392「今夜の映画!」1/2018のベストは?

2.15.mon/2018

2018年の「今夜!」シリーズ新方針は、「今夜の本!」参照。

★「今夜の映画!」

ガジュ丸評価基準。
5「傑作」4「秀作」3.5「佳作」3「普通」2「凡作」1「駄作」。NF=ノンフィクション ※=再観作品。

01.「ダーティ・コップ」2016/アメリカ/監:アレックス&ベンジャミン・ブリューワー 出:ニコラス・ケイジ、イライジャ・ウッド/3.5
02.「エル・クラン」2015/アルゼンチン/監:パブロ・トラペロ/ヴェネチア国際映画祭監督賞/3.5
03.「スモーク・アンド・ミラーズ」2016/スペイン/3.0
04.「イコライザー」2014/アメリカ/監:アントワン・フークワ 出:デンゼル・ワシントン/3.5
05.「欲望のバージニア」2012/アメリカ/監:ジョン・ヒルコート/3.5
06.「キングコング 髑髏島の巨神」2017/アメリカ/監:ジョーダン・ヴォート=ロバーツ/3.5
07.「エンジェル 哀しき復讐者」2014/アメリカ/3.0
08.「Mr.&Mrs.スパイ」2016/アメリカ/2.0
09.「ブラッディホワイト」2015/アメリカ/2.0
10.「湯をわかす程のあつい愛」2016/日本/監:中野量太/3.5
11.「戦場のメロディ」2016/韓国/2.0
12.「トゥルース・オブ・ウォー」2016/アルゼンチン/2.0
13.「ジェーン」2016/アメリカ/3.0
14.「パッセンジャー」2016/アメリカ/監:モルテン・ティルドゥム/3.5
15.「手紙は憶えている」2015/カナダetc/監:アトム・エゴヤン 出:クリストファー・プラマー/3.5
16.「壮烈第七騎兵隊」1941/アメリカ/3.0
17.「spy/スパイ」2015/アメリカ/3.0
18.「エンカウンター 地球外侵略者」2017/アメリカ/2.0
19.「モネ・ゲーム」2012/監:マイケル・ホフマン 脚:コーエン兄弟 出:コリン・ファース、キャメロン・ディアス/3.5
20.「生きうつしのプリマ」2015/ドイツ/3.0
21.「アイアンクロス ヒトラー親衛隊SS装甲師団」2016/イタリア/2.0
22.「人間の値打ち」2013/イタリアetc/監:パオロ・ヴィルズィ/3.5
23.「蜩ノ記」2014/日本/2.0
24.「no exit/ノー・イグジット」2015/アメリカ/監:ヴィエ・グエン/3.5
25.「ターザン:reborn」2016/監:デビッド・イエーツ/3.5
26.「ネイビーシールズ」2012/アメリカ/2.0
27.「エージェント・ハミルトン 祖国を愛した男」2012/スウェーデン/3.0
28.「エージェント・ハミルトン ベイルート救出作戦」2012/スウェーデン/2.0
29.「イレブン・ミニッツ」2015/ポーランド/2.0
30.「日曜日には鼠を殺せ」1964/アメリカ/2.0
31.「バッド・トラップ」2013/アメリカ/監:プリンス・バグダサリアン/3.5
32.「二重生活」2016/日本/監:岸善行/3.5

★「断念!映画」
「面白くなさそう」と中断してしまった、「断念=残念」映画は?

「オレンジ」2015/日本
「ロスト・レジェンド 失われた棺の謎」2015/中国
「ラストベガス」2013/アメリカ
「ネオン・デーモン」2016/アメリカ
「バルタザールどこへ行く」1966/フランスetc
「新選組」1958/日本

★「期待作!」

岸善行監督作「二重生活」については「今夜の本!」で取り上げたのでパス。
残る期待作は、観る機会のないままはや半世紀、1966年のフランス映画「バルタザールどこへ行く」(あまりにもすべてが古すぎ、「断念!映画」となる)、そして1964年のアメリカ映画「日曜日には鼠を殺せ」だ。

