか(保険適応で。たまたま同機種が残っていたのもラッキー!でも「ボディの色変えてくれない?」のお願いはダメだった)
ま、お気に入りストラップが失くなったのは残念だけど・・・新・携帯は28日午後に入手できます。
これを読まれた方、我輩のいつもの番号に、空メールお願い!

そして、衝撃の28日火曜の午後へと続くのだった・・・。

「墨丸の或る日曜日」つづく

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