326「空恐ろしい・・・」

6.19.sun./2016

★キレる妻に・・・

5月18日に倉庫の書庫化ようやく完了させ(一応)、6月末までに本宅内と庭の整理整備目指すも、その後およそ二十日間、やる気なくして作業ストップしたまんま。

ま、いつもの「キレる妻におびえる夫 地雷のポイント判明!」(最近のNHK「クローズアップ現代」より)ゆえ・・・。
男女のこの葛藤、番組での脳科学者によると思考回路の相違から生ずるものらしく、我が妻リ・フジンいわく「なんや、うちだけと違うんや」だと・・・。
その「キレる妻」に対し我はいつか・・・というのが、ちと空恐ろしい。

☆「今夜の名言!」

『「普通の女」だと思っていても、結婚すると「普通の女」などいないことがわかる。そして、歳を取ると男同士の方がずっと気楽なことに気づく。だからだろうか、受賞後最初の本作は男同士の話となっている』
直木賞「つまをめとらば」の青山文平次作「半席」への、コラムニスト上原隆さん書評より。

★妙な記憶障害に・・・

その間、部屋に緊急避難し調べ物で過去のこのページチェックしてると、気づいた。
なんと誤字脱字、意味不明文のあることよ!
例えば、本の評価で本来「3/5」とするところを「3/3」なんて、「これってナニ?」というのが判明しただけで数か所もあり赤面の至り・・・ま、毎回酒呑みながらの記述ゆえでもあるんだけど。で、これまた酒呑みながら修正し、更なる間違いを?あ〜、いちど全文チェックが必要かもしれぬ・・・。

そうしたなかでさらに驚いたのは、最近読み終えた桐野夏生「グロテスク」とウィグノール「コンラッド・ハーストの正体」が、すでに読み終え評価済みだったってこと。
今回読んでいて「既読」片鱗もなく、これは恐ろしい(・・・ま、妙にスラスラ読め、かつ面白くないとしたのはこのせいか)。以前触れた「蔵書読破!」なんてこれでは全くの夢物語ではないか?

入院中、記憶障害ふくめ脳の働きについても事細かに検査し、その方面については完全無欠との診断下されていたにも関わらず、だ(ある部分では我輩、20歳代の脳年齢だとか)
で、前回「入院中読んだけれど内容全く覚えていず」で評価「?/5」だったその一冊、熊谷達也「漂泊の牙」を試しに手にとってみた。
東北の山奥で絶滅したはずのニホンオオカミに人が襲われ・・・というこれは新田次郎文学賞作。これには既視感ありありゆえ途中でページ閉じ・・・でも面白本か否かはその時点では不明のままやけど。

★風流なはずなのに・・・

さらに別の話だけど、暖かくなり始めた頃からうぐいすの鳴き声で目覚めさせられる。
最近では薄明るくなる午前4時過ぎから鳴き始め、自宅にあまり帰らなかった以前は「あ、風流・・・」と日本人らしく感じ入ったものだけど、最近ではイライラ。
なぜかというと、「ホーホケキョ」(縄張りを知らしめるための鳴き声)につづき、「ケキョケキョケキョケキョキョキョキョ」(侵入者ありのメスへの警告)と、この警告の鳴き声がうるさいほど続くのだ。次第に「ホーホケキョ」そのものに対しても次の「ケキョ」連想し、「うるせぇ〜!」
自宅周辺すべてが奴らの帝国ではないか?と思わせるほど早朝から日暮れまで家の周りで鳴き続け、いや叫び続けている割りには警戒心強いといわれるき奴らの姿形も見えぬことにもイラ立つわけで。この殺伐とした心持ちも、ちと空恐ろしい・・・。

@ 理不尽な我が妻リ・フジン A 妙な記憶障害 B うぐいす軍団への殺意・・・そしてこれら愚痴をこぼせる居酒屋も周囲にないという更なるマイナス状況(日本の居酒屋文化は欧米に比べ精神科受診者が少ない理由のひとつ、らしい)、まっこと恐ろしいではありませぬか?

