425「24時間戦えますか!」第四話

8.29.wed/2018

前回は、社長こと隊長に「別室に」と我輩が呼ばれたところまでだった。

★リーダーたるもの・・・

で、六畳ほどの和室に入ると正座し待ち受けていた隊長いわく、「今から研修スケジュールと今後の運営について伝える。それを全員に伝達すべし」と。

しばし後、我輩壇上に立ち、主に次のことを全隊員に伝えた。
@五名単位で班を構成。
A各班ごとにリーダーを決定。
B隊長から与えられた課題に対し各班協議。
C各リーダーは意見集約のうえ回答を発表。
D回答に隊長が承認与えたグループから食事そして就寝。
その他諸々の決まりごと伝え終えると・・・隊長からその課題が示された。
いわく「本日の総リーダーに対し批評せよ!」
あ〜、また我輩のことやん・・・。

決められた協議時間内に作成した回答書(大きさ一畳ほどのベニヤ板に模造紙貼り付けたヤツ)もとに、各リーダーが壇上に立っての発表が始まった・・・いわく「総リーダーS隊員の述べたアノ点が不明」「アノ点を詳しく説明すべし」「アノ点が聞き取れなかった」云々と・・・要するに、未熟極まりない我輩に対してのお偉いさん方による誹謗中傷合戦。赤色中国、毛沢東信奉紅衛兵による、意に染まぬ人間に対する吊し上げ裁判みたいなもん・・・。

★反論。そして・・・

各リーダ回答すべて終えると・・・壇上に立った隊長の声が大広間に響き渡った。
「だからA石油はこうした研修をせねばならなくなったのだッ。そのことを自覚もしていないお前たちA社幹部は幹部の名にふさわしくないということなのだッ。お前たちはいい年をしてかつ幹部でありながら日本語さえも理解していないッ。私はS隊員を批評しろと言った。批判をとは一言も述べてはいない。が、お前たちが日ごろ部下に接しているのとまさに同様、批判非難一辺倒の回答ではないかッ。是非、善悪を論じ評価すべきが批評というものではないのかッ。日ごろ部下の良き点より悪しき点のあら探しばかりのお前たち幹部ゆえA石油組織自体が未成熟なため今回の研修となったのだッ。私が総リーダーを求めた際にお前たち誰一人として名乗り出もせず、いまこうして手を上げたS隊員を非難していることをどう考えるのかッ。私はS隊員に別室でメモも取らせずスケジュール等を伝え発表させた。S隊員はそれをお前たちの前で発表したッ。私は的確に伝達し、立派であったとさえ考えているッ」

・・・赤色中国に爆撃してくれたみたいでちょっと嬉しかったけれど、これでようやく夕食やなと思ったところに社長、いや隊長「では次の課題に移るッ。今述べた組織の理想的な姿とはお前たちにとってどういうものか、その協議に入れッ」
・・・こうして「研修」と名付けられたナニかが延々と続けられたのであった。

「24時間戦えますか!」最終日の話に、つづく

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