401「今夜の映画!」3/2018のベストは?

4.11.wed/2018

★「今夜の映画!」

ガジュ丸評価基準。
5「傑作」4「秀作」3.5「佳作」3「普通」2「凡作」1「駄作」。NF=ノンフィクション ※=再観作品。

01.「ニューヨーク2014」2013/アメリカ/2.0
02.「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」2015/イギリス/監:ギャビン・フッド/4.0
03.「愛の亡命」2016/イギリスetc/3.0
04.「何者」2016/日本/3.0
05.「殺戮にいたる山岳」2016/韓国/2.0
06.「インビジブル・エネミー」2015/イギリス/2.0
07.「マッチポイント」2005/イギリス/監:ウディ・アレン/3.5 ※
08.「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」1999/アメリカ/1.0
09.「ブレア・ウィッチ」2016/アメリカ/1.0
10.「ラスト/ナイト」2016/イタリア/3.0
11.「死の罠 デストラップ」1982/アメリカ/監:シドニー・ルメット/出:マイケル・ケイン クリストファー・リーヴ/3.5 ※
12.「コクソン」2016/韓国/2.0
13.「エクストーション 家族の値段」2017/アメリカ/監:フィル・ヴォルケン/3.5
14.「幸せなひとりぼっち」2015/スウェーデン/監:ハンネス・ホルム/3.5
15.「アイ’ム ホーム 覗く男」2016/アメリカ/3.0
16.「ある戦争」2015/デンマーク/2.0
17.「パラダイム」1987/アメリカ/2.0
18.「ロマン・デュリスの 偶然の殺し屋」2016/フランスetc/監:パスカル・ジョメイユ/3.5
19.「パイロマニアック 炎の中の獣」2016/ノルウェイ/監:エーリク・ショルビャルグ/3.5
20.「ミラーズ・クロッシング」1990/アメリカ/監:ジョエル・コーエン 出:ガブリエル・バーン アルバート・フィニー/3.5 ※
21.「プレシャス」2009/アメリカ/3.0

★「断念!映画」
「面白くなさそう」と中断してしまった、「断念=残念」映画は?

「フェリーニのアマルコンド」1973/イタリア
「アサシン クリード」2016/イギリスetc
「ソルジャーズ・アイランド」2012/アメリカetc
「華麗なるリベンジ」2016/韓国
「ディーバ」1981/フランス
「ソーラー・ストライク2013」2005/アメリカ
「ワーテルロー」1970/イタリアetc

★「映画 vs 原作」
映像作品もしくは原作の、どちらが「優?」

「何者」:三浦大輔監督△ vs 朝井リョウ原作×
主人公役の佐藤健が役柄にピッタリか。先月読了の原作通りの展開ながら、ただ観てるだけの気軽さのみで映画版が優になっただけ。

★「期待作!」

観はじめて、ひょっとしたら秀作かと思ったのが「殺戮にいたる山岳」と「インビジブル・エネミー」

前者は、山中の落石現場で老婆が金の鉱脈らしきものを見つける。知人の刑事に知らせると「愚者の金。これは黄鉄鉱だ」と指摘し老婆は落胆。が、刑事は猟友会の仲間を集め、実は金鉱のそれを自分たちのものにしようと画策。そして事実を知った老婆を殺害。その現場を目撃した老婆の孫娘とひとりの老人。山中で彼らの死闘が展開されるという我輩好みの「巻き込まれ型」の異色作・・・。
がラスト、撃たれて死んだはずの首謀者のみならずこれまた撃たれたはずの老人なぜか出現し、ふたたび対決、なぁんてありえんシーンが。録画巻き戻して再確認とも思ったけれど、さらなるムダな時間が加算されるだけかと、消去。

後者は、完全装備の兵士の小隊が捕虜らしき二名を連行中のシーンから始まる。一人の兵士は負傷している。風景から思うにアフガニスタンでもイラクでもなく、無人の建物には英語文字。イギリス映画だからイギリス舞台の近未来SF映画かな。で、奇妙な風体の人の姿したモノ出現しSFだなと確信。逃げる兵士たちは捨てられた装甲車に逃げ込み、ハッチが壊れ閉じ込められて・・・。
それからの極限状態が見せ場かと思いきや、置き去りにした負傷兵が元気な姿で現れたりと不可解な場面が続き・・・結局、防護服の兵士たちに装甲車ごと焼却され、ナニかの実験だったらしいという、不可解極まりない結末。原題「TANK」でシンプルな題名の良さはあるのに、かつてヒットした人を透明化させる実験での恐怖を描いた「インビジブル」(ポール・ヴァーホーヴェン監督)以来、この単語を安易に使った駄作の一本となる。

公開当時見逃したファッショナブルな恋愛サスペンスと評された「ディーバ」はそのポスターも素敵だったけれど、主要人物の黒人オペラ歌手の女性の魅力も殺し屋の非情さも皆無の「断念!映画」の一本に。

★「寸評!」

面白そうと観てみると、かつて観た作品と分かってもつい最後までというのがある。ウディ・アレン監督のサスペンス「マッチポイント」がそう。
幸せな結婚生活を迎えた男が妖艶な女と知り合い破滅へ、というよくあるテーマながら、さすが名監督。主人公に対し「アホ、バカ」とまたもや思いつつ最後まで。

観たのは分かっていても再観したのが、アイラ・レヴィン原作、名匠シド二ー・ルメット監督、名優マイケル・ケインの「死の罠」。逆転に次ぐ逆転で公開当時は狂喜したけれど、公開から40年ほども経過したいま観ると目が肥えたのか、アラも見えて・・・。

三度目の鑑賞でコーエン兄弟の監督作と初めて知った「ミラーズ・クロッシング」。森でガブリエル・バーンが殺されようとするシーンは音楽とともに何度観ても印象的な、硬派のギャング映画だ。

公開当時に不評もあって観なかった作品の続編があると知り、続編制作されるほどなら?と観たのが99年「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」と、続編の16年公開の「ブレア・ウィッチ」。魔女の森を舞台にしたホラー映画。前作を多少でも上回ることができなかったのが不思議なぐらいの、やはりの駄作。両作共に。

★「ガジュ丸賞!」

無人島に漂着した家族が漁船に発見されるが、救助に法外な金額を要求されての「エクストーション 家族の値段」
偏屈な老人が隣家の移民家族と交流するうちに生きる希望を見いだしていくスウェーデン映画「幸せなひとりぼっち」
工場をリストラされた真面目な男が殺人を依頼されたことが発端で「殺し屋」となってゆくブラックユーモアたっぷりな「偶然の殺し屋」
村の消防士の息子が放火魔となるその異常な過程とその演技から目を離せないノルウェーの実話映画「パイロマニアック」あるなかでのオススメは・・・

イギリス映画「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」
個性派男優アラン・リックマンの遺作でもある。
テロリスト殺害のため、英米合同軍は無人機からのミサイル攻撃を計画。
が、民間人の少女を巻き込む可能性が生じ、実行への議論が紛糾するなか下された結論とは。直接手を汚さぬ現代戦のマイナス面を見せつけられる秀作。

「今夜の映画!」3/2018 完

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