詩の一節から引用という邦題からしてそそられるではないか。それも名匠フレッド・ジンネマン監督作。当時、原作入手しながらもその後も観る機会ないまま悶々とした、我輩にとっては「バルタザール」とともに幻の映画。ゆえに大いに期待。
スペイン内戦後、反政府ゲリラのリーダーが亡命先のフランスから祖国スペインに潜入しての暗殺劇。暗殺といえば同じくジンネマンの傑作「ジャッカルの日」(ド・ゴール大統領暗殺劇)があるし、エドワード・フォックス演ずるその暗殺者ジャッカルの印象深さは、先月の「推薦作!」で触れた「ザ・バンク 落ちた巨像」脇役の名もなき暗殺者にも通じていて・・・で、期待はどんどんふくらんで・・・ふくらみすぎた。
グレゴリー・ペック、アンソニー・クイン、オーマー・シャリフといういまは亡き名優たちの作品ながら、暗殺の標的が町の警察署長という小物、さらに昨今の主人公達の死に比べてのあっけない幕切れなどなど、「バルタザール」同様これも古すぎた感で終わってしまった。

★「寸評!」

デンゼル・ワシントン主演「イコライザー」は、ホームセンター従業員の主人公が元敏腕CIAという設定。顔見知りの売春婦の少女を助けたため「組織」と対決することとなる。「19秒で世の不正を完全抹消する」の謳い文句。で、対決時に時計を確認し、毎回19秒で相手を倒すという痛快な展開。が、キアヌ・リーブス「ジョン・ウィック」同様、後半はまるでスーパーマン。彼らがいればアメリカ軍など不要とさえ思えてくるんだけどこの手の映画、必ず協力者が殺されてしまうパターン。スーパーマンのわりに素人でも気づく手抜かりがあるわけで。その点での丁寧な作りの映画といえばトム・クルーズ「ジャック・リーチャー」か。

インディアンとのリトル・ビッグホーンの戦いで全滅した第7騎兵隊の指揮官カスター将軍については、数々の西部劇で非戦闘員ふくむ無差別虐殺者とのマイナスイメージ抱いていた。が、ラオール・ウォルシュ監督、エロール・フリン主演「壮烈第七騎兵隊」(1941)では、真逆のインディアン擁護派の英雄かつ悪事はすべて第三者。これは評価「3.5」か。で、385「今夜の本!」での推薦作「花の生涯」の井伊大老と同様に人物像見直し、伝記読もうかとさえ思い・・・「いや、待てよ」とチェックしてみると、事実はやはり無謀な指揮官かつ虐殺者だった。第二次大戦への戦意高揚を図ったのか、戦前戦後で英雄の描き方にこんなにも差があるものかと、評価は「3」にランク落ち。

★「今夜の迷言!」

深夜ドラマ「セトウツミ」より。
高校生の内海が級友の瀬戸に恋の悩みを打ち明けるシーン。

内海「正直なとこどぉ思う?脈あるかなぁ」
瀬戸「太ってる人の脈ぐらいないんちゃう」
内海「まじかぁ」

放課後、川べりでの秀才と劣等高校生二人のこの会話劇、最終回を迎えてしまったと思ったら、とある日「新セトウツミ」と新聞テレビ欄に。「わっ!」と観てみたら、再放送だった。同じく「新 ぼくは麻理のなか」も・・・どないなっとんねんッ。

★「ガジュ丸賞!」

アメリカ映画「パッセンジャー」は、乗客5000人、移住先の惑星までの到達期間120年、しかし冬眠装置の故障で90年も早く目覚めてしまった一人の男。救援要請するも、はるか彼方の地球からの返信は70年後に着信予定・・・という「宇宙のロビンソン・クルーソー」的作品も捨てがたいけれど・・・不謹慎にも「お、まだ生きてたん?」の、クリストファー・プラマー主演「手紙は憶えている」が今月の「推薦作!」となる。

観はじめて「まさかプラマー?」と確認すると、青春時代に観た「サウンド・オブ・ミュージック」トラビス大佐役プラマーがやはり主人公。
施設に入居中の認知症の90歳の主人公が友人からアウシュビッツ強制収容所で自分たちの家族を殺したナチが生きていると知らされ、施設を抜け出し復讐の旅に出る。で、思いがけぬ結末が待ち受けていた・・・。

「今夜の映画!」1/2018 完

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