が、血液O型脳天気人種の我は後刻悟る。
@ うむ、子宮でモノを考える人種に本気で相対すること自体無意味と割り切ればいいのだ。
A たまたま今回判明しただけでそれに気付かず今までもあったかもで、人間ってこんなモンかも?と。
B うぐいす同様多いカエルの鳴き声には今も安らぎ感ずるし、うるさい選挙カーの運動員が「ウグイス嬢」などと呼ばれていること思うと、殺意感ずる我はまともなのだ。
余談:男の選挙アナウンスは「カラス」と呼ばれ、また票を「漏らさない」ため必ず指を閉じて手を振るとか、日当は1万5千円以内ってことを最近知った。

・・・ん?「空恐ろしい」の「空」ってナニ意味すんだろ?!・・・しばしまたO型の我は悩まされるのであった。すぐ忘れるけど。

★「死ぬまで読めるか?!」

5「アフターバーン」(上下) コリン・ハリスン/新潮文庫
6「怪物がめざめる夜」 小林信彦/新潮文庫
7「夜愁」(上下) サラ・ウォーターズ/創元推理文庫/ブッカー賞候補作
8「私と過ごした1000人の殺人者たち」 金原龍一/宝島文庫
9「ディープゾーン」 ジェイムズ・M・テイバー/ハヤカワ文庫

5について。
拷問イメージした特異な表紙デザイン。そして帯コピーには「愛は、どんな拷問にも耐えられるのか?哀切な悲劇が待ち受ける暗黒小説の逸品!」(マフィアの金を横領した女が避難場所として選んだのは刑務所。しかし女は思いがけぬも仮出所に。マフィアは出所した女の行方を探るため女の関係者を拷問にかけ・・・)という宣伝文句から想像したほどでは、なかった。
これはここでの「愛」とか「哀切」にアジア人的ねちっこさや情念に欠けると思えるせいかしらん?韓国がこれを映画化するとこれまたその「やり過ぎ」感に吐き気覚えるんだろうけど・・・。 3/5。

6. 放送作家が発掘した売れない芸人。作家の指導のもと男は次第に時代の寵児へと。しかし男は隠されていた本性をあらわしはじめ・・・ホラーサスペンス大賞、五十嵐貴久の「リカ」を少々思い起こさせての一気読み(注:傑作「リカ」とはまるで人物像も展開も異なるけれど、こういうタイプの人種っているよなぁ) 4/5。

7.「荊の城」「半身」のサラ・ウォーターズの新作。といっても07年発売。紀伊國屋書店で「新刊出てないかなぁ」と何度も書棚見分してたにもかかわらず発見したのは古書店。「売る気あんのかよ!」と言いたい。が、傑作前2作と全く異なる作風で(ブッカー賞受賞云々ゆえこれはもう「文学」なのか)、大戦中と戦後の同性愛男女の日々が淡々と描かれすぎて、2/5

8. 無期懲役囚(著者仮名)が刑務所内で会った殺人犯達の素顔を語るノンフィクション。紅白歌手の克美しげる、狭山事件の石川一雄、金属バッドの一柳展也、オウム医師林郁夫、女子高生コンクリート詰め事件の首謀者宮野などなどの、その後を報道されることのない彼らの知られざる顔とは?惜しむらくは取り上げられた人数多すぎ素顔の片鱗しか、という物足らなさが残って、3.5/5。

9. 新たな細菌による感染爆発を防ぐため女性微生物学者の主人公ら5人は特効薬の微生物を採取すべく世界最大の巨大洞窟へと入っていく・・・。
「探検家」かつノンフィクション作家の「小説処女作」で、「傑作!」なんてウリ文句も見当たらぬ作品ゆえ期待せず読み始めるとこれがなかなかどうして。人類は巨大洞窟よりまだ月のほうを理解しているといわれるほどの地下世界描写に目からウロコ。洞窟の奥深くから採取した微生物から新型抗生物質の合成が実際に行われていることや、深海や高山での肉体に及ぼす悪影響ではなく、地下の深さと暗さが徐々に脳に悪影響を及ぼす(おぞましい恐怖感など)なぁんてこと初めて知った。 4/5

今回の推薦作は、「怪物がめざめる夜」!

墨丸会員せいざぶろうクン、6月12日(日)、結婚されました!おめでとう!

「空恐ろしい・・・」完

<戻る>