360「今夜の映画!」4/2017のベストは?

5.16.tue./2017

ガジュ丸評価基準。
5〜4が「秀作以上ライン」、3.5は「佳作」、3は「普通」、2〜1は「駄作ライン」。NF=ノンフィクション。※=再観作品。

★今夜の映画!

01.「サバイバー 」2015/アメリカ/ジェームズ・マクティーグ監督/3.0
02.「クリムゾン」2015/アメリカ/シェルドン・ウイルソン/3.0
03.「ロスト・バケーション」2016/アメリカ/ジャウマ・コレット=セラ/4.0
04.「エルサレム」2015/イスラエル/ドロン・バズ/2.0
05.「パーフェクト・ガイ」2015/アメリカ/デビッド・M・ローゼンタール/3.0
06.「ボーダーライン」2015/アメリカ/ドゥニ・ビルヌーブ/3.5
05.「グッドナイト・マミー」2014/オーストリア/ヴェロニカ・フランツ/3.5
06.「スティーブン・キング ビッグ・ドライバー」2014/アメリカ/ミカエル・サロモン/3.5
07.「リチャードの秘密」2012/アイルランド/レニー・アブラハムソン/2.0
08.「ソルジャーズ 連合軍を救った男たち」2014/イギリス/ドミニク・バーンズ/2.0
09.「アクト・オブ・ウォー」2016/イギリス/ヤスミン・ディスダル/2.0
10.「ロスト/パトロール」2013/ポルトガルetc/ヴィセンテ・フェハス/3.0
11.「マイケル・ムーアの世界侵略のススメ」2015/アメリカ/マイケル・ムーア/3.5
12.「サウルの息子」2015/ハンガリー/ネメシュ・ラースロー/3.0
13.「ワイアット・アープ」1994/アメリカ/ローレンス・カスダン/3.5 ※
14.「10 クローバーフィールド・レーン」2016/アメリカ/ダン・トラクテンバーグ/3.5 
15.「アサイラム 監禁病棟と顔のない患者たち」2014/アメリカ/ブラッド・アンダーソン/3.5
16.「草原の実験」2014/ロシア/アレクサンドル・コット/3.5
17.「ノーザン・リミット・ライン 南北海戦」2015/韓国/キム・ハクスン/3.5
18.「イル・ポスィーノ」1994/イタリアetc/マイケル・ラドフォード/3.0
19.「ブラックボード」2015/フランスetc/クリスチャン・カリオン/3.5
20.「山椒大夫」1954/日本/溝口健二/3.5
21.「キトキト!」2007/日本/吉田康弘/3.5
22.「祇園草紙」1953/日本/溝口健二/3.0
23.「となりのトトロ」1988/日本/宮撫x/3.5
24.「きみはいい子」2015/日本/呉美保/3.5
25.「レヴェナント 蘇りし者」2015/アメリカ/アレハンドロ・イニャリトゥ/3.5
26.「スターリングラード大進撃 ヒトラーの蒼き野望」2015/ロシア/セルゲイ・ポポフ/3.5

★「断念!映画」
「面白くなさそう」と中断してしまった、「断念=残念」映画は?

「さざなみ」2016/アメリカ/ジェイソン・ベイトマン
「リプリー」1999/アメリカ/アンソニー・ミンゲラ
「グロリア(1999)」1999/アメリカ/シドニー・ルメット
「野ゆき山ゆき海べゆき」1986/日本/大林宣彦
「紅の豚」1992/日本/宮撫x
「妻は告白する」1961/日本/増村保造

名作「太陽がいっぱい」の続編かと思いきやのマット・デイモン「リプリー」は「太陽が」のリメイク版だった。同じく「グロリア(1999)」も1980年ジーナ・ローランズ版のリメイクと知り、共にかつての名作を台無しにされそうで、断念!

★「原作vs映画」
映像作品もしくは原作の、どちらが「優」?

「ビッグ・ドライバー」/ ミカエル・サロモン監督作○ vs S・キング原作◎

講演会の帰りに暴漢に襲われた女流作家が復讐に立ち上がる展開が原作通りゆえの既視感が評価の違い。

★コメント

先月「断念!映画」となった「グッドナイト・マミー」、後日「衝撃のラストが話題に」と知って、再観。
事故で顔を包帯で覆って帰宅した母親は本当の母なのか?疑問抱いた双子の子供達は確かめようとして・・・という、「衝撃」ほどではないにしても「なるほどなぁ!」。かつ前半の「かったるさがなければなぁ」の感。
このジャンル(結末「なるほど!」となる)では、ポー原作の「アサイラム 監禁病棟と顔のない患者たち」が今月登場。
19世紀、英国辺境の地にある精神病棟に赴任した新人医師が知る病院の隠された「真実」に加え、ラストにももう一つの「真実」が。「衝撃」二度あるお得感あれど共に予想範疇内のオチというのが寂しい。アカデミー賞俳優ベン・キングズレーが「シャッター・アイランド」同様の"院長"を怪演。

「ソルジャーズ」以下のヨーロッパ戦線モノ三本は、イタリアに派兵された南国ブラジル兵士達が寒さに凍えるシーンが印象に残るだけの「ロスト/パトロール」ふくめ駄作揃い。映画館で金払ってこの三本立て観たならばしばらくは後悔し続けただろう。

題名と内容がこれはミスマッチのロシア映画「スターリングラード大進撃 ヒトラーの蒼き野望」は、無実の罪で銃殺されることになった士官と監視する一兵卒との間に絆が芽生え・・・という戦場ロードムービーの佳作。

同じくロシア映画の「草原の実験」は、大草原の一軒家で暮らすアジア系美少女の恋に思いがけない結末が待ち受けている、セリフ排した映像美にも魅せられる東京国際映画祭受賞作。

戦争ドラマではないけれど、第二次大戦以降目立った戦果のないアメリカ立て直すべく、ムーア監督が各国に偵察行。フランスでは学校給食の”マトモさ”に、イタリアでは有給休暇制度というものに驚愕するなどというブラック・ユーモアに満ちたドキュメンタリー「マイケル・ムーアの世界侵略のススメ」もオススメの一本。

瀕死の状態で雪山に置き去りにされた男の復讐劇でアカデミー賞作品かつB・ピット主演「レヴェナント 蘇りし者」は、期待し過ぎての残念賞止まり。
同じく期待の、SFパニック映画の秀作「クローバーフィールド」の続編「10 クローバーフィールド・レーン」は、もっと斬新さを!とのゼイタクな不満抱いていた所に、次の思いがけぬ伏兵が・・・。

★4月の推薦作!

その伏兵、期待せず何気なく観たB級作品「ロスト・バケーション」
原題は「浅瀬」。宣伝文句は、「岸はすぐそこ。しかし─」

メキシコ辺境地のサーフィンスポットをひとり訪れたヒロイン。
誰もいない湾で巨大サメに襲われ大けがを負う。ようやく逃れ泳ぎ着いた小さな岩礁は満潮時には水没。浜辺まではたった200メートル。しかし、獲物を狙い回遊し続けるサメのため、「たどり着くことはできない」(これも宣伝文句)。 

この絶望的な状況は、大型ヨットの乗組員全員が泳ごうと海に飛び込み甲板に上がれなくなる秀作「オープン・ウォーター2」の世界!以前紹介のミラ・ジョヴォヴィッチ「パーフェクト・ゲッタウェイ」同様、B級作品ながら好きです、こんな作品。

「今夜の映画!」4/2017 完

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